追悼「スマイリー・スタン」……世界が愛したマーベル・コミック創始者の横顔

マーベル・コミックの創始者スタン・リー氏が95歳で亡くなった。「ファンタスティック・フォー」「ハルク」「アイアンマン」「スパイダーマン」「X-MEN」など数多くのスーパーヒーローを生み、世界のファンに愛されたアメリカン・コミックのレジェンドの横顔を写真とともに振り返る。

いじめられっ子だったスパイダーマン、自分では制御不能の力で疎まれてしまったX-MEN、鎧(よろい)が欠かせないアイアンマン……。リー氏が生み出したヒーローは、完全無欠の超人ではなく、困難を抱えながらも人々を助けようとする等身大の存在だった。そこにはルーマニア出身の貧しいユダヤ系移民家庭に育ったリー氏自身の人生が色濃く反映されていた。
幼い頃から読書好きで、シェークスピアからパルプ・フィクションの悪漢小説まであらゆる本を読みあさり、空想の世界に没頭した。17歳で親族の出版社の編集助手に採用されると、豊かな発想力でたちまちコミック原作者として頭角を現した。作画アーティストとの共同作業では独自の作劇方法を編み出し、読者との交流にも尽力。テレビやアニメ、映画などの映像分野にも積極的に進出するなど、原作者・編集者・プロデューサーの垣根を超えた活躍で一時代を築いた。
笑みを絶やさぬ穏やかな人柄は「スマイリー・スタン」と親しまれた。マーベル映画にも脇役で必ず顔を見せ、「作品が最も多く映画化されたコミック作家」「カメオ出演した映画の興行収入が世界一の俳優」としてギネス世界記録にも認定。ファンと作品世界の橋渡し役としての活動を終生大切にした。

訃報(ふほう)を受けて、マーベル映画の出演者らが相次いで追悼の思いをSNSなどにつづった。
「全てあなたのおかげです。スタン、安らかに…」(「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr)
「スタン・リーのような人は二度と現れない。彼は何十年間にもわたって子どもにも大人にも、冒険や現実からの逃避行、癒やし、自信、ひらめき、強さ、友情、そして喜びを届けてくれました」(「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス)
「我々は創作の天才を失いました。スタン・リーはスーパーヒーローの世界を開拓したパイオニア。その遺産の一端を担えたことは私の誇り……彼が創り出したキャラクターに息を吹き込む一助となれたことに感謝します」(「ウルヴァリン」のヒュー・ジャックマン)
リー氏の公式ツイッターは、死去の発表後に「1922-2018 Excelsior! 」と発信。「エクセルシオール!(さらなる高みへ!)」はリー氏が生涯モットーとしてきた言葉だった。
(文・深津純子)

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