キャンピングカーで行こう!

ついにトヨタ・ハイエースに新型登場? キャンピングカー市場への影響は

トヨタは2月18日、ハイエースの新シリーズの発表を行いました。SNSでは車好きの間で画像が飛び交ったため、ご存じの方も多いでしょう。ただし残念ながら、この新シリーズは海外向け。ですが、現行モデルとどう違うのか、これからハイエースをベースにしたキャンピングカーへの影響はあるのかなど、個人的に気になるポイントについて考えてみました。

新型はボンネットタイプ!

そもそも、現行のハイエースが登場したのは2004年。それから15年が経過しています。さらに、今後衝突安全基準が厳しくなることから「次期ハイエースはボンネットタイプになるらしい」と、まことしやかにささやかれてもいたのです。そんなところへ飛び出した今回の発表ですから、車好きや国産キャンピングカー愛好家は「うわ、ついに新型登場か」とざわついたのですが、今回のトヨタの発表では、あくまで海外向けモデル。プレスリリースにも「市場環境が異なる日本においては、従来モデルのハイエースを継続していきます」と書かれています。

車両全長6m弱。正確な室内サイズは発表がないが、そこからボンネットと運転席を想定しても室内スペースは十分。ぜひ日本でも販売してほしいものだ

車両全長6m弱。正確な室内サイズは発表がないが、そこからボンネットと運転席を想定しても室内スペースは十分。ぜひ日本でも販売してほしいものだ

現行車両と何が違うか、といわれれば、まずぱっと見でわかるのは「ボンネットタイプ」だということ。なぜ日本の貨物車両(トラック、商用バンなど)がキャブオーバータイプなのでしょうか。それは税制面などで優遇される4ナンバーの小型貨物車両として登録できるサイズ(全長4.7m以内、全幅1.7m以内、全高2.0m以下)が規定されているため。つまり、同じ長さの車ならばできるだけ荷室を長く、幅を大きく、車高を高く、たくさんの荷物が積めるようにしたいわけです。

エンジンがコックピットよりも前に出ているボンネットタイプはその分不利になるため、エンジンを運転席の下に収めたキャブオーバーが主流になるというわけです。さて、この新型はボンネットタイプですから、なるほど海外向けなのはうなずけます。それにしても気になるのは新シリーズの詳細です。国内モデルとどう違うのか。キャンピングカーベースとしても人気の車種ですから、海外モデルをベースにしたら、どう違うだろうか。もちろん私の個人的な意見ですし、実際そういう話があるわけではないのですが、発表されている諸元をもとに、もしこの新型ハイエースが日本で販売されたら? キャンピングカーのベースとしてはどうなの?……というところを検証してみたいと思います。

新型のスペックはこうだ!

プレスリリースによれば

■エンジン(2種類)
・1GD型ディーゼルエンジン(2.8L、163PS/3,600RPM 420Nm/1,400~2,200RPM)
・7GR型ガソリンエンジン(3.5L、280PS/6,000RPM 365Nm/4,500RPM)

■駆動方式
・FRのみ

■ボディータイプ(2種類)
・ショート×標準ルーフ(全長5,265mm 全幅1,950mm 全高1,990mm)
・ロング×ハイルーフ(全長5,915mm 全幅1,950mm 全高2,280mm)

ボンネットタイプで荷室を従来と同程度確保しようと思ったら、車両全体が大きくなるのは当然です。キャンピングカーでよく使われる現行ハイエースのミドルルーフ×ワイドやスーパーロング×ハイルーフと比較して、かなり大きくなっています。

さて、キャンピングカーベースとして考えるとき、重要なのは室内の広さ。ですが、あいにく、プレスリリースにも海外向けサイトを見ても、室内の寸法は公表されていません。外から見る限り、ショート×標準ルーフは室内高が低そうなので、キャンピングカーのベース車としてはあまり適しているとは言えなさそうです。

一方のロング×ハイルーフは、ほぼFIAT・デュカトのロング車と同じサイズ。ということは、国産のコンパクトキャブコンとキャブコンの中間程度の室内スペースはありそうです。

新型ハイエースでキャンピングカーを作ったら?

スペックを検証していて思い出すのが、一昨年のジャパンキャンピングカーショー(2017年2月)でのこと。FIAT Japanからデュカトが国内販売されそうな機運が高まっていたのですが、どうもその後、続報が入ってきません。本格的な日本上陸の話は中止になったのか、何かとん挫する理由があったのか。少なくとも現時点で、日本国内であのサイズのワンボックスカーは発売されていないのが現状です。そう考えると、デュカトに匹敵するスペースがある国産車両が登場すれば、かなり面白いレイアウトのバンコンが出来そうであることは、想像に難くありません。

それは、室内の広さの点で、現在の国産キャブコンに匹敵するスペースが、国産バンコンで実現することになるからです。このサイズのバンコンが誕生したとしても、運転免許は普通車免許でOKです。気になるナンバーですが、おそらくこの車両は1ナンバーになると思われます。ということは、キャンピングカーにするなら構造要件をすべて満たして8ナンバーに。だとしたら高速料金も普通車扱いのままですね。

ビジネスライクではあるが、装備は十分な感じのするインスツルメントパネル。これも右ハンドルだ!

ビジネスライクではあるが、装備は十分な感じのするインスツルメントパネル。これも右ハンドルだ!

それでも「4WDがあったらいいのに」とか「ショートのハイルーフはないの?」など、要望したいことはいろいろありますが、そもそも国内販売について今のところは何も発表されていませんので、今後どうなるかは続報を待つしかありません。

それでもしつこく深読み(裏読み?)するならば、

・新型を絶対国内では売らない、とはどこにも書いていない
・国内で販売しない車両の「日本語版プレスリリース」を出すのは異例である
・公式サイトの画像に「右ハンドル・左側スライドドア」つまり「左側通行仕様」がある

これらのことから「いずれ国内販売も視野に入れているのでは?」と想像をふくらませたくなるのです。

信頼性の高い国産人気車の大型バンコンが登場する日は来るのか? 期待を込めて続報を待ちたいと思います。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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