MY KICKS

リーボックのプロが行き着いたスニーカー「クラシックレザー」

今や、スニーカーは私たちの生活に欠かすことのできない“生活必需品”。どんな人にも愛着ある1足があり、そこには多くのこだわり、思い出、物語が詰まっているはず。本連載では、様々なスニーカー好きたちが「MY KICKS(=私の一足)」をテーマに語り尽くします。

正芳(たきまさよし)さん
1980年生まれ。ファッション雑誌の編集、アパレルブランドのプレスを経て、201311月リーボックに入社。現在はカジュアル部門である「リーボック クラシック」のマーケティングなどを担当。

「ポンプ フューリー」以前にも数多く存在するリーボックの名品

1989年にリーボックが発表した「ザ ポンプ テクノロジー」は、スニーカー本体に装着されたポンプを指で押して、アッパーの内部にあるチェンバー(空気室)に空気を送り込むという画期的なシステムだった。その後、NBA選手シャキール・オニールのシグネチャーモデル「シャック アタック」などに搭載され、さらに1994年にデビューしたランニングシューズ「インスタポンプフューリー」でチェンバー自体がアッパーの一部になっている「インスタ ポンプ システム」へと進化。90年代半ばに巻きおこったスニーカーブームの中心で、ナイキの「エアマックス 95」と並んで人気を集めた。

「二つ上の兄が買ってきた雑誌を読んでいるうちに、どんどんスニーカーが好きになっていきました」と滝正芳さん

「二つ上の兄が買ってきた雑誌を読んでいるうちに、どんどんスニーカーが好きになっていきました」と滝正芳さん

今回登場してくれたリーボックの滝さんは1980年生まれの38歳。スニーカーブームの狂騒を15〜16歳という多感な時期に体験した世代で、初めて手に入れたリーボックのスニーカーも「インスタポンプフューリー」だった。しかし、そんな滝さんが「マイキックス」として紹介してくれるのは、意外にも1983年に発売された「CLASSIC LEATHER(以下クラシックレザー)」だという

滝さんが愛用している「CLASSIC LEATHER(クラシックレザー)」は、1983年に発売された当時のデザインを忠実に再現した「Archive Pack」モデル。実はこれで4足目なんだとか

滝正芳さんが愛用している「CLASSIC LEATHER(クラシックレザー)」は、1983年に発売された当時のデザインを忠実に再現した「Archive Pack」モデル。実はこれで4足目なんだとか

現在は、80年代前半から90年代後半にリリースされたアイテムの復刻モデルなどを展開するカジュアル部門「リーボック クラシック」のマーケティングを担当する滝さん。クラシック レザーとの出会いのきっかけは、リーボック クラシックの前任者だったという。 

「ある時に『クラシックのマーケティング担当なら履いとかないとダメだよ』ってアドバイスをもらったんです。こっちは真顔で『そうなんですかー』という感じでした(笑)。というのも僕はスニーカーブーム直撃世代。『インスタポンプフューリー』をはじめとする90年代以降のモデルのことは知っていても、それ以前のモデルのことを全然知らなかったんです。あと真っ白のスニーカーを履くことに抵抗感を持っていました」(滝さん)

発売当時のロゴはユニオンジャックの幅が狭く、字間が空いていることがわかる

発売当時のロゴはユニオンジャックの幅が狭く、字間が空いていることがわかる

 

履くごとに足になじんでゆく高品質レザーをアッパー素材に採用

リーボックの「クラシックレザー」が初リリースされたのは、1983年。スエードとナイロンの組み合わせが定番だった当時のランニングシューズの中にあって、アッパー全体に「ガーメントレザー(高級天然皮革)」を使用しているのが特徴だった

リーボックの「クラシックレザー」が初リリースされたのは、1983年。スエードとナイロンの組み合わせが定番だった当時のランニングシューズの中にあって、アッパー全体に「ガーメントレザー(高級天然皮革)」を使用しているのが特徴だった

リーボック クラシックには、白と黒2色をベースに展開されている特別な定番モデルが存在する。80年代のリーボックブランドを象徴するレガシーとも言えるアイテム群で、その中でひときわ存在感を放っているのが「クラシックレザー」だ。

