口福のランチ

作り置きしないカレーだから 鮮烈なスパイス感「アジャンタ」(東京・麴町)

麴町で外せないレストランのひとつがインド料理の「アジャンタ」だ。筆者が初めて訪れたのは30年以上も前。根っからのカレー好きとはいえ、当時はまだ本場の香辛料に慣れていなく、刺激的なカレーの味に衝撃を受けながら、ヒーヒーと汗をかきながら完食。以来、何度訪れたかはもう数えきれない。

今も相変わらずの繁盛店で、常連客から初めての客まで、昼夜問わずカレー好きが集まってくる。キッチンからカレーの匂いが漂ってくる臨場感のあるカレー店も悪くはないが、アジャンタは重厚感のあるテーブル席で、ゆったりと食事が楽しめる店だ。

アジャンタの定番。変わらない伝統の味の「チキンカレー」

アジャンタの定番。変わらない伝統の味の「チキンカレー」

ランチタイムは、「チキンカレー」「サーグ マトン(ホウレンソウと羊肉)」「キーマ マター(鶏ひき肉)」「フィッシュカレー(メカジキ)」など肉や魚介を使用したカレーが9種類、ヤサイカレー、 マッシュルームカレーなどベジタリアンカレーが7種類、合計16種類の中からセレクトできる。これまで16種類中10品以上は食べた記憶があるが、どれを食べても外れがなく本当においしい。似通った味はなく、それぞれに個性を持っていて、少しも飽きることがない。

左から「ヤサイカレー」「フィッシュカレー」「チキンカレー」。どれも飽きることがない

左から「ヤサイカレー」「フィッシュカレー」「チキンカレー」。どれも飽きることがない

カレー1種類にライスまたはパンが付く「ワン カレー」が1340円、カレーが2種類になる「ランチ ペア」が1545円。パンはナーン(ナン)、バトゥーラ(揚げナーン)、ロティ(全粒粉焼きパン)、チャパティ(全粒粉薄焼きパン)などから選ぶ。ナンはおかわり自由で、追加で注文すると焼きたてを持ってきてくれる。いずれもコールスロー付きで、酸味のきいたこのコールスローが食欲を増すのだ。

「ナーン」はかなりのボリュームで、しかもおかわり自由

「ナーン」はかなりのボリュームで、しかもおかわり自由

ほぼ毎回注文するのが、「チキンカレー」。非の打ちどころがないほどの上質感がある。アジャンタのカレーを食べるたびに感じるのが、独特のスパイシーさだ。辛いだけではない、鮮度のよさとでも言うのか、どのカレーにも鮮烈なスパイスを感じることができるのだ。

マダムの有沢小枝さんいわく、アジャンタのカレー作りでもっとも大切にしていることは、「手抜きをしない」「丁寧に作る」、そして鮮度を保つために「作り置きをしない」。当たり前のことのようだが、ブレずに守り続けるのは容易ではない。朝仕込んだカレーは、ほぼランチタイムで完売する。ディナー用には午後から仕込みを始めるのだそう。メニューごとに仕込みの量を調整して、鮮度を保つようにしている。

材料へのこだわりも半端なく、例えばチキンは丸のままの上質な国内産チキンを店でさばく。キーマ用の鶏ひき肉も、むね肉ともも肉を合わせて店でミンチにする。適度な油とコクを加えるために、皮も入れるのだが、その日の肉質によって量を加減している。スパイスはインドから取り寄せ、ほとんどは店内でひいて、常に新鮮なものを使う。

麴町駅から徒歩1分。かつての日本テレビ本社前にある

麴町駅から徒歩1分。かつての日本テレビ本社前にある

1957年創業のインド料理店を守るのは2代目オーナーのアナンダ・ムールティさん。厨房(ちゅうぼう)では、6人のインド人シェフが腕を振るっているが、3人はすでに10年以上もの間、この店に勤め、60年以上続く伝統の味を守り続けている。

一度食べたらやみつきになるアジャンタのカレー。年中無休でランチタイムは16時まで。昼時に食べ損ねた時など、非常にありがたい。テイクアウトもあるので、忙しいビジネスパーソンにはとても使い勝手がいい店だ。

アジャンタ(AJANTA)
東京都千代田区二番町3-11
03-3264-6955
http://www.ajanta.com/

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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