キャンピングカーで行こう!

キャンプ用トレーラーのけん引は難しいのか 俳優・南圭介さんが挑戦

人気上昇中のキャンピングトレーラーですが、まだまだ誤解が多いのも事実です。
キャンピングカーショーの来場者でさえ、トレーラーをお勧めすると「けん引免許持ってないし」とか「運転がすごく難しいでしょう」といった返事が返ってきます。
そこで今回は、そんなトレーラーの「真実」をさぐるべく、まるで経験のない方にけん引を体験していただきました。

メリットとデメリットを秤にかけたら

連載の過去記事でもお伝えしているように、トレーラーの車両総重量が750kg以下であれば、けん引免許は不要です。
とはいえ、いきなり「750kg以下」といわれてもピンとこないかもしれません。キャンピングカーショーなどで、たくさんのトレーラーを見る機会があったら、ぜひどのぐらいのサイズなのか見てみてください。750kg以下のトレーラーにもさまざまな種類がありますが、中には「こんなに広くて750kg以下なの?」とか「こんなに装備が充実していて750kg以下なの?」と驚くものもあるでしょう。

総重量750kg以下という制約があっても、大人4人分のベッドスペースにキッチンやトイレを備えた、ファミリーユースにピッタリなレイアウトの製品もたくさんあるのです。つまり、

・「特別な免許(けん引免許)」が不要
・ヘッド車と切り離して使える利便性
・エンジンがない分、自動車税が安い
・エンジンがない分、車両価格が安い

そんな魅力的な選択肢を、「運転が難しそう」とあきらめてしまうのは、もったいないと思いませんか?

トレーラーの運転は難しいのか

誰でも、経験のないことに及び腰になるのは当たり前の話です。トレーラーをけん引したことのない人の不安な気持ちを軽く見るつもりはありません。ただ、あまりにも「食わず嫌い」というか、「難しそう」という印象が先行しているように思えます。

トレーラー、と聞いてまず思い浮かべるのは何でしょうか?
海上コンテナを積んでいたり、建設機械を運んでいるような大型トレーラーを想像する人もいるでしょう。こうした大型トレーラーが交差点などで、すごく大回りして曲がっていく場面に遭遇することがあります。どうもそのイメージが強くて「トレーラーの運転は難しい」と思われているようです。

日本で販売されているキャンピングトレーラー、しかも普通免許で運転できる750kg以下クラスなら、ほんの少しコツをつかむだけで十分、快適に運転できるものなのです。

今回、けん引を体験していただくのは、以前、バンコンを体験していただいた、俳優の南圭介さんです(https://www.asahi.com/and_M/20180418/151329/)。

『宇宙戦隊キュウレンジャー』のホウオウソルジャー役では颯爽(さっそう)と地球を守っていた南さんですが、果たしてトレーラーをうまくけん引できるでしょうか。

南圭介さん

トレーラーとご対面。第一印象は「けっこう大きい!」

話題のディーゼル車で、いざ挑戦!

今回運転していただくのは、ヘッド車として人気のマツダ・CX-8。純正オプションにヒッチメンバー(トレーラーを連結するための器具)が用意されているなど、トレーラーオーナーの間でも話題の車種です。そこに750kg以下のトレーラーとして人気の高いトリガノ・エメロード376を連結しました。

まず、見た目の第一印象を聞きました。

「思っていたより、けっこう大きいですね。これが普通免許で運転できるんですか! 中をのぞいてみてもいいですか?」(以下の「」内はすべて南さん)

トリガノ・エメロード376のレイアウトは、フロントにダイネット(ベッド展開すればダブルベッドサイズ)、センターにキッチンとトイレルームがあり、リアには二段ベッドがあります。

「大人4人が寝られるんですか? うわー、ホントに一部屋ですね。どこにでも持っていける部屋っていいですね。これがあったらロケ現場とかでも楽だなぁ」

南圭介さん

「これは普通に部屋ですね、ロケ現場に欲しい」と南さん

南圭介さん

身長183cmの南さんでも余裕の室内高。天窓からの採光で室内も明るい

キャンプ用トレーラーのけん引は難しいのか 俳優・南圭介さんが挑戦

トイレや洗面台も完備! 日常生活の便利さを、そのまま旅に持ち出せる

宇宙戦隊キュウレンジャーの撮影では、爆発シーンを撮ることもあって「ほんとに、何にもない場所でのロケが多かった」のだとか。楽屋として使える建物もないから、それだけでも大変だったといいます。

