&30

秘書のふりをしてスケジュール管理! AIアシスタントの未来

ついにAIはスケジュール管理ができる秘書にまで進化。 [gettyimages]


ついにAIはスケジュール管理ができる秘書にまで進化。 [gettyimages]

 プロの棋士を超える実力をそなえた囲碁プログラムAlphaGoや、人間の声に反応して適切に返答をするスマートスピーカーなど、2017年はさまざまな分野で人工知能や機械学習がクローズアップされる年となった。
 こうした技術は、やがて人間の仕事を置き換えるようになるかもしれないと言われているが、今の段階では現実味が感じられないという人も多いだろう。実際の仕事は、人間同士の言葉によるやりとりが多く、コンピューターには不可能に思えるからだ。
 しかし、まるで人間と会話しているかのように動作して、気づかないうちに私たちの仕事の一部を受け持ってくれるサービスが次第に増えている。その一例が、AIによるスケジュール管理を行う「X.ai」だ。

雑用を置き換えてゆくAIサービス

まるで人間とメールで会話しているかのように、自然にスケジュールを調整してくれる。


まるで人間とメールで会話しているかのように、自然にスケジュールを調整してくれる。

 X.aiはまるで秘書のように自動でスケジュールを管理してくれるサービスだ。たとえばX.aiのユーザーのもとに、ミーティングを提案するメールが届いたとする。そのユーザーはX.aiの提供しているメールアドレスをCC欄に入れ、「了解しました。それでは来週中にミーティングを行いたいと思います。予定の調整は秘書のエイミーに任せてありますのでお願いします」という具合に返事をする。
 実はこのCCされたアドレスの「秘書のエイミー」はX.ai上で動作しているプログラムだ。ユーザーのカレンダー情報はX.aiと連携しているため、プログラムはそれを元に相手と予定を調整してくれる仕組みになっている。その様子は、まるで人間とメールで会話しているかのように自然だ。
 ・エイミー「こんにちは、金曜日の午後3時に弊社のオフィスというのはいかがでしょうか」
 ・相手「その時間だと間に合わないので4時でもいいでしょうか」
 ・エイミー「かしこまりました。それでは金曜日の午後4時で招待状を作成しますのでご確認ください」
 こうした何度かのメールのやりとりが完了したら、「エイミー」はユーザーと相手の両者に決定した時間と場所の招待状を送信し、カレンダー上でその時間を「予定あり」に設定してほかの予定が入れられないように管理してくれる。
 自然なメールのやりとりで対応可能なため、多くの場合、相手は「エイミー」がプログラムであることに気づかないだろう。

あなたがメールでやりとりをしている「秘書」は、実はもうプログラムかもしれない。 [gettyimages]


あなたがメールでやりとりをしている「秘書」は、実はもうプログラムかもしれない。 [gettyimages]

AIに任せることが、大きなコスト減になる時代

 「そのようなことは人間でもできるではないか」と思われるかもしれないが、それがまさに X.ai の強みと言っていい。
 これまで、機械が受け持つことができるのは決められた部品の組み立てなどといった、判断をともなわない単純作業だと考えられていた。それは反面、判断を必要とする作業はすべて人間の努力によってカバーされてきたということでもある。
 しかし、人間のように判断し、雑用をこなすことができるプログラムが登場すれば、状況は一変してしまう。人間が手間をかけてスケジュールを調整し、煩雑なメールをやりとりするのは、むしろコストが割高になってしまうのだ。
 X.aiはまだ英語のみのサービスであるものの、今後は多言語への対応も、スケジュール管理以外のさまざまな雑用への対応、メールだけではなくSlackやメッセンジャーといったツールへの対応も計画されている。
 実現すれば、秘書業務が大きく変わるだけでなく、これまで秘書をやとうことができなかった人の負担を大きく軽減することにもつながるだろう。
 こうした人工知能を使った業務用プログラムはX.aiだけではない。たとえばジョージア工科大学ではIBMの人工知能Watsonを利用したティーチング・アシスタントを開発し、学生たちの質問に対応させるという実験的な試みをしたところ、学生はそれがプログラムであることに気づかなかったという例がある。
 スケジュールの調整や、すでに答えが存在する情報の照会といったような難易度の低い業務は、あっという間にAIによって置き換えられてしまうだろう。「メールの相手がコンピューターだった」という一昔前のSFのようなことが、すでに現実になりつつあるのだ。

(文・ライター 堀 E. 正岳)

イメージとは全然違った!? フィンランドで挫折を味わった夜。本場のサウナ体験レポート

一覧へ戻る

真冬の海に入るってどんな感じ? ヘルシンキで話題の最新サウナ「Löyly」で実践してみた。‬

RECOMMENDおすすめの記事