口福のランチ

定番カシミールカレーにシャーヒーカレー… 専門店の草分け「デリー」(東京・上野)

看板メニューは刺激的な辛さと黒いルーが特徴の「カシミールカレー」


看板メニューは刺激的な辛さと黒いルーが特徴の「カシミールカレー」

今週の口福のカレー店は、「デリー 上野店」。湯島駅もしくは御徒町駅から歩いて3分ほど、春日通りに面した店の前には、いつもオープン前から列ができる。カウンターとテーブル席を合わせて17席の小さな店だが、回転は速く、さほどストレスを感じることなく入店可能だ。

創業は1956年、インドカレー専門店の草分けとして今年で62年目を迎える老舗中の老舗だ。まだ「インドカレー」という言葉になじみのないころから、日本人の舌に合うインドカレーを提供し続けている。今では銀座と六本木ミッドタウンにも店を構える一方で、のれん分けした店も多く存在する。

スパイスに漬け込んだチキンを別に炒めて、後からルーに加える


スパイスに漬け込んだチキンを別に炒めて、後からルーに加える

筆者にとってデリーのカレーは、ランチタイムの定番中の定番。初めて食べた「カシミールカレー」に魅了されてから、銀座店に20年以上は通い続けている。デリー創業の地、上野店は、以前からずっと気になりつつも行く機会がなく、今月のカレー特集を機に訪れることにした。

デリーといえば「カシミールカレー(1000円)」。黒くサラサラとして、とろみのないカレーにチキンとジャガイモが入っている。火の出るような辛さに加え、何とも言えないコクとうまみが、口いっぱいに広がってくる。とにかく辛いが、とにかくうまい! 思考回路が停止しそうだが、食べるのは止められない。「インドカレー(950円)」も同じくとろみはなくサラサラだが、色はいわゆるカレー色。ほどよくスパイシーで、ただ見かけよりは辛いので、辛い物が苦手な人には「デリーカレー(950円)」がお薦めだ。

大きくカットされた野菜の食感とうまみが絶妙な「シャーヒーカレー」


大きくカットされた野菜の食感とうまみが絶妙な「シャーヒーカレー」

今回初めて試した「シャーヒーカレー(1000円)」は、たっぶりの野菜を使用したマイルド派。ベースはデリーカレーやインドカレーと似ているが、ココナッツが加わったやさしい味わい。香りの良いヒグという特殊なスパイスを使用し、スパイシーさも併せ持つ。野菜を後から加えることで、野菜の食感とうまみが感じられる個性豊かなカレーだ。

店内はとにかく活気に満ち、多くの客はそれぞれ“デリーならこれ!”という自身のお気に入りをメニューも見ずに、さっと注文し、スタッフがそれに応える。

どのカレーも注文を受けてから小鍋でひとつひとつ丁寧に仕上げられる。鍋から金属製の皿に熱々のまま注がれ、硬めに炊かれた真っ白なご飯とともにテーブルに運ばれてくる。まだ湯気の出ているできたてが食べられるのだ。

デリーは、オリジナリティあふれるカレーを昭和の時代に作り上げ、今もその味を守り続けている。日本人がおいしいと感じる味わいをインドのスパイスと融合させた傑作カレーは、多種多様なカレー店がひしめく東京においても、一二を争う人気店として君臨し続けているのだ。

付け合わせはスパイスを絡めたタマネギのピクルスと甘酸っぱいキュウリのピクルス


付け合わせはスパイスを絡めたタマネギのピクルスと甘酸っぱいキュウリのピクルス

デリー 上野店
東京都文京区湯島3-42-2
03-3831-7311
https://www.delhi.co.jp/store/ueno.php

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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