小川フミオのモーターカー

北海道の雪上で確かめたジープ・ラングラーの走り 試乗フォトギャラリー

ジープのオリジンをたどると、四駆、軽量、小型という特徴がある。そもそもジャングルを走るために米陸軍が発注した車両で、1945年から一般販売が開始された。いまのモデルは全幅が1895mmあって操縦性を重視しているが、当時は1500mm程度だった。

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オリジナル・ジープのもうひとつの特徴が、独立したフェンダーや平板に近いボディパネルや取り外し可能のドアやルーフにあるとしたら、その伝統を受け継いでいるのが、現行ジープ・ラングラーだ。それで2019年2月に、ジャングルでなく雪山を走る機会があった。

試乗会には、ジープのフルラインナップがほぼ勢ぞろいした。オフロード系のラングラーと、SUV系のグランドチェロキー、チェロキー、コンパスが、雪の積もった新千歳空港近くの会場に並べられたのである。その中にはラングラー・アンリミテッド・ルビコンという、日本未発売のモデルも含まれていた。

ジープはフィアット・クライスラー・オートモビルズに属していて、フィアット車と部品を共用するモデルもある。SUV系はその恩恵を受けて、市街地を走らせても快適だ。室内は居心地がいいし、足まわりもしなやかである。

その一方、ゴツいラングラーも都会で意外に人気がある。街路とその外観のミスマッチ感が好まれるのだろう。ライトグレーやオレンジの車体色がこれほどぴったりくるクルマもない。そのため東京の市街地でもかなり目をひく。

しかし、ラングラーがもっとも似合うのは、やはり未舗装路かもしれない。米国でも泥だらけの姿を見ることが多い。では雪上ではどうか。じつは私にとって、雪上でジープに乗るのは初体験である。

結論を言うと、走りの印象は総じて悪くなかった。ほぼすべてのモデルは雪上でも走破性の高いオールテレインタイヤを標準装備しているし、片輪がグリップを失っても駆動力が確保されるトラクションコントロールも頼りがいがある。

雪まみれになっても、ブレーキランプが雪で隠れてしまわないことには感心した。二分割式のテールゲートも積雪の影響を受けない。さらに室内も印象的だ。スイッチ類は防水加工がされているうえ、パワーウィンドウの開閉スイッチは手袋をはめたままで操作できる。

本格的なクロスカントリー型4WD車を持っていて、実際にオフロードを走った経験があるオーナーは、日本ではわずか5%程度とも聞く。しかし、雪上で試乗してみて、いざというときの安心感という点でジープを選ぶひとが多いことに納得できた。

(写真=望月浩彦/FCAジャパン)

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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モチーフは“ライフセーバーが見守る小屋”
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