「『これからリーボックと関わっていくわけだから履かなければ』という意気込みはあったんですが、正直言って『真っ白い靴は中学生の時以来履いたことがなかったので』と二の足を踏んでいました。ところが思い切って挑戦してみたところ、意外にもどんなパンツともマッチする。昔の靴なのに履き心地が良いことにも驚きましたね」(滝さん)

右が滝さん愛用のクラシックレザー。1年半ほど履き込まれたことで、アッパーが滝さんの足になじんでいることが見てとれる

右が滝さん愛用のクラシックレザー。1年半ほど履き込まれたことで、アッパーが滝さんの足になじんでいることが見てとれる

「クラシックレザー」のしなやかな履き心地を生み出しているのが、アッパー全体に使われている「ガーメントレザー」と呼ばれる高級天然皮革。「ワイズ(靴の横幅)こそ狭めですが、アッパーの素材が質の高いレザーなので、履いているうちに足になじんでくる。長時間履いても疲れないんです」と滝さんは語る。

厚めのソールもクラシックレザーの特徴。「最新モデルに勝っているとまでは言いませんが、クッション性はかなり高いですよ」と滝さん

厚めのソールもクラシックレザーの特徴。「最新モデルに勝っているとまでは言いませんが、クッション性はかなり高いですよ」と滝さん

幼い娘も認めた「パパがいつも履いている1足」

「海外のファッションスナップなどで、肩の力の抜けたおしゃれな人の足元を見ると、さりげなくクラシックレザーを履いていたりするんです。そういうノリを日本でも普及させたいなあと思っています」と滝さん

「海外のファッションスナップなどで、肩の力の抜けたおしゃれな人の足元を見ると、さりげなくクラシックレザーを履いていたりするんです。そういうノリを日本でも普及させたいなあと思っています」と滝さん

かつて熱狂的なスニーカー少年だった滝さんも30代後半。年齢を重ねたことで、スニーカーに落ち着いた雰囲気を求めるようにもなってきた。家族共用の下駄箱を占領する訳にもいかないため、大好きなスニーカーも厳選しているという。そんな滝さんにとって、幅広いアイテムとコーディネートできるだけでなく、機能面においても申し分のない白の「クラシックレザー」は、うってつけの1足。雨の日にも履けるため「季節を問わずついつい履いてしまう」とのことで、現在履いているものは実に4代目だというから、まさに「マイキックス」と呼ぶにふさわしい。

「本当によく履いていますね。去年の話になるんですが、仕事で作った小さなフライヤーにクラシックレザーを載せたんです。それを見た当時2歳の娘がクラシックレザーの写真を指さして『これパパの!』って言ってくれたんですよね(笑)まだ小さいのにクラシックレザーというスニーカーと、それを僕が好んで履いていることを認識していたんです! あの時は本当にうれしかったですね(笑)」

実はリーボック社内にはクラシックレザーの愛用者が非常に多いという。自社スニーカーを知り尽くしたプロフェッショナルたちが最後に行き着く普遍的な1足ということなのだろう。とはいえ滝さんは、今回クラシックレザーを選ぶことに多少の迷いがあったという。

「マーケティング担当としては、今季リーボックが押している90年代の靴を推すべきですからね。一会社員としては失格ですね(苦笑)。でも本当に愛用している1足ということなら、クラシックレザー以外ないんですよ。極端な話『君はこれから死ぬまで1種類のスニーカーしか履いちゃいけない』って言われたら、クラシックレザーを選ぶと思います。そのくらい思い入れのある、履き続けたい1足なんですよ」

一番好きな角度は真横。「シンプルながらリーボックのスニーカーだとひと目で分かるインパクトが良いなと思っています」(滝さん)

一番好きな角度は真横。「シンプルながらリーボックのスニーカーだとひと目で分かるインパクトが良いなと思っています」(滝さん)

リーボック公式サイト
https://reebok.jp/

クラシックレザー [CLASSIC LEATHER]
¥10,800

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

PROFILE

吉田大

ライター・編集者。大学卒業後、児童書出版社勤務を経て、フリーランスに。ファッション、アート、音楽、ストリートカルチャーから、政治経済、社会問題、テクノロジー、グルメに至るまで、多岐にわたるジャンルにおいて、長年に渡り執筆活動を続けている。趣味は自転車と立ち食いそば店めぐり。お酒や煙草を嗜まないストレート・エッジな生活を送っている。

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