<FOCUS>DAZN解説者の視点

仁志敏久さんに聞くプロ野球今シーズン セ・リーグ編
やはり巨人が中心? 広島はどうなる?

ネット配信サービスの普及で、世界中のスポーツ中継を自宅や外出先で気軽に楽しめるようになりました。生放送はもちろん、録画していなくても見逃した試合を観戦できるところは視聴者にはうれしい変化です。『&M』は、130以上のコンテンツ、年間10,000試合以上を提供するスポーツ・チャンネル『DAZN(ダゾーン)』とコラボして、同チャンネルで解説者を務める皆さんに、今シーズンの見どころや注目の試合についてインタビューするシリーズ企画を始めます。
初回は、3月29日に開幕する日本のプロ野球がテーマ。巨人や横浜で活躍した名内野手で、現在は指導者としても活動する仁志敏久さんに、ずばりペナントレースの展望をうかがいました。

大型補強で野手陣が揃った巨人

――まもなく今シーズンが開幕します。セ・パ両リーグでどういう戦いが繰り広げられていくことになるのか、まずセ・リーグについて、現時点での仁志さんの分析を聞かせてください。

仁志 セ・リーグは巨人次第だと思います。野手はもともと優れた選手がたくさんいますし、広島から獲得した丸や元パドレスのビヤヌエバなど、大型補強でレギュラー陣も揃(そろ)っています。

一方で、昨季から不安視されてきた投手陣は、特に変わっていません。一時崩れていたエース菅野はようやく調子が上がってきましたが、岩隈はケガでしばらく出てこられないし、マリナーズから来たクックは実際に投げてみないとわからない。澤村は再び先発に転向するようですし、投手陣の軸がまだ定まっていない印象です。

ただ、原監督が何も策を講じずにチーム作りをするとは思えません。先発陣がどうローテーションを組み、中継ぎ以降をどんな顔ぶれにしていくのか。そこがきっちりハマるようなら、今年の巨人はものすごく強いと思います。

仁志敏久さん

――リーグ三連覇中の広島は、中心選手の丸選手が巨人に移籍し、代わりに長野選手が加入しました。チーム力に変化はあるでしょうか。

仁志 今の広島はチームとしての完成度が非常に高い印象です。昨季も、とにかく打ちまくるわけではないけれど、取るべきところで点を取る。ピッチャーも飛び抜けていいわけではないけれど、欠点もありません。それぞれの選手が非常に充実した時期に入っていて、自分の役割を理解した上でそれをきちんと全うしている。こうなるとチームは簡単には崩れません。

ただ、丸は昨季、三冠王に近い成績(打率.306、本塁打39本、打点97)を残したわけで、いくら長野が入るとはいえ、その穴は決して小さくありません。昨季は1番打者が何度か入れ替わりながらも、3番はほとんど丸が固定で打ち続けていました。それはチームの強みになっていたはずです。今シーズンからは丸の替わりに長野が新たな流れを作っていかなければなりませんが、打順はどこに固定されることになるのか。こればかりは始まってみないとわかりませんね。

――長野選手以外に丸選手が抜けた穴を埋める期待の選手はいますか。

仁志 いきなり丸の代わりになるわけではありませんが、ルーキーの小園は楽しみです。とにかく試合で見てみたい。ただ、ポジションの問題がありますよね。あの能力を考えたら当然ショートが望ましいのだけれど、既に(田中)広輔がいますからね。広島が小園をどう使うかも注目です。

――巨人の不安材料である投手陣の整備が進まなかった場合、次に浮上するのはやはり広島ですか?

