忙しい毎日を送るビジネスパーソンに黄色信号。高血圧になる前にPR

成毛眞、谷田部淳一

成毛眞さん(左)、谷田部淳一医師(右)

ストレスフルな毎日を送る40~50代のビジネスパーソンに忍び寄る“サイレントキラー”の「高血圧」。健診時の血圧が正常でも、職場などで一時的に血圧が上昇する「仮面高血圧」が問題になっています。

ビジネスパーソンの大先輩、元マイクロソフト社長の成毛眞さんと高血圧専門医の谷田部淳一医師のお二人が最新の高血圧事情について語り合いました。

「仮面高血圧」はストレスが関係している?

谷田部 血圧はさまざまな状況下で変動するんですが、季節変動もありますし、1日の間でも起床時や緊張、ストレス度合いによって上がり、就寝時やリラックス時には下がります。健診時に測定される高血圧以外に、健診時は正常なのに、職場や家庭で一時的に上がる「仮面高血圧」や、診察室で医師を前にして上がる「白衣高血圧」があるんですね。いずれも理屈は同じで、緊張により交感神経が優位になるため。以前、とあるIT系企業で職域に血圧計を設置してもらって、自宅での血圧と比較してもらったんですが、半数以上の方が職場での血圧がかなり高めという結果でした。

成毛 僕はマイクロソフトにいた40代ぐらいまでは、血圧は高くなかったんですよね。それが50代から急に高くなってきて人間ドックで高血圧と診断されて。いま63歳ですが、10年ぐらい降圧剤を飲んでいます。いまは平均値で140/90mmHgを下回るぐらい。実は病気に関してはとにかくデータマニアで高血圧の診断を受けてからは週に3~4回ほど自分で血圧を測っているんです。

谷田部 まだ血圧そのものに改善の余地はありそうですが、測定が習慣になっているのはすばらしいと思います。血圧を評価するには通常、週3回は測っていただきたいので頻度としては十分ですね。

成毛 45歳でマイクロソフト退社後は自営業ですから、通勤もしなくなって、最近はPCに向かって物書きをしている時間が長いので、あまり歩かないですし運動もしていない。ですから、いま薬を飲んでも血圧があまり下がらない理由はおそらく、塩分とアルコール、運動不足ですね。でも、生活をとくに変えるつもりもないんですよ。高ければ薬で下げる場合もあります。

「平均寿命の80代ぐらいまで生きると仮定して、高血圧を放置すれば将来的な心血管リスクは高い。血圧を気にして、頻繁に自分で測るようになった」(成毛さん)

谷田部 血圧を下げるためには基本は生活習慣を改善して、減量、減塩、節酒、運動などができればもちろんいいんです。いずれも確固たるエビデンス(医学的根拠)がありますので、しっかり取り組めば仮面高血圧を含む高血圧全般で改善が見込めます。たとえば1日食塩1gを減らすと血圧が約1mmHg下がりますし、減量や運動でも約3mmHg下がる。わかっていてもなかなか生活習慣を変えられないのであれば、そこは私たち医者におまかせいただくという方法もあります。日本の高血圧人口は約4300万人と推計されていますが、その約半分は医療機関に現れないんです。

成毛 高血圧の治療は忙しいと通院も大変だし、病院や薬局での待ち時間も長いじゃないですか。僕も最近は薬だけを購入する方法を選んでいます。

谷田部 定期的な通院ができない高血圧患者さんのために、いまはオンライン診療も始まっています。保険適応と認められるには条件がありますが、患者さんが家庭で計測した血圧を専門医がテレモニタリングしながら、スマホアプリのビデオ通話で診察して、処方箋やお薬を自宅まで郵送してもらうことができます。ただ、オンライン診療は成毛さんのように自分で頻繁に血圧を測定してくれる人であることが前提です。対面で患者さんの顔が見えない分、データをきちんと見ないと安全性も効果も担保できませんから。

成毛 それはありがたいシステムですね。薬をネットで買うのも面倒で、実はずっと悩んでいたんですよ。ウチは長命家系で親族にがんはなく、本やネットで調べると僕の場合、高血圧が最大のリスクなのかな、と。平均寿命の80代ぐらいまで生きると仮定して、高血圧を放置すれば将来的な心血管リスクは高いだろう、と。頻脈もあるのでそれも気にして頻繁に自分で血圧を測るようになりました。

 

家庭での血圧測定が、健康を保つ第一歩に

谷田部 日本の「高血圧治療ガイドライン」にも、欧米のガイドラインも最新版には家庭で測る「家庭血圧」を重んじて診療するよう書かれており、世界的にも家庭血圧重視の流れです。病院の診察室で「2分間安静にしてから2回測定して平均値を書く」なんて悠長なのは難しいですが、家庭なら自分のペースで測れますから。血圧計は上腕式がやはり精度が高いですが、肥満型や筋肉質タイプで腕の太い人は太腕用のカフ(腕帯)を使わないと正しく測定できず、細いカフだと高めに出るので注意が必要です。40代男性の3人に1人は肥満ですから、診察室で正しいカフで測定して血圧が下がった、という方も結構います。

