口福のランチ

スパイスの調和を重視したカレー 南インドの港町・マンガロール料理専門店「バンゲラズ キッチン」(東京・銀座)

お得な「セットターリ」は4種類のカレーの中から2種類を選べる


お得な「セットターリ」は4種類のカレーの中から2種類を選べる

すっかり日本にも定着したインドカレー。ひとくちにインドカレーといっても北インドから南インドまで、多種多様だ。こってりと濃厚な北インドのカレーと比べ、あっさりとした南インドのカレーが、このところ注目を集めているが、その中でも、さらに各地方に特化したお店も増えてきた。

今年1月に銀座にオープンしたばかりの「バンゲラズ キッチン」は、日本でもまだ珍しいマンガロール料理専門店。マンガロールは、インド南西部のカルナータカ州にある美しい港町で、新鮮な魚介が手に入るため、グルメタウンとしても知られている。

オープンして約半年にもかかわらず、すでに人気店の仲間入り。ランチメニューは、好きなカレー1種類をセレクトする「1カレーセット(850円)」や「ドーサセット(1000円)」など、あとはターリが2種類。今回は、初のマンガロール料理を堪能できる「セットターリ(1350円)」と「こだわりフィッシュターリ(1500円)」を注文した。

「フィッシュターリ」には南インドの家庭では定番のブラウンライスがつく


「フィッシュターリ」には南インドの家庭では定番のブラウンライスがつく

セットターリは、豆と野菜のカレー「サンバル」と、マンガロールスタイルの酸味のあるスープ「サール」に加え、カレー2種類を選択できる。今回は中辛のチキンカレーと辛口の卵のカレーをセレクト。これにサラダ、スナック、全粒粉で作ったロティ、そしてバスマティライスと日本米を合わせたライスがつく。スナックはスパイスの効いたナスのフライが二つ。揚げたてでおいしい。

衣が香ばしいサバのフライは肉厚で食べごたえも充分


衣が香ばしいサバのフライは肉厚で食べごたえも充分

フィッシュターリはその名の通り、新鮮な魚介を使ったフィッシュカレーに、マンガロールでよく食べられているブラウンライス、それにサラダ、サール、米と豆の生地で作ったパパド、魚のフライが2個ついてくる充実のセットだ。この日のフィッシュカレーは、サーモンのカレー。ほのかな甘みとほどよい辛みにサーモンのコクが加わった文句なしの一品だ。魚のフライは、ふんわりとやわらかい身を、カリッと香ばしい衣が包んだサバのフライだ。

マンガロールでは刺激の強いスパイスを多用しないそうで、クローブやシナモンなど癖のあるスパイスより、コリアンダーやクミンシードなどのマイルドなものが中心だ。強めのスパイスを使う時も、他のスパイスとの調和を重視し、ひとつのスパイスが突出することはない。辛さを出すための唐辛子も火入れすることでとがりをなくしている。ただ、物足りなさはまったくなく、適度なスパイシーさが心地よい。素材の味を引き出し、それをいい具合にスパイスが覆う。使われる油も少なくおなかにも優しい料理が多いのだそう。

銀座に店を構えた理由のひとつが築地に近いということ。マンガロール料理には、新鮮な魚介類が必須だが、銀座ならシェフやオーナーが自ら仕入れに出向いて手に入れられる。スパイスは、インドと日本の両方で入手。なかなか手に入らないものは、帰国した時に調達してくる。

赤を基調としたシンプルなインテリアの店内


赤を基調としたシンプルなインテリアの店内

店はマンガロール出身のシェフとスタッフ2人で切り盛りしている。寝かすことでおいしさが増す基本のベースは、2~3日かけて作るが、他のものはすべてその日に作る。オーナーのバンゲラ・プラシャント氏は、外資系企業に勤めるビジネスパーソン。故郷のマンガロールでは、兄弟や親類がレストランを経営していて、小さい頃から飲食店に親しんできた。自分が子供の頃から食べてきた懐かしいカレーをみんなにも食べてほしいという思いで、この店をオープンさせたそう。

おいしくて体にも優しい南インド、マンガロール地方のカレーをぜひご賞味あれ。

バンゲラズ キッチン
東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2 2F
03-3561-5516

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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