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都市で働く人にぴったりなノースフェイスのジャケット
ダウンと化繊綿の長所ミックス、収納も

ザ・ノース・フェイスのスタッフが「東京の冬は、これがあれば乗り切れる」「めちゃくちゃ使える」と口をそろえるのがこの「サンダーフーディ」だ。聞けば実際に所有しているスタッフも数多く、アウトドアスポーツはもちろん、オフィスへの通勤時に兼用しているケースも少なくないのだとか。

ダウンと化繊綿をミックスさせることで生まれた1着

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表地には撥水(はっすい)性、軽量性、コンパクト性を兼ね備えた「Pertex Quantum」素材を採用

アウトドアウェアの世界には永遠に答えが出ないと言われている論争がある。

「ダウンと化繊綿はどちらが優れているのだろうか」

非常に暖かくコンパクトに収納できるダウンだが、ひとたびぬれてしまえば羽毛が潰れ、その高い保温性は失われる。一方、ぬれに対しては非常に強い化繊綿も保温や収納という点でダウンに及ばない。ザ・ノース・フェイスは、二つのマテリアルが抱える弱点を解決するために「コロンブスの卵」的な回答を出す。それまでどのメーカーもやらなかった、ダウンと化繊綿をミックスすることを決断したのだ。

「ダウンと化繊綿は長所だけを見ると5段階評価で5を取れますが、明確な短所もある。このそれぞれの短所をなんとかしたいと長年考えていたんですが、ある時にハイブリッドカーを見て『中綿素材をミックスしたらどうだろう』と思いついたんです。ただ、このやり方だと短所と一緒に長所も抑え込んでしまうことになる。しかし我々はあえて、軽量性、保温性、速乾性など、あらゆる点で『オール4』が取れる、非常に汎用(はんよう)性の高いアイテムを作ることにしました。その結果生まれたのがサンダーフーディをはじめとするサンダー・シリーズです」(ザ・ノース・フェイス事業部アパレルグループマネージャー 大坪岳人さん)

ヘタりにくいダウンに特殊化繊ファイバーを絡ませたハイブリッド中綿

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「ダウンの弱点を解消したかったんです。ヒントになったのはハイブリッドカーでした」と語るザ・ノース・フェイスの大坪岳人さん

二つの素材を混ぜ合わせるという、極めてシンプルな解決法。しかし、そこにもザ・ノース・フェイスらしい高度な技術が数多く採用されている。

「ダウンは一度小さくたたんでも、広げればそのうち元に戻ってくれるんですが、化繊綿は一度絡まってしまうとくっついてしまう。ですからファイバー状の化繊をダウンに絡ませているんです」(大坪さん)

この化繊ファイバーは、身体が発する遠赤外線を利用して保温効果を発揮する特殊素材「光電子®」と撥水(はっすい)ポリエステルファイバーをブレンドしたもの。丁寧に洗浄することで、ほこりや羽毛片、羽毛膨らみを邪魔する油汚れを徹底的に除去し、さらに撥水加工までかけた「クリーンダウン」を使用しているのもポイントだ。

「ダウン製品の組成表示を見ると『その他羽毛』という言葉があると思うんですが、あれはダウンの破片やほこり、ちりなどです。やはり天然素材ですから仕方がない。最初はパンパンだったダウンジャケットが使っているうちにヘタってくるのは、ダウンに含まれているちりやほこりが洗濯時に流れ出ているからなんです」(大坪さん)

通常のダウンジャケットは水分を吸うことで保温性を失っていく。しかしサンダーフーディならば、多少の雨や発汗ではなんら問題は起きないという。一般的な化繊ジャケットよりも軽く、小さくたたむことが可能で、洗濯によってボリュームダウンしてしまうこともない。文字通り「非の打ち所がない優等生」といったところだ。

都市に暮らす“普通の人”におすすめしたい

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光沢を抑えたダウンプルーフ加工を採用しているため、街中で着ても周囲から浮くことがない

先に紹介した「ベントリックスフーディ」は、高い通気性と保温性を両立していることから、冬の屋外で汗をかくアスリートやワーカー、あるいは自転車で通勤通学する都市生活者たちにおすすめできるジャケットだった。ではサンダーフーディはどうだろう? 

「難しい質問ですね(笑)。と、いうのもアスリートからサラリーマンまで、本当にどなたにでもおすすめできるからです。軽く、暖かく、ぬれにも強くて、通常のダウンジャケットに比べて場所を取らない。外で寒くなったら着て、かばんなどに入れることもできますから、電車で移動したりする方に便利だと思いますね。まさに都市で働く“普通の人”にぴったりなジャケットなんです」(大坪さん)

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胸ポケットにジャケットを詰め込めば、小さく持ち運ぶことができる

機能も万全、見た目もスマート。関東以南に暮らす都市住民にザ・ノース・フェイスの中綿ジャケットをすすめるとすれば、間違いなくこの「サンダーフーディ」となるだろう。5点満点のパラメーターで全てにおいて4点を取れる優等生ジャケットは、都市生活においても、その力を発揮してくれるはずだ。

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バインダーは袖口の内側に。ギリギリまでダウンを詰め込むための工夫だが、結果として都会的なイメージを生み出している

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)公式サイト
https://www.goldwin.co.jp/tnf/

サンダーフーディ(メンズ) ¥33,480 (税込)https://www.goldwin.co.jp/tnf/ec/pro/disp/2/NY81811

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

PROFILE

吉田大

ライター・編集者。大学卒業後、児童書出版社勤務を経て、フリーランスに。ファッション、アート、音楽、ストリートカルチャーから、政治経済、社会問題、テクノロジー、グルメに至るまで、多岐にわたるジャンルにおいて、長年に渡り執筆活動を続けている。趣味は自転車と立ち食いそば店めぐり。お酒や煙草を嗜まないストレート・エッジな生活を送っている。

動けば涼しく止まると暖かいノースフェイスの中綿ジャケット
自転車通勤にもオススメ

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