仁志 広島も当然強いけれど、僕は横浜に注目しています。昨季は今永をはじめ、左の先発陣がとにかく振るわなかった。けれども、彼らが同じことを2年続けるとは思えません。野手は強力な打者が揃っていますから、投手陣が最低限のローテーションを守って10勝ずつくらいあげれば、かなり強いのではないでしょうか。

投手では、ルーキーの上茶谷に注目しています。最近の横浜にはいない本格派の右腕で、間違いなく即戦力になる。彼が活躍するようなら、横浜が上位争いを演じる可能性はますます高くなるでしょうね。

仁志敏久さん

将来化ける選手を見極めるポイントとは

――残りの3チームについてはいかがでしょうか。

仁志 どのチームとも厳しいシーズンになるかもしれません。ヤクルトは野手は良いので、投手陣の出来が浮上の鍵。昨季はピッチャーで苦しみましたが、そこからメンバーがほとんどかわっていないですからね。野手では2年目の村上の飛躍に期待したいです。

阪神は、藤浪の離脱でエースが不在。外国人頼みの状況です。野手はいまだに福留、鳥谷、糸井らベテランが中心なので、彼らに頼らないチームづくりが急務でしょう。私が期待しているのはドラフト1位の近本。彼は将来性を感じさせる選手なので、ぜひ頑張ってほしいです。

ただ、本来あるべき姿を考えるなら、1年目のルーキーではなくて、大山や中谷ら若手に結果を残してもらいたい。あれだけの素質を秘めている選手が才能を持てあましているように見えて本当にもったいない。あの2人は、素質だけならどの球団も欲しがる逸材なんですけどね……。

――才能が開花しない要因はどこに?

仁志 金本さんが監督時代に、「彼らはまっすぐに弱い」と言っていましたし、体は大きいけど、変に器用なのかもしれません。今後は良い意味での荒っぽさを出して、強いボールを強く打ち返せるようになるといいと思います。

――先ほどからどのチームでも若手の飛躍に期待していますね。

仁志 今年は本当に将来に期待できる若手がたくさんいますからね。中日もガルシアが抜けて投手陣に不安がありますし、どうしたって根尾の活躍に期待してしまいますよね。彼はスーパースターになる素質を持っている選手ですから。

――10代の選手に対して、「将来化ける」と感じるポイントはどこにありますか?

仁志 野手に関して言えば、スイングの瞬発力(=強さ)と柔軟性の両方を感じられることが一つ。もう一つ重要なのが、タイミングの取り方というか“間合い”ですね。言葉ではなかなか伝わりづらいのですが、間合いというのは、打者がバッターボックスに入ってから打つまでの動作、要はトップ(打者がボールを待って構える状態)に入るまでのタイミングの取り方や時間の使い方などを指します。

仁志敏久さん

プロの選手で一番大事なのは、この間合いです。ボールを待つタイミング、バットをボールに合わせるタイミング、これらは間合いによって測るもので、自分の間合いを持っていない打者は「直球しか打てない」「変化球しか打てない」と打ち方が決まってしまいがちです。

根尾は自分の間合いを持っている選手。一流選手らしい間合いは、トップへの入り方とか、トップに入った時の姿などに表れます。究極のシルエットは王貞治さんのバッターボックスでの姿ですね。

(聞き手・文/&M編集部 下元陽 撮影/稲垣純也、文中敬称略)

仁志敏久さん

■プロフィール
仁志敏久(にし・としひさ)
野球指導者、解説者。1971年生まれ。巨人と横浜で二塁手として活躍。引退後は指導者として、2014年からU-12日本代表の監督を務める。

■「DAZN」について
「DAZN(ダゾーン)」は、スポーツファンが好きなスポーツを、いつでもどこでもお楽しみいただける、スポーツ・チャンネルです。明治安田生命Jリーグやプロ野球をはじめとする国内コンテンツに加え、アメリカのメジャーリーグや、UEFAチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、ラ・リーガ サンタンデール、セリエA TIMなど欧州サッカーも放映しています。さらにF1™、テニス、バスケットボール、格闘技など、130以上のコンテンツ、年間10,000試合以上を提供し、「スポーツの新しい本拠地」として世界最高峰のあらゆるスポーツの興奮をお届けします。月額1,750円でライブ中継のみならず、見逃し配信やハイライト、特集番組などのコンテンツも見放題。テレビ、スマートフォン、PC、タブレット端末、ゲーム機などマルチデバイス対応しており、いつでもどこでも、ワンプライス・ワンプラットフォームでスポーツ観戦をお楽しみいただけます。日本、ドイツ、オーストリア、スイス、カナダ、イタリア、アメリカ、スペインの世界8カ国で展開しており、 世界的スポーツメディアグループDAZN Groupが提供しています。

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