口福のランチ

ビストロゆずりのだしが効いた絶妙なバランス「グッドラックカリー」(東京・恵比寿)

シラスカレーとキーマカレーのWはプレート内のバランスが抜群


シラスカレーとキーマカレーのWはプレート内のバランスが抜群

今週の口福のカレー店は、恵比寿駅から7分ほど、ビルの入り口に店名はなく、「Don’t worry be Curry!」の看板のみ。まさに隠れ家的な店構えの「グッドラックカリー」。ちゅうちょせずに2階まで階段を上がると、居心地のいい、ゆるやかな空気の中で抜群においしいカレーに出会うことができる。初回の訪問でグイッと心をつかまれ、これからヘビロテ間違いなしのカレー店だった。

代官山の大人気フレンチビストロ「Ata」のプロデュースと聞けば、クオリティーの高さはお墨付きだが、その期待を上回る完成度の高いカレーは、「Ata」で使用するオマールエビなどのだしを使用し、一見、南インド風ではあるが、オリジナリティーにあふれている。

ベースのだしが絶妙に利いていて、味わいの濃い「キーマカレー」


ベースのだしが絶妙に利いていて、味わいの濃い「キーマカレー」

カレーは、日替わりが2種類(1000円)。両方が味わえる「W(1200円)」もある。それにゆで卵やパクチー、チーズなどが各100円でトッピングできる。今回の日替わりは、キーマカレーとシラスカレー。迷わずWだ。昼夜問わずカレーは同じ値段。ランチタイムが16時まで営業しているのもうれしい限りだ。

食の世界で20年以上のキャリアがあるシェフの荒井清成さんは、2017年5月のオープンから、この店で腕を振るう。繰り返しになるが、ここのカレーの決め手となるのがうまみの凝縮されただし。さらにスパイスをほぼホールで使用することで、だしに負けないスパイシーさとフレッシュさを残す。「カレーは本当に奥の深い料理。カレー作りでまた新たな食の世界が広がっています」と話す荒井さんは、カレー作りを楽しんでいるようだ。

半熟ゆで卵をトッピングすると、キーマカレーがさらにまろやかに


半熟ゆで卵をトッピングすると、キーマカレーがさらにまろやかに

運ばれてきたカレーは、見た目からインパクト大。黄色のターメリックライスの上に、少しねっとりとしたキーマカレー、その横にシラスカレー、さらに2種のキャベツのピクルス「アチャール」、スリランカ風ココナツふりかけの「サンボル」、キャロットラペなどが、ブルーのワンプレートに盛られている。色鮮やかで美しい一皿だ。

たっぷりとシラスを使用したカレーは初めて食べたが実においしかった。隠し味にアンチョビを入れているそうだが、シラスにしても野菜やスパイスにしても何かが突出することはなく、うまい具合にまとまっている。それは、プレート内の料理の組み合わせや盛り付けにもいえることで、それぞれ完成度の高い単品が合わさることで、新たなおいしさを生む。そのトータルコーディネートが素晴らしいのだ。この絶妙なバランス感覚は、繊細な和食に通ずる日本人ならではのものだという気がした。

10人も座れば満員の店内は、センスよく飾られたおしゃれな空間で、すこぶる居心地がよい。暑苦しさがまったくないので、猛暑の中でも快適にカレーを味わうことができるのだ。

ビルの入り口には「Don’t worry be Curry!」の看板のみ


ビルの入り口には「Don’t worry be Curry!」の看板のみ

グッドラックカリー
東京都渋谷区東3-21-1 アティモント恵比寿ビル2F
03-3407-9630
https://www.instagram.com/goodluckcurry/

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

店主自らハンティングしたジビエのカレー「ビートイート」(東京・喜多見)

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