私の一枚

SILENT SIREN、結成10年で決意の扇ポーズ
悔しさを超えて見つけた自分たちらしさ

SILENT SIRENの皆さんにインタビュー。見せていただいた組み体操の「扇ポーズ」の写真について、そして結成から10年を経ての心境の変化、さらに新アルバムについて語っていただきました。

写真は記念撮影で定番の「扇ポーズ」。左から、あいにゃん(ベース)、ひなんちゅ(ドラム)、すぅ(ボーカル/ギター)、ゆかるん(キーボード)

すぅ:

去年の10月、学園祭ツアーの初日で鳥取大学に行った時に撮った写真です。私たち、写真を撮る時に、気づくと扇のポーズをしていることが多いんです。両端のあいにゃんとゆかるんは大変だと思うんですけど、その2人がいつもやりたがる(笑)。最近は、扇をしないで帰ると「なんであの時に扇をしなかったんだろう」って後悔するぐらい。日々キレイな扇を作ろうと思ってやってます。

ひなんちゅ:

バンドのスローガンは<一生青春>。本番前の楽屋で、「旅立ちの日に」とか「心の瞳」とか、合唱コンクールの課題曲を4人で歌ったり、ライブのオープニングに騎馬戦の状態で登場したり、学生時代にみんな経験したことがあるような青春感を表現しようと思っているバンドなので、扇もその表現の一種ですね。

ゆかるん:

去年出した「19 summer note.」っていうシングルがまさにそういう曲で、“10代の頃の瞬間的な勢いとか衝動を大人になっても忘れたくない。好きなことをやってるうちは一生青春だよね”っていう思いが詰まっています。そんなふうに、好きなことをずっとずっと続けていくバンドでいたい。扇のポーズはそれ以前からやっていましたけど、扇がスローガンと結びついて定着してきた感じです。

アイドルっぽい見られ方もプラス思考に変換して進んだ

ゆかるん:

バンドとしてデビューしたけど、最初は読者モデル出身であることを強く押し出す感じだったし、振り付けもそうだったので、アイドルっぽい見られ方をしてしまうことも多かったですね。自分たちの意思とは違う見方をされることには、すごく抵抗がありました。でも、今はみんなそれをプラスに捉えられるようになったというか、「それも含めてサイサイだからいいじゃん」って、抵抗感をプラスに変換できるようになってきたんじゃないかなって思います。

ひなんちゅ:

みんなで「悔しい」って言ってね。いつから意識が前向きに変わったかははっきりとはわからないですけど、今と昔を比べたら確実に違う。少しずつ変わってきたんだと思います。

あいにゃん:

10年の間に、一人ひとりがそれぞれ変わったことで、結果的に前向きになれたんじゃないかな。例えば、すぅはずいぶん大人になりましたし(笑)。出会った時はまだ高校生で、本当の妹みたいで、でもすごくとがっていて、カリスマ性があって。でも今は、ただとがっているだけじゃなくて、人間味があるカリスマになった感じ。私も、昔はまったく意見を言わないタイプでしたけど、何も言わずにただ演奏しているだけじゃバンドメンバーとは言えないですよね。言いたいことを言わずに後悔したことも多かったから、長く一緒にいるから言わなくてもわかる、ではなく、長くいるからこそ言いたいことを言おうと思うようになりました。

初めて楽曲提供を受けて発見した「サイサイらしさ」

すぅ:

曲作りは、デビュー前はバンドメンバーの一人でもあったクボナオキ君がずっと関わっていて、彼も含めてチームだという意識を強く持ちながらやってきました。でも新しいアルバム『31313(サイサイサン)』では、初めてチーム以外の人に楽曲を提供してもらっています。誰かに曲を提供してもらおうっていう話はこれまでに何回も出たんですけど、バンド内ですべてを完結させることを重視しすぎていて、外の人が入ることがすごく嫌だったんです。「自分たちのテリトリーになぜ何も知らない人が?」みたいに、勝手な縄張り意識みたいなものを持ってしまい、「私たちは私たちでやるから大人は口を出さないでよ!」と思っていました。だけど、今年で結成して10年目、メジャーデビューして7年が経つ中で、これまでのイメージを打ち破ったり、新しいイメージを持ってもらうためには、間口がもっと広いほうがいいと思うようになりました。