さて、本題は運転です。まず、連結していない状態のCX-8に乗っていただき、印象をチェック。

「車内のインテリアは高級感ありますね。レザーの内装、いいなあ。エンジンは言われないとディーゼルだってわからないかも。踏み込んだ瞬間のトルクもパワーを感じます」

実際トレーラーを引っ張ってもらいます。せっかくなので、今回は連結するところからチャレンジしてもらいました。

「連結にはもっと時間がかかるものだと思っていましたが。意外と簡単にできるんですね。手順と電装系のコネクタの使い方さえ身につければすぐできそう。それにしても、連結されるとちょっと迫力ありますねぇ。運転、大丈夫かな(笑)」

いよいよ、走行開始です。恐る恐るのスタートですが、ご本人の感想にあった通り、ディーゼルエンジンならではの大トルクで軽々と動き出します。

「あれ?  全然重さを感じない! もっと重たくなるのかと思ってました。当たり前ですけど、ちゃんと付いてくるんですね! なんか楽しいなあ」

さて、交差点が近づいてきました。ここでひとつだけアドバイス。「ちょっとだけ大回り」を心がけてみましょう。

「ちょっとだけ……。なるほど! 思っていた以上にコンパクトに曲がれますね。ホントに気持ち大回りかな?っていうくらいで大丈夫なんですね。事前に想像していたより簡単というか、バックミラーを見ないとけん引しているのを忘れそうです」

南圭介さん

生まれて初めてのけん引で、ちょっと緊張気味

CX-8はゆったりとしたサイズでホイールベースが長く(2930mm)、トレーラーとの車幅の差が少ない(エメロード:2100mm、CX-8:1840mm)ことも運転しやすさにつながっているようです。ヘッド車とトレーラーの関係によってカーブの体感は違いますが、それでも大型トレーラーのように極端な大回りは不要です。

さて、続いてバックに挑戦してもらいましょう。まずは何の説明もしないまま、直線バックをお願いしてみました。ただ、まっすぐ後ろへさがるだけなのですが……。

「あれ、ちょっと待って! どこいっちゃうの??」

実は、自動車教習所にけん引免許取得に行ったら、実技のほとんどがバックだったという話があるくらい、後進運転はトレーラーけん引の最難関なのです。

ここで少し整理しましょう。乗用車だけの場合、バックしながらハンドルを右に切れば、車は右に曲がってゆきます。ところがけん引しているときは、ハンドル操作は逆になるのです。
完全に平坦な土地などありませんから、前進でも後退でも、まっすぐ進んでいるようで、微妙に車は左右どちらかに振れます。当然、トレーラーもどちらか低い方へ流れるので、ハンドルで微調整する必要があります。この時、通常のハンドル操作のつもりで調整しようとすると、トレーラーはますます右なら右へ進み続けてしまうのです。

文字にすると難しそうですが、ここで、

■サイドミラーを見て、左右均等にトレーラーが見えていればまっすぐ
■もし、どちらかのミラーのトレーラーが大きく見えたら、そちら側にハンドル切る

以上をアドバイスして、再チャレンジ!

「大きく見えたら、見えた方向にハンドルを……なるほど! そういうことか」
先ほどとは一転、多少ぎこちないながらも、なんとかまっすぐにさがることができました。
さて、それでは車庫入れにチャレンジです。
さすがにいきなりは難しすぎるので「右に曲げたいので、左にハンドルを切って……」と、横から声をかけながらの運転ですが、初回で見事成功しました!

車庫入れ

ちょっとアドバイスを受ければ、車庫入れだってこの通り

「確かに難しいですけれど、コツを教えてもらえば、案外できるものですね。ちょっと練習すればできちゃうかな? チャレンジするのも面白いです」

要はヘッド車とトレーラーの動きの関係をイメージすること。そして、安全な場所で、繰り返し練習してみることです。短い時間でしたが、南さんも、ちょっと練習すればできるようになることを実感してくれたようです。

軽量タイプのトレーラーの中には、手で押して動かせるものもあります。シビアな駐車場での車庫入れが不安なら、いっそ切り離して手で押したり、トレーラー用のリモコンを使うという手もあります。

何かとメリットの多いトレーラー。運転のコツをつかむ前にあきらめるのはもったいないと思います!

キャンプ用トレーラーのけん引は難しいのか 俳優・南圭介さんが挑戦

「これなら一人でも動かせますよ」ということで人力でのけん引に挑戦! そんなに頑張らなくても(笑)

南圭介さん出演の映画『ルパンレンジャーvsパトレンジャーvsキュウレンジャー』の情報はコチラ(http://lupin-pat-kyuranger.jp/

(写真撮影=野呂美帆)

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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