小川フミオのモーターカー

確固たる地位にある「ジャガーEタイプ」

1961年から64年のシリーズ1はコンパクトなグリル

1961年から64年のシリーズ1はコンパクトなグリル

1961年に発表された英国・ジャガーカーズのEタイプ。その美しい姿は、自動車史においても確固たる地位にある。モデル名は、Cタイプ、Dタイプといったジャガー・レーシングカーの系譜に連なることを示していた。当時のファンの期待通り、量産車より114kg軽量化した「ライトウェイト」というレース仕様も63年に生産され、レースで活躍した。

写真のクーペとロードスターが用意された

写真のクーペとロードスターが用意された

薄いボディーがスタイリッシュなロードスター

薄いボディーがスタイリッシュなロードスター

Eタイプの美とは、究極のスポーツカーというところにある。大きな直列6気筒エンジン(後にV型12気筒エンジン)が収まることを示唆する長いフード。後輪の上の位置にドライバーが座るほど後退したキャビンと見事なバランス。滑らかなシェイプのボディーに組み合わされた大きな車輪。そして、フェンダーの張り出しやボンネットの膨らみの絶妙なカーブなど、細部にまでわたり丁寧にデザインされている。

合理的に設計されたコックピットでは脚を投げ出すように座れる

合理的に設計されたコックピットでは脚を投げ出すように座れる

全長4450mmに対して全幅は1660mmと、現在の水準ではコンパクトな車体だが、1220mmと低い車高は、スピード感も醸し出している。実際にエンジンをあまり回さなくても、しっかりとパワーが出て速い。その点も人気が衰えない理由だ。

3.8リッターで登場し4.2リッターになり、シリーズ3は5.3リッターV12に

3.8リッターで登場し4.2リッターになり、シリーズ3は5.3リッターV12に

今のクルマは、スタイリストあるいはデザイナーが造形を手掛けているが、当時は異なった。70年代まではエンジニアも交え、あれこれと皆で話し合い、職人が“こんな感じ?”と車体をつくることが多かった。Eタイプも、当時のジャガーカーズにおいて、社長だったウィリアム・ライオンズ氏と、航空エンジニアとしてのバッググラウンドを持つマルコム・セイヤー氏の合作だ。二人が製図板の上で線を引いたというより、巧みなディレクションをした産物だったのだ。そこから、このような美が生まれる。

ボンネット(1ピース)の膨らみが魅力的

ボンネット(1ピース)の膨らみが魅力的

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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