キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーに乗っていて交通事故に遭ってしまった体験レポート

遭いたくなくても、遭ってしまう可能性があるのが交通事故。事故を起こしたくて起こす人はいません。誰一人幸せにならない不幸な出来事であることは、キャンピングカーでも同じことです。
今回は私自身の体験をもとに、キャンピングカーでの交通事故に遭った時に必要な対応とその後についてのお話です。

路肩停止中の接触事故

昨年の秋のことです。私が愛車を路肩ギリギリに止め、ハザードランプをつけていたところ、突然右側から大きな衝撃が。大型トラックが私のキャンピングカー(アメリカ製、クラスC)の右側に追突。なんと車体をこすりつけながら走り去っていったのです。当然、私の車には大変なダメージがありました。その後の展開と私がこの経験から学んだことを整理します。

運転席のドア部分などのへこみやキズ

運転席のドア部分などのへこみやキズは、普通の車と同様に板金修理ができる

路肩に停車中の事故
幸いなことに運送会社の名前がトラックに大きく書いてあったこと、ナンバーがしっかり見えたことで、即座に110番。ほどなくして、当て逃げ犯はつかまりました。

今回、お話ししたいのは事故で壊された車の修理とその補償の問題です。
状況をかいつまんで説明しましょう。

・私は後方を確認の上、ガードレールぎりぎりにハザードをつけて停車した(駐停車禁止区域ではない)
・エンジンは停止していた(ハザードは継続)
・私の車は白線を越えていない(完全に路肩に収まっていた)
・走行車線を走ってきたトラックが私の車の後部から衝突。車の右側をこすりながら通り抜けた

ビルダーに修理見積もりを依頼したところ、それなりの金額が出てきましたが、その後どうなったでしょうか。

ゼロ対100を訴える限り保険会社は動かない!
合法的に路肩に停車中に前方不注意のトラックから被った事故ですから、過失割合は当方がゼロ、先方が100%です。ところが相手の保険会社はそれを認めようとしません。
警察の見分でも路肩内に収まっていたことは確認済であるにもかかわらず、です。
「運転手は白線からはみ出していたと言っている」から始まり「ドライブレコーダーを確認しないと判断できないが、まだデータが入手できない」と、のらりくらり。

残念なことに私のドライブレコーダーは故障していて、作動していませんでした。相手の車両にはついていたようですが、いつまでたっても結果の報告がありません。いい加減時間が経って堪忍袋の緒が切れそうになった時、帰ってきた答えは、「その後の仕事(走行)で上書きされていて、画像がなかった」。そんな馬鹿な。いろいろと突っ込みどころはありますが、向こうはがんとして譲りません。さらに歯がゆいことに、当方の保険会社がまったく動けなかったのです。それはなぜか。

こちらの主張が「0対100」だから、です。
こちらの過失が0、ということは、保険会社は一切関係ない、ということになるのです。1対9なのか、2対8なのか、という割合の戦いになれば、保険会社は全力で乗り出してきます。が、0を主張する以上、彼らは動けないのです。

ちなみに、この問題は3カ月かかって解決しました。最終的には当方の責任0、先方が100で決着がついたのです。先方保険会社によれば、ドライバーに何度も聞き取り調査を行ったが、そのたびに証言内容が変わったのだそうで……記憶があいまいなのか、何とか言い逃れしようとしたのかはわかりませんが、当事者の証言があやふやでは戦いきれない。そう判断したのかもしれません。すべての損害を賠償してもらうことになりました。

もしあなたの車が事故に遭ったら

ここで考えておくべきは、もし自分の車が私のように不慮の事故に遭ったらどうなるか、ということです。今回の経験で学んだのは「弁護士特約」はつけておくべきだった! ということ。まさか0対100の事故で保険会社が動けないとは思ってもいませんでした。弁護士特約があれば、割合がどうであれ、弁護士が動いてくれるのですから、これはつけておくべきです。
さらに、心しておくべきは、キャンピングカーは特殊な修理が必要なクルマだということ。どこが特殊なのか、簡単にまとめました。

キャンピングカーに乗っていて交通事故に遭ってしまった体験レポート

ぎっしりと詰められた断熱材。快適な居住性のためには不可欠な断熱。板金修理のことまで考えられているかもポイント

■バンコンの場合
車体は自動車メーカーから出てきたそのままなので、普通車と同じだと思われがちです。ワンボックスカーやバンのように板金修理ができると思いきや、実は一筋縄ではいきません。板金作業では内側からたたいたり、外から引っ張ったりするわけですが、キャンピングカーの場合は、まず「家具」が邪魔になります。いったん家具を分解して降ろす必要がある分だけ、費用は高くなります。また、事故の衝撃で家具が壊れれば、そちらも修理が必要になります。
通常の車と違って断熱処理が施されていますから、断熱材もはがさなければなりません。損傷の状態にもよりますが、パネルやドアを丸ごと交換するような場合で使われている断熱材が「塗料タイプ(塗布するタイプ)」の場合は、そのパネルだけ再施工することになります。

■キャブコンの場合
居室部分は主にFRP製です。FRPそのものは補修しやすい素材ですが、通常の金属製ボディーとは違い、一般の修理工場ではなかなか手に負えません。損傷が居室部分(FRP)と車両部分(金属製)の両方に及んでいれば、FRPの補修と板金作業の両方を行う必要があります。さらに、バンコン同様、家具や断熱材を一度外し、壊れていれば修理をし、あるいは断熱材の再施工をして戻さねばなりません。バンコン以上に家具が多く、内壁面積も大きいキャブコンは、それだけ大がかりな作業になるのです。

■トレーラーの場合
状況はほぼ、キャブコンと同じです。ただし、欧州製トレーラーに多く見られる、細かな凹凸のある外板が使われている場合、修理は一層困難なものになります。あの小さな凹凸は通常の走行でつく小さな傷や汚れはむしろ目立たなくしてくれますが、車が衝突したような大きな損傷を補修しようとすると専用の工具を必要とするからです。正規輸入代理店ならば必ず用意していますので安心ですが、FRPなどにくらべれば修理費は高額になります。

キャンピングカーに乗っていて交通事故に遭ってしまった体験レポート

ヨーロッパ製トレーラーに良く見られる、凸凹模様。強度を増すためのものだが、板金は専門工場でなければ無理だ

いかがでしたか? 自損であれ、被害を被ったのであれ、キャンピングカーを補修が必要なほど傷つけてしまったら大変であることがご理解いただけたでしょう。
特に、居室部分の窓や冷蔵庫、暖房器具の通気口など、乗用車にはない装備がたくさん取り付けられていますから、これらを交換するとなると、それだけでも費用がかさみます。まして輸入車の場合、必要なパーツが国内になければ、輸入元から取り寄せる時間と費用もかかります。

万一事故に遭ってしまったら、まずは購入したビルダーやディーラーに相談をすること。あるいは、事故の際どこまで対応してもらえるのか、安心できるビルダーやディーラーから購入することが大切です。

そして万一に備えて、十分な保険に入っておくこと。弁護士特約もお忘れなく!

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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