2019年ピレリカレンダー 来年は夢を見る女性たちがテーマ

カレンダーなのにアートブックとして扱われる。それが「ピレリカレンダー」だ。高名な写真家が世界的な活躍をするモデルを撮影して製作されることで知られる。同時に、大判でページ数も多い重量級、特殊な紙に特色を使った印刷というぜいたくさ、さらに限定部数、と“特別”のオンパレードだ。2019年版のお披露目は、2018年12月初旬にイタリア・ミラノで行われた。
フォーミュラ1へのタイヤ供給をはじめ、フェラーリやランボルギーニのタイヤで知られるピレリ社は、いっぽうで1964年からこのカレンダーを手がけてきた。当初は裸体の美の表現が中心だったが、いまは写真家の作品集のようにアーティスティックな傾向を強くしている。
2019年版は英エディンバラ出身の写真家アルバート・ワトソンが担当し、モデルのジジ・ハディッド、女優のジュリア・ガーナーとレティシア・カスタ、それにバレエダンサーのミスティ・コープランドが登場する。加えて、男性バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニンと、カルビン・ロイヤル三世らが共演しているのだ。
「タイトルはDreamingとして、明日を夢見る女性たちの姿を、映画のように撮りたいと考えたんです」。ミラノでインタビューしたワトソン氏はそう語ってくれた。
ワトソン氏はスティーブ・ジョブズのポートレート(2006年)でも知られるように、強く印象に残る写真を数多く手がけてきている。人物、 静物、風景どれもすばらしい。私が大好きな写真家でもある。
「私は自分でしか撮れない作品を、と考えました。そこで絵コンテをしっかり作り、ライティングにも凝り、小物もたとえばジュリア(ガーナー)が乗るピックアップトラックは30台用意してもらい、そこから最もふさわしいものを選んだという具合です。これは私にとって映画なのだという気持ちで撮りました」
実際に、4人の女性それぞれに独自の物語が考えられている。ハディッドは都会に住む孤独な女性で、空白を埋めようと生活している、といったぐあいだ。コープランドはタンゴを習っている。写真をじっくり眺めているとワトソン氏の世界に引き込まれていくようだ。
私はピレリカレンダーの発表会に招かれるようになって今年で4回目だが、毎回コンセプトがしっかりしているのに感心する。もうひとつすごいと思うのは夜のガラディナーだ。司会を務めた米の女優ハル・ベリーは最後に、「キスしましょう」と会場をまわって来客と(ほおに)キスしまくって場内を沸かせていた。これも特別な体験だ。私は逃したが。
(文・小川フミオ、写真=Pirelli提供)

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