「元気だから大丈夫」の落とし穴。日常生活に潜む高血圧のリスクとは?PR

「元気だから大丈夫」の落とし穴。日常生活に潜む高血圧のリスクとは?

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血圧の正常範囲は、収縮期120未満、拡張期80未満(文中の血圧の単位はすべてmmHg)。

「健康診断で血圧がちょっと高めだったけれど、まだまだ元気だし何も問題ない」と思っている働き盛りの皆さん、本当に大丈夫でしょうか? 

大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学の楽木宏実教授は、「40代、50代になると、いろいろなリスクが重なって動脈硬化が進み、血圧が高くなる人が増えます。血圧は年齢とともに上がるものと思っている人もいるかもしれませんが、正常な人は上がりません。この時期から健康を意識して、人生100年時代をより楽しく生きてほしい」と話します。

「元気だから大丈夫」の落とし穴。日常生活に潜む高血圧のリスクとは?

楽木宏実(らくぎ・ひろみ)

1984年大阪大学医学部卒。米国留学後は大阪大学医学部へ戻り、助手、講師、助教授を経て2007年から現職の教授に。14年から大阪大学医学部附属病院 副病院長を兼任。主な研究は老年医学、高血圧学。

血管系疾患と認知症のリスクを高める高血圧

血圧が140/90を超えると高血圧症と診断されるが、基本的に症状がない病気で“サイレントキラー”と呼ばれている。今は大丈夫でも将来に大きな病気をもたらす。

血圧が高い状態が続くと血管にダメージを与えて脳卒中や心筋梗塞(こうそく)、心不全、人工透析が必要になる腎硬化症など血管系の病気を発症しやすくなるが、それだけではない。

今年2月に高血圧の人の血圧をより積極的に下げた方が認知機能に良い影響を与えたという論文が出された。具体的には「50歳以上を対象に血圧を120未満にしようと努力した群は、140未満でいいとした群に比べて、軽度認知機能障害を含めた認知機能低下の発症率が減る」というデータが出された。高血圧は、血管性認知症だけではなく、アルツハイマー病にも関係しているのかもしれない。メカニズムはまだ十分に解明されていないが、血管が傷害されると、認知機能に関係する物質をくみ出す内皮機能の能力が落ちることもあるかもしれないと考えている。

出典:日本高血圧学会

日本高血圧学会の「高血圧基準に関するパンフレット」より引用

脳卒中や心筋梗塞、心不全などは死につながる病気と思われているが、それだけでなく生活機能の低下をもたらす。人生は「太く短く」とはいかず、男性で80歳、女性なら90歳まで生きる時代になった。年金をはじめ、生活資金の心配だけでなく、どれだけ長く健康な状態を維持できるかも重要だ。健康で自立した生活ができている間は、介護費用はかからない。40歳以上の人には、80歳になった自分がどういう状態になっているかを想像してみてほしい。その年代になると、かなりの確率で脳卒中や心筋梗塞、心不全を発症する可能性がある。

高血圧に加えて、高血糖、高脂血症があると、リスクはさらに増す。40代、50代ではなかなか“自分事”とは思えないだろうが、一定の確率で起こるということは、起こってしまえばその人にとっては100%になる。

「自分はその中に入らない」という考えは危険な賭けに等しい。定年を迎えると健康意識は高まるが、年を取ってからでは間に合わないこともあると知っておいてほしい。

 

血圧高めになったら1日6g未満を目標に減塩

“サイレントキラー”の高血圧は、生活習慣を改善すれば、薬剤なしで管理できる可能性もあるし、生活習慣が改善できないままだと薬剤の効きも悪くなるという特徴がある。生活習慣や薬剤管理で早期から管理すれば重大な脳心血管病に至らず、サイレントのまま生きることができる病気とも言える。

ここで「高血圧は病気になる前の段階から本当は怖い」ということを伝えたい。健康診断で血圧が120を超えたら黄色信号とまでは言わないが、同じ年齢層の集団で見ると120~130の人も少しリスクが上がる。130~140の人たちは120未満の人たちに比べて10年間に脳心血管病が発症するリスクが約2倍になる。「高血圧症」と診断される前の段階で頑張れば、少ない努力で効果を長続きさせられる。

