ミラノ・デザインウィーク 人気を集めた展示をフォトレポート

イタリア・ミラノで開かれる世界的なデザインのお祭り「ミラノ・デザインウィーク」が今年も始まった。2019年4月8日から14日まで、市内のいたるところに“デザイン”があふれた。

(TOPの画像はルイ・ヴィトン「オブジェ・ノマド」の会場【 ほかの写真は記事下のギャラリーからご覧いただけます 】

そもそもは1961年に家具の見本市として始まり、90年代には自然発生的に大きなイベントへと成長した。

ミラノ市内に複数の展示エリアが設けられ、それぞれに特徴がある。B2B(企業間取引)の色彩が濃い「サローネ」は見本市会場を使い、「トルトーナ」「ブレラ」「チンクエヴィ」「トリエンナーレ」という市内の地区ごとに会場が設けられている。最近は「チェントラーレ」というミラノ中央駅の高架下の会場が特に人気があるようだ。

特筆すべきは、日本企業の積極的な出展だ。2019年は、レクサス、SONY、AGC(旧社名:旭硝子)、グランドセイコー、ダイキン×nendo、大日本印刷、ヤマハ、ホンダ、カリモク家具(Karimoku New Standard)と、代表的な企業の名だけ挙げてもこれだけバラエティーに富んでいる。どの展示も発想がユニークで仕掛けに凝っていて、来場者の話題を集めていた。

「若手のデザイナーたちは、普段は製品化できない、でも柔軟でユニークな発想を持っています。それをプロトタイプとして作り、グローバルな場でデザインに興味あるひとたちに評価してもらうことは、デザイナー本人と、ひいては企業におおいにプラスになると思っています」

ヤマハの担当者は上記のように話している。同社では、チェントラーレの会場を使い、楽器(というか音)をモチーフに、20代を中心としたデザイナーたちが考えた作品を並べていた。

企業によってアプローチの手法が異なる。同じインスタレーションでも、自社のテクノロジーを背景にするか、コンセプト重視かで大まかに二分される。どちらもおもしろい。

ミラノはデザイン展示の舞台装置としてもすばらしい都市だ。歴史的な建物、ふだんは入れない美しい中庭や運河を回るのも旅行者にとってはとても楽しい経験になる。デザインに特化した美術館「トリエンナーレ・ディ・ミラノ」がデザインウィークのタイミングで開く展覧会も見ごたえがあった。オペラで知られるスカラ座も展示会場の一つになる。

過去と現在と、それに未来が感じられるデザインウィークの楽しさを経験すると、東京にもかつてはデザインのイベントで街を盛り上げようという動きがあったことを思い出す。結局しぼんでしまったことを残念に思う。ハロウィーンもいいけれど、デザインでもがんばろう。

(文/写真・小川フミオ)

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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