ひなんちゅ:

提供してもらった「Letter」っていう曲は、自分たちの癖とはまったく違う空気感の曲で、みんなの演奏もいつもとは違いましたね。そのぶん苦戦もしたんですけど、新しいってこういうことなんだなって感じました。自分の手癖でやるのではなく、挑戦して、壁を壊して、でもすべてを委ねるのではなく、自分たちらしさも出しながら折り合いつけるというか。そういう演奏ができたかなと思います。

あいにゃん:

仕上がりを聴いた時の感覚もぜんぜん違いましたね。クボナオキ君とずっとやってきたからこそ感じられる新しさもありつつ、クボナオキ君の音作りの良さや「サイサイらしさ」もあらためて感じられたので、より刺激になりました。

 

SILENT SIREN アルバム

3月13日発売の6thアルバム『31313(サイサイサン)』

今年はバンドとして大きく成長できる年かも

ひなんちゅ:

今回のツアーはライブハウスばかりなので大きな演出はないですけど、そのぶん、10年という時間を感じさせられるような演奏をしたいと思います。めちゃめちゃ汗をかくライブになると思うので、みんなにはTシャツとタオルはマストで買って盛り上がってもらいたいです。

あいにゃん:

3カ月近くにわたるツアーなので、体調管理には気をつけないとですね。ここで誰かが骨折とかしたらたいへんなので。

すぅ:

扇やってケガとかしないようにしないと(笑)。

ゆかるん:

ライブでのピンチは今までいろいろありましたけど、それで公演をキャンセルしたことは一回もないので、そこは誇れるなって思います。今回も、ドクターストップ以外は何があってもステージに立つつもりでがんばります。

ひなんちゅ:

私たちって、楽曲だけじゃなくライブでも、他の人を自分たちのチームに入れたりコラボしたりっていうことをあまりしてこなかったので、これからは柔軟にいろんな人と共演したり、一緒にライブをしたりして、新しいものを作っていけたらいいなと思います。今回のアルバムづくりを通して自分たちができることの幅が増えたし、やってみたいことも増えました。その新しい扉を開くためには、もっともっと何かを打ち破っていかないといけないと思っています。その過程で恥ずかしい思いや悔しい思いをするかもしれないけれど、チャレンジすることで変われるんじゃないかと思っています。今年はバンドとして大きく成長できる年なのかもしれないです。

(聞き手 髙橋晃浩)

SILENT SIREN

3月21日から14都市19公演の全国ツアーを控えるSILENT SIREN

 

さいれんと・さいれん すぅ(吉田菫/ボーカル、ギター)、ひなんちゅ(梅村妃奈子/ドラム)、あいにゃん(山内あいな/ベース)、ゆかるん(黒坂優香子/キーボード)の4名からなるガールズバンド。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でデビュー。「サイサイ」の愛称で原宿を中心に女子中高生から人気が広がり、2015年には日本武道館でワンマンライブを開催。2016年には5カ国6都市を回るワールドツアーも敢行。その後もライブを中心に精力的に活動中。3月13日、6枚目のアルバム『31313(サイサイサン)』を発表し、その後は全国ツアー「SILENT SIREN LIVE TOUR 2019『31313』~サイサイ、結成10年目だってよ~ supported by 天下一品」を開催予定。

■ツアー詳細はSILENT SIRENオフィシャルサイトにて
http://silent-siren.com/

PROFILE

髙橋晃浩

福島県郡山市生まれ。ライター/グラフィックデザイナー。ライターとして有名無名問わず1,000人超にインタビューし雑誌、新聞、WEBメディア等に寄稿。CDライナーノーツ執筆は200枚以上。グラフィックデザイナーとしてはCDジャケット、ロゴ、企業パンフなどを手がける。マデニヤル株式会社代表取締役。

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