密買東京~遭遇する楽しみ

福島の職人集団が手がける究極のミニマム神棚

これは何でしょう? 一目では分かりにくいかもしれないけれど、すっと筋の通った本物らしさは伝わってきます。正体は神棚です。

興味はあるのに、心から楽しめるような形を持ったものに出会えない。そのせいで二の足を踏み続けていたり、やむなくピンとこないもので済ませてみたりして、ストレスを感じた経験はありませんか?

その手のストレスを感じそうなものとして、仏壇や神棚は前から少し気になっていました。

木肌の美しさを楽しめる「むく」

木肌の美しさを楽しめる「むく」

神棚と宣言されてもまだ「はて?」と感じる斬新な形。田舎のおばあちゃんちにあるような、伊勢神宮をかたどったものとはまるで違うけれど、もちろん同じ役割で考えられた神棚です。

この商品「kamidana」 を作っている「moconoco」は、福島県いわき市内で結成された木工業者と材木店による職人集団。2010年の結成以来ずっと考えてきたのは、自信をもって世に出せる福島発の商品です。

結成後に起きた2011年の大震災。moconocoのメンバー自身も生活が一変する中、家をなくし仮設住宅で暮らす人たちのために、家族のだんらんを取り戻すちゃぶ台を作って配り始めます。

「仮設には神棚を置く場所がない……」。届け先でそんな声を耳にするようになってから、改めて考えることが多くなった神棚の意味。

古来、四季折々の豊かな自然に感謝し、そこに神の存在を感じ、まつってきた日本の文化。自然に対する敬い、恐れ、感謝を忘れないために、また一日の始まりや終わりに感謝をするよりどころとして、神棚の必要性を感じたそうです。

現代の暮らしに違和感なく溶け込みます

現代の暮らしに違和感なく溶け込みます

moconocoの大平宏之さんは言います。「kamidanaは震災がうたい文句の商品ではないけれど、もし震災がなかったら、困った人の生の声が聞けなかったら、神棚には恐れ多くて手が出せなかったと思う」と。

デザインを担当したmizmiz designの水野憲司さんは、伊勢神宮にまつるという神棚の基本を尊重しながら、スペースの問題や見た目のとっつきにくさをクリアできるよう、お札のサイズを基準に究極のミニマムを目指しました。

本来は三次元(=立体)で表現すべきものを、二次元でもいいんじゃないか? ミニマムへの挑戦を一気に加速させたこのアイデアによって、伊勢神宮のモチーフはレーザーで彫りこまれています。

kamidanaのこだわりは、「神様のうち(=家)」ということ。神様は自然物に宿るという言い伝えから、木からそのまま取り出したようなイメージで、木目を合わせるなどの細かな手作業を経て、ひとつの木片からひとつの神棚を作り出します。

伊勢神宮のモチーフの中央にある小さな窓は、神様を閉じ込めてしまわないよう、神様とつながれるよう、またご利益が少しずつ出てくるようにと願いが込められています。

福島の職人集団が手がける究極のミニマム神棚

国産材と国内生産にもこだわります。ヒノキの無垢(むく)材は木目や色味が一点ずつ異なりますが、すがすがしい香りと手触りのよさを味わえます。

「むく」は木肌の美しさを楽しめる真っすぐなデザイン、「しろ」はインテリアに合わせやすい軽やかなデザインで、どちらも直置きか専用台を使って立たせるつくり。「しろ」だけは壁掛け用フックも付いています。

結婚や新築、開店や開業の節目に、自分はもちろん親しい方へのお祝いにもいいですし、良いこと、あるいは悪いことが起こって思い立ったときも、新しくおまつりするのに良いタイミングのようです。

「日々の大切な行為が生まれた」とか、「自分と向き合うきっかけになった」など、お客さんからの声が何よりうれしいという大平さん。

家族の和や秩序が生まれたり、心を支えられたり、もしかしたら願いがかなうことより大切な喜びを、神棚が教えてくれるのかもしれません。

(文・ヤナギサワ 写真提供・moconoco)

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