日本の現代美術界を牽引 名和晃平が見据える未来

「PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」という独自の概念をもとにした先鋭的な彫刻作品を創造し続け、日本の現代アートを牽引(けんいん)する彫刻家、名和晃平さんの展覧会「Throne -Louvre Pyramid-」展が東京・銀座の銀座 蔦屋書店(GINZA SIX内)で行われ

本展は、日仏友好160周年を記念してフランスで開催されている大規模な日本文化の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」の一環として、ルーブル美術館のガラスのピラミッド内で特別展示中の大型彫刻作品「Throne」の公開に合わせて企画されたもの(本作の展示は2019年2月18日まで)。

ルーブル美術館の「Throne」は、金箔(きんぱく)貼りの技法と最新の3D造形システムを用いて彫刻化した高さ約10mに及ぶ大作だ。宙に浮いているかのような神秘的なたたずまいで、煌々(こうこう)とした輝きを放っている。ピラミッド内での展示は日本人作家初であり、アジア圏出身の作家としても前例のない快挙であるという。

名和さんは英国に留学し、欧州を一人で巡った際に初めてルーブル美術館を訪れた。「20年後、まさかこの場所に自分の作品が飾られるとは想像もできなかった」と当時を振り返りながら、宗教建築やその技術が随所に見られる欧州各国での滞在と、歴史的建造物が残る故郷・京都の存在が、以後の創作活動に大きな影響を与えたと語る。

「自分がこの世からいなくなったとしても、自由に創造した表現が次代に残り続ける。アートというフィールドが一番自分に合っていると感じ、この道に進むことを決意しました」

今回の展示では、8年ぶりに発売されるアートブック「METAMORPHOSIS(メタモルフォシス)」も紹介している。同書には150点以上の作品が収録されており、ページをめくるごとに名和さんの現在までの足跡を追うことができる。

「彫刻というオーソドックスな分野を新しい時代に向けて拡張し、それが建築やデザインともつながっていき、やがて都市の新しい風景になったら面白いと思います」 ルーブルでの展示や作品集の刊行、そして自身のスタジオ「SANDWICH」の設立10周年など、今年がひとつの節目なのかもしれないと語る名和さん。今後については、引き続き彫刻を中心に、複数の分野にまたがるプロジェクトに積極的に取り組んでいきたいと先を見据える。時代とダイナミックに連動した名和さんの表現は、従来の彫刻という概念を覆す領域へと向かっている。

(文・山田敦士)

PROFILE

名和晃平 (なわ・こうへい)
1975年生まれ。京都を拠点に活動。「PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」という独自の概念をもとに、様々な素材とテクノロジーを駆使し、先鋭的な彫刻製作や空間表現を行う。2009年、京都に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を設立。近年は建築や舞台のプロジェクトにも取り組み、空間表現とアートを同時に生み出している。

 

BOOK
「METAMORPHOSIS(メタモルフォシス)」(光村推古書院)
https://store.tsite.jp/item-detail/art/15149.html

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