高速道でも砂漠でも安定の走り アウディの電気自動車「e-tron」にアブダビで試乗

アウディが「e-tron(イートロン)」という電気自動車をついに発売する。お披露目された実車は、全長4.9m、全高1.62mのやや大型SUV的なスタイルをもつ。合計で最大300kwの出力が発生する電気モーターを2基搭載した四輪駆動車である。
もうひとつのニュースといえるのが、ジャーナリスト向け試乗会場に、中東アブダビの「マスダールシティ」を選んだことだ。マスダールとはアラブ語で「資源」を意味し、ここでは、アラブ首長国連邦における再生可能エネルギーや資源再利用の実証実験が行われている。
「将来のモビリティーにおけるエネルギーの再利用を研究しているマスダールシティと、過去10年以上、クリーンテクノロジーの開発を進めてきた私たちとは相性がいいのです」
アウディでは、ここを選んだ理由を上記のように説明している。砂漠のなかに作られた近代的な”街”は太陽光発電用パネルで取り囲まれているのが印象的だ。そこに色とりどりのe-tronが並べられた。
e-tronの実車は、ごくまっとうだ。知らなければガソリンエンジンの新しいクロスオーバーに見える。BMWが2014年に発表した斬新なスタイルの電気自動車「i3」の対極にあるといってもいい。
アウディのデザイン担当者にその理由を尋ねると「多くのひとに乗ってもらわないといけないので」と説明してくれた。SUVとハッチバックのクロスオーバーのe-tronは、好き嫌いの少ない穏当なスタイルを選択したのである。
走りはパワフルだ。電気モーターの性格ゆえ、軽くアクセルを踏んだだけで、4リッターV8の「アウディA8 60」と同等である664Nmのトルクがほぼ瞬時に立ち上がる。
出力95kWhの大きなバッテリー(日産リーフは40kWh)はパワーに貢献するとともに、乗り心地にも良い影響を与えている。アルミニウムの堅牢なケースの中に閉じ込められ床下に設置されたリチウムイオンのバッテリーのせいで、いわゆるバネ上荷重が重くなっており、乗り心地はきわめて良好である。
速くて静か、あっというまに速度が上がる。アブダビは公道でも制限速度が時速140キロの区間があるので(それも同地を試乗の舞台に選んだ理由だろうか?)、その性能をたっぷり味わうことができたのだ。
アウディが用意してくれた試乗コースには砂漠も含まれていた。高速道路の脇に砂漠に入る“道”がある。先行車の轍(わだち)が残っていればそれを目安に走るが、場所によってはそれが消えてしまう。
ドライブセレクトで「オフロード」を選択すると、エアサスペンションが働いて車高が50ミリ上がり、なおかつトルクの出方がしぼられる。「e-quattro(イークワトロ)」と名付けられた電子制御の四輪駆動システムは高速では安定した走行をもたらし、砂漠でも安心した走行を実現してくれるのだった。
「マスダールシティ」と「e-tron」。都市とクルマが一体化して進化していく。それこそもっとも理想的な未来のかたちなのかもしれない。

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