キャンピングカーで行こう!

JCCS2019 トピックス
人気のスズキ・ジムニーを車中泊車に

前回同様、「ジャパンキャンピングカーショー2019」に出展されたキャンピングカーの中から気になる車両をピックアップします。

昨年7月、フルモデルチェンジして発売と同時に人気が爆発した軽オフロードカー、スズキ・ジムニーはキャンピングカーの世界でも注目度が高く、複数の車両が出展されていました。

キャンピングカービルダーが作る「車中泊車」

軽自動車ベースのキャンピングカーが人気なのは従来と変わらず。ですが、ここへきてなぜジムニー? ジムニーってベース車両としてどうなのか?という点をまず考えてみましょう。

ジムニーは昔から人気の車両です。軽自動車でありながらタフな足回りと高い走行性能。オフロードも難なくこなす走破性がウリですよね。ですが、キャンピングカーは「寝泊まりするための車」です。住居としての快適性やある程度の広さ(容積)もほしいところです。

キャンピングカーに何を求めるかは人それぞれですが、数日間、快適に寝泊まりしたいのだとすれば、断熱性、居住性、収納力、人によっては簡単なキッチン(水回り)が欲しいという場合もあるでしょう。

あれもこれもと要素を詰め込みたいなら、それなりに空間が確保できるベース車両が必要になります。そうやって条件をそろえていくと、おのずと軽キャンパーのベース車両は「軽バン」か「軽トラック」になるというわけです。

さて、そこでジムニーです。

キャンピングカーで行こう!

おとな2人がゆったり寝られるベッドスペースと冷蔵庫や電源をセットした車中泊ユニット。これが別々のオプションで単品オーダーできる!

ご存じの通り、ジムニーはバンでもトラックでもありません。5ナンバーの乗用車でボンネットもあります。当然、その分、居室は狭くなるわけです。その狭い空間にベッドやキッチンを備えるとなると、まず無理があるということ。

そしてもうひとつのネックはジムニーの価格です。軽トラックや軽バンに比べて、そもそもジムニーは高額です。そこに断熱や各種設備を取り付けたら、もはや軽キャンピングカーとは言えない価格になってしまいます。

しかし、ジムニーの人気ぶりは見逃せません。そこでキャンピングカービルダーが提案したのは「乗用車以上、軽キャンピングカー未満」の、いわば「ビルダーが手掛けた車中泊車」というコンセプトでした。

プロが作ると「車中泊車」はこうなる!

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フラットなベッドスペースは快適性も◎。仕上げはレザーとファブリックの2種類から、色も7色から選べるという

キャンピングカーのプロが提案する「ジムニーベースの車中泊車」が、今回のショー会場ではいくつか見られました。そのどれにも共通していたのは、基本的に車体には手を加えていないこと。前述のとおり、手を加えてしまうとどんどん価格が上がってしまいますので、断熱処理などもされていません。

そんな中で、私が注目したのは軽キャンピングカーの「オフタイムシリーズ」を手掛ける、スマイルファクトリーの「オフタイム・クロスロード」です。他社同様、車体には手を加えずにベッドキットを加える形なのですが、オフタイム・クロスロードのベッドキットはかなり凝った作りをしています。

以下、要点を整理してお伝えしましょう。

■しっかりフレームのベッド

ジムニーのメーカーであるスズキも今回のフルモデルチェンジでは車中泊に使われることを意識して、純正オプションにベッドマットが設定されています(ただし1人用)。確かに、後席はフラットに折りたたまれますし、形状を工夫したマットを置けば寝るスペースは確保できそうですが、キャンピングカーのプロなら、広さ、快適性ともに一味違うベッドに仕上がります。

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頑丈なフレームのおかげでベッドスペースの耐荷重は200Kg超。フレームがしっかりしているおかげで、ベッド下にこれだけの荷物スペースが得られる

まず、ベッドマットは2人分(1人仕様にもできる)。

大人の体重を安心して支えられるだけの専用レールを組み上げ、その上にベッドボードを敷く仕組みを作りました。ベッドの高さはほぼウィンドレベル(窓ガラスの下縁)。試しに横になってみましたが、大柄な私でも問題なく寝返りが打てるほどの余裕があります。

レールは頑丈なステンレス製。ベッドボードは軽量かつ丈夫なハニカム構造。耐荷重は200kg以上とのことですので、大人2人が十分寝られます。ちなみに、ベッドマットの下には座面との間に空間ができるので、荷物を置くスペースになります。

■欲しい生活装備をユニット化

寝られるだけじゃ不十分。多少の生活設備が欲しい、という人向けに車中泊ユニットも用意。荷室のベッド下に収まるように作られた箱形ユニットの中にサブバッテリー(70A)と引き出し型冷蔵庫、1500wインバーター、それにサブバッテリーを走行充電する装置などすべてがワンパッケージになって納められています。

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車中泊ユニットを外に出して、単独で使うこともできる。アウトドアキッチンでBBQなど楽しみたい人には最適だ

写真を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、箱形の正面パネルにはLED照明が取り付けられており、テールゲートを開けて、オーニングテント(オプション)を伸ばし、椅子とテーブルをセットすれば、ちょっとした照明つきのアウトドアリビングに。一箱にすべてまとめたために、重量は70kg弱と少々重いのが難点ですが、箱ごと取り出して使うことも可能なので、キャンプ中は車内を広く使うとか、普段はユニットごとおろしておいて、旅行のときだけ積み込む、という使い方も可能というわけです。

ちなみに走行充電は、このユニットをジムニーの荷室内にあるシガーソケットにつなぐだけでOK。ソケットはオリジナルでついていますが、走行充電に対応できるよう、配線に独自の加工が施されているのだといいます。

コンプリートでもバラでも

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車中泊ユニットを積載しなければ、後席も通常シートとして使用可能。普段使いと遊びの一台二役が可能なのは嬉しい

ジムニーが欲しい人。ジムニーで快適に車中泊したい人。そんな人に向けて考えられた、「オフタイム・クロスロード」。スマイルファクトリーでは完成車として販売するほかにも、ベッドキット単品、車中泊ユニットボックス単品での販売も予定しているとのこと。自分に必要な装備だけを追加することができ、価格をリーズナブルに抑えられるのも魅力です。さらに、冬もアクティブに遊びたい人のために、FFヒーターもオプション設定。これらはすべて、フルモデルチェンジ後の新型ジムニー、ジムニーシエラに対応(それ以前のモデルには不可ですのでご注意を)。

大人の秘密基地感覚で、ハイスペックな車に居住性を追加するという考え方。日本のキャンピングカー文化がますます多様になってきたのを実感できる車です。

オフタイム・クロスロード
\2,655,000(ジムニーXCベース)
単品の価格についてはお問い合わせください

スマイルファクトリー
0856-32-0567
http://smilefactory.sub.jp/blog/

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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JCCS2019トピックス キャンピングカー専用タイヤが本場ヨーロッパから上陸!

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