小川フミオのモーターカー

新型メルセデス・ベンツAクラス180、180スタイルの乗り心地を確かめる

メルセデス・ベンツ車の日本におけるラインナップのなかで、いまもっとも先進的なモデルは、もっともコンパクトな「Aクラス」だろう。2018年12月に発売された新型には、Sクラスと同等という安全運転支援装備と、会話形式で各種の操作ができる最新のシステムが用意されているのだ。

(画像:安井宏光撮影、A180スタイル= 全長4440mm、全幅1800mm、全高1420mm)

ハッチバックという車型は、コンパクトな全長と機能的なハッチゲートと、それに比較的スポーティな操縦性能を持っている(ことが多い)。そのためファンは多く、市場にしっかり定着している。そのハッチバック市場に登場した注目の新型車がAクラスだ。

今回のAクラスは第4世代である。日本で発売される「A180」と「A180スタイル」は、1.3リッター4気筒ターボエンジンの前輪駆動車で、100kW(136ps)の最高出力と200Nmの最大トルクを発生する。

排気量は大きくないが、従来型のAクラスの1.6リッターエンジンに対して14馬力もパワーが上がっているそうだ。効率にすぐれたパワープラントである。本国では他のエンジンバリエーションもそろうが、日本導入は「未定」と、メルセデス・ベンツ日本は説明している。

東京と葉山の往復で実際に走らせてみると、十分以上のパワーを持っていることが印象に残った。市街地では発進加速がいいし、高速道路での追い越しなど中間加速もあなどれないのだ。とくに3000rpmから上でもりもりとトルクを出してくれる。

メルセデス・ベンツA180

CLSなどと共通の新世代のメルセデス・ベンツ車のフロントマスクをもつ=安井宏光撮影

エンジンだけではない。車体の構造や溶接にも高い技術が導入されているようで、走りが剛性感の高さを感じさせる。ステアリングホイールを切ったときの車体の反応は速く、いっぽう高速では車体はミシリとも言わない。びしっとしている。乗り味は上質だ。

A180スタイルは、シャシーとハンドリングとパワートレインの連携がとれていて完成度の高いクルマなので、快適であり、かつ楽しい試乗だった。運転することが好きなひとにはとりわけ推薦できる。

「A180」と「A180スタイル」のちがいは装備にある。縦列および並列駐車を自動でやってくれる「アクティブパーキングアシスト」やヒーター内蔵の電動シート、左右独立式のクライメートコントロールは後者に標準装備される。コクピットディスプレイも、前者は7インチで、後者は10.25インチとなる。

A180内部

パネルを立てたようなユニークなダッシュボード=小川フミオ撮影

歩行者を検知する「アクティブブレーキアシスト」をはじめ、緊急回避補助システム、アクティブレーンキーピングアシストなどからなる「レーダーセーフティプラス」パッケージは両モデルにオプション設定だ。

会話形式のボイスコマンドシステムである「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)」がナビゲーションシステムやオーディオとパッケージされたオプションも、両グレードに設定されている。

新型メルセデス・ベンツAクラス180、180スタイルの乗り心地を確かめる

「ハイ、メルセデス」と呼びかけると会話型の音声操作システムが立ち上がる=小川フミオ撮影

ボディサイズは全長が4420ミリ、全幅が1800ミリだ。フォルクスワーゲン・ゴルフと比較すると、全長で155ミリ長く、全幅は同一だ。後席もおとながちゃんと座っていられるスペースが確保されており、ファミリーカーとして人気というのもわかる。

メルセデス・ベンツA180

写真の車両はオプションの「AMGライン」装着車で18インチホイールを履く=小川フミオ撮影

新型メルセデス・ベンツAクラス180、180スタイルの乗り心地を確かめる

64色から設定できるアンビエントライトは意外に楽しめる=小川フミオ撮影

価格はA180が328万円で、A180スタイルが369万円だ。ちなみにゴルフは1.2リッターエンジンの「TSI」が253万9000円からで、ほぼフル装備の「TSIハイライン」が331万9000円である。最近のメルセデス車が価格でも戦略的という事実がよくわかる。

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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