小川フミオのモーターカー

スポーツカーでも顕著なEV化
ジュネーブ国際自動車ショー・フォトレポート

スイス・ジュネーブでの国際自動車ショーが、2019年3月7日から開かれている。日本と欧州のほとんどのメーカーが出展する内容の濃いショーだ。

(TOP画像はアウディ「e-tron GTコンセプト」)

2019年のショーの主役は「電気自動車(EV)」と「スポーツカー」、もうひとつ付け加えるなら、「電気で走るスポーツカー」となる。その背景には、欧州連合(EU)によるCO2排出量の規制がどんどん厳しくなっていることがある。この規制がいまの自動車開発に最も大きく影響している。どれぐらい規制が厳しくなるかというと、2015年の時点で走行キロあたり130gとされていたCO2排出量を21年には95gへ、というのが現在の取り決めで、その先も、25年までに21年の目標をさらにマイナス15%……という具合だ。

フォルクスワーゲンのヘルベルト・ディースCEOは「25年には販売におけるEVの比率を25パーセントにするのが目標」とインタビューで語ってくれた。同社は「MEB」という専用プラットフォームを使った「ID.」というシリーズをこれから展開する。ショーではコンセプトモデル「ID.バギー」を出展して話題を呼んでいた。同社ではこのEV用のプラットフォームをサードパーティに販売する計画も立てている。1960年代の米国西海岸のクルマ文化を彷彿させる「ID.バギー」は、「楽しいクルマを作りませんか、という呼びかけでもある」とフォルクスワーゲンの企画担当者は言っていた。

また、アウディがショーにEVとハイブリッド車のみを並べたことにも驚かされた。ホンダや日産も、今後はEVへとシフトしていくことをこのショーで大きくアピール。スバルは「フォレスター」のe-BOXER搭載モデルを欧州で発表した。三菱自動車は、クーペ的な高級車「エンゲルベルク・ツアラー」というプラグインハイブリッドSUVのコンセプトモデルで話題を呼んだ。

マツダは、「CX-30」をジュネーブで発表した。「CX-3」と「CX-5」のギャップを埋めるSUVで、ここにも、燃費を高める圧縮着火のガソリンエンジン技術「スカイアクティブX」が搭載される。

一方、トヨタはスポーツカー「スープラ」がジャーナリストの注目の的だったが、新しくなったカローラシリーズを最も目立つところに置き、自家薬籠中のハイブリッド技術のアピールにも余念がない模様だった。

ホンダは、2025年までに欧州で販売する四輪商品のすべてをハイブリッド、バッテリーEVなどの電動車両に置き換えることを目指すという。ホンダの展示では、2019年内に欧州(そのあと日本)で発売予定という、キュートなルックスの「HONDA e」のコンセプトモデルが注目を集めていた。

もう一つの主役、スポーツカーでは、アストンマーティンやマクラーレンがスーパースポーツカーを発表(エンジンはハイブリッド)。ジュネーブショーに出展の多いベンチャー的なメーカーが持ち込んだスポーツカーの多くはEVだった。

そのうち1台が「ピエヒ・マークゼロ」である。かつてフォルクスワーゲングループに監査役会会長として君臨したフェルディナンド・ピエヒの息子トニ・ピエヒが共同オーナーを務めるメーカーだ。

まだコンセプトモデルの段階だが、静止から時速100kmまでを3.2秒で加速する性能を目指すことが謳われている。いっぽう、フル充電で500kmの航続距離を持ち、しかも高速充電器を使い4秒台で80%の充電が完了するようにしたいそうだ。

各展示車の詳細はページ下のギャラリーで。

(文・写真/小川フミオ)

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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