成毛 最近は家庭用血圧計もずいぶんコンパクトでポータブルになりましたよね。ネットに接続可能なデバイスもあって、測定データも管理しやすい。最新の腕時計型のウェアラブルデバイスは日本未発売みたいですが、歩行中とか、これまでにない多様なシーンで測定できそうです。データマニアとしては、寒いところから帰ってきた後とか、風呂上がりとか、どれだけ値が違うんだろうと、結構ランダムに血圧を測っているんですが、夜間の血圧は下がったほうがいいんですか。

忙しい毎日を送るビジネスパーソンに黄色信号。高血圧になる前に

谷田部 そうですね。夜は下がるのが普通です。ただ、睡眠時無呼吸症候群の人や頻脈のある人、昼間に睡眠をとるシフト業務の人などは夜でも120/70未満に下がらない人も多いです。そういう場合は「夜間高血圧」といえます。実数としては男性のほうが多いですが、女性も閉経後の50~60代は血圧が高めになりやすいので気にかけてほしいですね。

観察研究ではありますが、血圧の変動性が大きいとやはり脳梗塞や心筋梗塞の発症率は上がる。白衣性高血圧のある人も緊張すると血圧が上がりやすいということで、その緊張が血管にダメージを与え、将来、高血圧を発症しやすい、というリスクもある。高血圧の基準値は家庭血圧だと135/85mmHgですが、疫学的には120/70mmHgを超えたところから、徐々に心血管疾患リスクが増していくこともわかっています。ですから、血圧が正常なうちから、健康的な食生活や減量、運動などを意識していくことが大切です。

成毛 運動とか減塩とか結局やろうと思ってもできないことのほうが多いんですよね。健康のためにラーメンを我慢して90歳まで生きるより、ラーメンを食べて80歳ぐらいまで生きられたら充分かな、と。

谷田部 我慢すべきというより、もしラーメンを食べるなら、次の日はカリウムを多く含む野菜や果物を多めに摂るなどして、全体のバランスがとれればいいわけです。塩分はカリウムとともに排泄されますから。健康寿命のリスクとして一番影響が大きいのは高血圧です。そして「塩分の摂りすぎ」だけでなく、「果物を食べない」「全粒でできた穀物を摂らない」なども意外なリスク因子。「ケーキよりフルーツ」「白米だけでなく玄米も」というように、食事にバラエティーをつけて楽しみながらできる高血圧対策は色々あります。いずれにしてもリスクを意識するにはデータありきですので、やはり日々の血圧測定が大事ですね。

自分でできる唯一の医療行為、血圧測定

成毛 考えてみると死亡リスクがある疾患、たとえば脳卒中や心筋梗塞、がん、糖尿病、高血圧のなかで、自分で測定できて発症前に予兆となる原因を見つけることができる唯一のものが血圧ですよね。

谷田部 おっしゃる通りですね。血圧計は家庭用に購入できる代表的な医療機器であり、血圧測定は自分でできる唯一と言っていい医療行為なんです。かつては医療機関でしか測定できませんでした。

 

「塩分を多く摂りすぎた次の日は、カリウムを多く含む野菜や果物を多めにするなどして、全体のバランスを保てばいい」(谷田部医師)

成毛 いまや家庭用に心電計付きの血圧計も開発されているようですね。1台で血圧と同時に心電図も測定できたら便利ですよ。

谷田部 心電図に不整脈がみられたら心房細動や脳梗塞のリスク因子ですから、脳・心血管疾患の予兆検出に役立つかもしれません。まずは自分に合った血圧計で日々自分自身で健康管理をしてみる。そして、不安なことがあれば気軽に医師に相談してもらえればと思います。

(文・石川美香子 写真・松嶋愛)

 

成毛眞(なるけ・まこと)
株式会社インスパイア 取締役ファウンダー。株式会社アスキーを経て、マイクロソフト株式会社設立と同時に参画。代表取締役社長を9年間担った後、2000年に株式会社インスパイアを創業し代表取締役社長に就任。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。現在、書評サイトHONZ代表などを兼職。『大人げない大人になれ!』(ダイヤモンド社)など、著作・連載多数。

 

谷田部淳一(やたべ・じゅんいち)
2008年、福島県立医科大学大学院医学研究科卒。同大学医学部第3内科診療医などを経て、15年より東京女子医科大学高血圧・内分泌内科講師。高血圧患者向けの遠隔医療研究のトップランナー。日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、日本高血圧学会認定高血圧専門医。一般社団法人テレメディーズ代表理事。

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脳・心血管疾患の発症リスクを予測し、未然に防ぐ

心筋梗塞や脳卒中などの脳心血管疾患イベントの原因としてあげられるのが「高血圧」です。

そして、日本では実に3人に1人にあたる約4300万人が高血圧であるといわれています。

オムロン ヘルスケアでは『高血圧を予防・改善し、脳・心血管疾患の発症をゼロにする「ゼロイベント」の実現』を目指しています。

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