マストリスト

体温に反応し背中の凹凸にフィット
アークテリクスの通勤用バックパック

バックパックユーザーの増加とともに、最近、問題視されているのが満員電車における荷物の持ち方。電車内で他人のバッグの持ち方に不快感を感じたことはないだろうか

快適かつ機能的なリュックサックだが、混雑時の列車内においては迷惑な存在となることがあるのは紛れもない事実。こうした問題をスマートに回避してくれるのが、バックパックやブリーフケースとしても使える2〜3Wayバッグ。なかでもアークテリクスの多機能バッグ「ブレード20」は、働くオトコにとってかゆいところに手が届く逸品だ。

マストリスト

現在発売されているのは、2015年にリリースされた第3世代モデル

マストリスト

ストラップの収納は背面のゴムベルトに挟むのみ。駅のホームなどで背中から下ろして、クールに持ち替えてほしい

ショルダーストラップは、ものの数秒でバックパネル中央部のベルトに挟み込むことが可能。3Wayバッグにありがちなストラップ収納用ポケットを廃し、あえてシンプルな構造を採用したことで、すばやいブリーフケース化を可能に。満員電車に乗り込む時や座席上のスペースにカバンを置く時などにも、もたつくことがない。

ルーツである登山用ハーネスの素材で“荷重分散”を実現

現在ではアウトドアウェアを幅広く手がけているアークテリクスだが、その第1号商品がクライミングに使われる安全ベルト「ハーネス」であることをご存じだろうか。その中でも初期のヒット作と言えるのが、1992年に発表した「ヴェイパーハーネス」。マウンテンバイクのショルダーパッドをヒントに、弾力性と柔軟性に富んだ熱成形フォームの3次元加工技術を採用したもので、軽量かつ堅牢で体にしっかりフィットすると評判になった。

マストリスト

ヴェイパーハーネスの末裔(まつえい)ともいえる「サーモフォームドバックパネル」。エンボスで入っている特徴的なロゴマークはブランド名の由来ともなっている「アーキオプテリクス」の化石がベース

この「ヴェイパーハーネス」で注目を集めたアークテリクスは、次の一手として、熱成形フォームの3次元加工技術を採用した登山用バックパックを次々に発表し、アウトドア業界で不動の地位を手にする。そして、その知見をフルに詰め込んで作られた、アークテリクス初の通勤用バッグこそが、2003年に発売された「ブレード20」なのだ。

アークテリクスのバックパックは、実際よりも荷物が軽く感じられると言われている。その秘密は、前述の熱成形フォームを利用した「サーモフォームドバックパネル」にある。バックパックの背面部に装着されたこのパネルは、体温に反応して背中の凹凸にフィット。ショルダーストラップが触れる肩と胸だけでなく、背中や腰に完全密着することで、荷重ポイントを分散してくれるため、重さを感じにくいというわけだ。

大容量のメイン気室にはオン・オフを区切ってくれるジッパーを装備

マストリスト

アタッシェケースのように開くようになったのは第3世代から

ブレード20は、スーツケースのようにフルオープン可能であるため、非常に荷物が取り出しやすい。1泊2日ほどの出張に使うことも想定し、メインコンパートメントに、ビジネスの場にはそぐわないアイテムをしっかりと覆い隠してくれるジップ式の仕切りを設けている。もちろん仕切りを閉めなければ一つの大きなスペースとして使うことも可能だ。

マストリスト

メインコンパートメントには15インチまでのラップトップを収納できる専用パッド付きスペースも。その内側に見えるのはタブレット用のアディショナルスリーブ

都市で使うことを想定して設計されたバッグとあって、効率良く整理収納ができるブレード20。メインコンパートメントはもちろん、正面のダンプポケットにいたるまで非常に細かくスペースが区切られているため、小物を収納するバッグインバッグなどは必要としない。整理整頓が苦手でも、なんとなくスマートに荷物を持ち歩けてしまうのがポイントだ。

マストリスト

サイドにはキークリップ付きのセキュリティーポケットがあるが、こちらもあくまで隠しポケットといった風情。ここから手を入れて、直接メインコンパートメントにアクセスすることも可能だ

マストリスト

バックパネルのサイド部分には隠しポケットを装備。貴重品収納スペースとして活躍してくれる

とはいえ外観は実にシンプル。いくつかの隠しポケットがあるものの、リュックサックにありがちな外側に飛び出す形のポケットは存在しない

「アークテリクスのバッグ全てに言えることですが、外側はシンプルで、ポケットは内側に付けるようにしています。これは外側にパーツを付ければ付けるほど、何かに“引っかかる”確率が上がるから。山の中であれば木に引っかかって事故につながりますし、電車の中なら他の方のバッグや網棚に引っかかってしまいますよね」(アークテリクス コマーシャルマネージャー・高木賢さん)

アウトドアで手に入れた視点と経験が詰め込まれ、さらに都市用にアレンジされた「ブレード20」。山ではなくビル、密林ではなく満員電車と隣り合わせで生きるコンクリートジャングルの住人にとってマストなアイテムといえるだろう。

ARC’TERYX(アークテリクス)公式サイト
https://www.arcteryx.com

ブレード20  27,000円(税込)
https://arcteryx.com/jp/jp/shop/blade-20-backpack

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

PROFILE

吉田大

ライター・編集者。大学卒業後、児童書出版社勤務を経て、フリーランスに。ファッション、アート、音楽、ストリートカルチャーから、政治経済、社会問題、テクノロジー、グルメに至るまで、多岐にわたるジャンルにおいて、長年にわたり執筆活動を続けている。趣味は自転車と立ち食いそば店めぐり。お酒や煙草を嗜まないストレート・エッジな生活を送っている。

バンクーバー発ブランド「アークテリクス」の都会的セーター風フリース 表地に注目

一覧へ戻る

ダウンジャケットの弱点を技術で克服
アークテリクスのサーミーパーカ

RECOMMENDおすすめの記事