血圧を上げないための生活習慣の改善で、一番大切なのは減塩だ。日本人全体の食塩摂取量は徐々に減って1日10gを切るところまできたが、血圧が高めの人は1日6g未満が目標になる。

イギリスは最大の塩分摂取のもとになっていたパンの業界に「ゆっくり塩分を下げれば消費者が気づかない」ことを科学的に提示するなどの努力をして、企業の売り上げを落とすことなく国全体の減塩に成功した。国を挙げての取り組みの重要性を教えてくれる。

個人でできることはどうか。働き盛り世代はどうしても外食が多くなるが、できれば定食を選び、ラーメンの汁は残すなどの努力をしてほしい。丼物はオーダー可能なら味薄め、汁少なめで。減塩調味料や減塩食品も増えており、加工食品の栄養価表示もかつてのナトリウム(Na)表記から食塩相当量に変わったので、購入時に意識したい。

「元気だから大丈夫」の落とし穴。日常生活に潜む高血圧のリスクとは?

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もちろん運動も大切だ。体重はBMI22を目標に(25以上は肥満)。血圧を介さず血管そのものにダメージを与えるタバコは禁煙・卒煙。そして適正飲酒を心掛ける。

しかし、努力できる範囲は人によって違う。生活習慣に気をつけても血圧が上がるようなら薬を使う方が効率がいい。「一生飲まなきゃいけないんでしょう?」と心配されるが、薬を飲むことで元気な状態を保てるのだったら、その方がいい。副作用が少ない薬がたくさん作られており、実際に何十年も飲み続けている人がたくさんいる。

長く服用することを考えると、ジェネリックを選べば医療費も抑制できる。降圧薬は、コレステロールの薬、糖尿病の薬との間に飲み合わせの問題もない。サプリメントと漢方薬を服用している人は、かかりつけの薬剤師に確認すると安心だ。

「元気だから大丈夫」の落とし穴。日常生活に潜む高血圧のリスクとは?

楽木教授は、もともと薄味の料理が好きで塩分控えめの食事をされているためか、今のところ血圧は正常だという

自分の血圧を知る「自測自健」のすすめ

国際高血圧学会は5月17日を世界高血圧の日と定め、MMM(May Measurement Month:5月の血圧測定)を合言葉に血圧を測ろうという運動をやっていて、日本でも準備している。

働き盛り世代は血圧を定期的に測り、普段の血圧を知っておくことが大切だ。女性を含めて若い時は低血圧だったけれど40代になって血圧が上がってきたという人は、いずれ高血圧になっていく。家に血圧計がない場合は、最初は、家電量販店や公共施設、スーパーなどに設置されている血圧計を利用してほしい。

家庭に血圧計があるなら、起床後1時間以内で排尿後、食前のリラックスした状態での血圧測定を勧めたい。座って測るのが基本で、上腕式血圧計は素肌か薄手のシャツ1枚の上から。手首式は手首を心臓の高さに保って測る。

朝は目覚めるよう体が働き、いろいろなホルモンが活性化されるため、朝の血圧はその人の一番高い血圧を表すといわれる。それを抑えることができたら、血圧をコントロールできているということになる。この血圧が正常範囲なら安心していいが、高い値にある時に「今日は調子が悪かったから」「ちょっとバタバタしていたから」と理由をつけて、まだ大丈夫と自己判断してはいけない。思い当たる人はまずは生活習慣を改善しよう。それでも高い値が続くようなら、一度診察を受けてほしい。

人生100年時代だからこそ「できるだけ長く身の回りのことを自分でしたい」というのは万人の願いだ。動ける体。考える力。その願いをかなえるためのサポートとして、医学的に何ができるのかと考えた時に、多くの方が思っている以上に生活習慣病の管理は大事であると思う。高血圧も生活習慣病の一つなので、40代になったら、ぜひ血圧を意識した生活を心がけてほしい。

(文・大田季子 写真・津波裕)

 

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脳・心血管疾患の発症リスクを予測し、未然に防ぐ

心筋梗塞や脳卒中などの脳心血管疾患イベントの原因としてあげられるのが「高血圧」です。

そして、日本では実に3人に1人にあたる約4300万人が高血圧であるといわれています。

オムロン ヘルスケアでは『高血圧を予防・改善し、脳・心血管疾患の発症をゼロにする「ゼロイベント」の実現』を目指しています。

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