口福のランチ

渋谷で味わう全国の郷土料理「d47食堂」(東京・渋谷)

渋谷駅前にある渋谷ヒカリエ8階の「d47食堂」は、47都道府県の「食」が楽しめる食堂&カフェ。時代や流行に左右されず、長く作られ、使われ続ける「ロングライフデザイン」をテーマにしたプロジェクト「D&DEPARTMENT PROJECT」が母体となり、スタッフが取材先で出会った地域の食やその地域の生産者から仕入れた食材を主役にした料理を中心に提供する。

ランチタイムには、都道府県ごとにその土地の郷土料理が楽しめる月替わりの定食と、定番メニューのアジフライなど定食5~6種類が、1500円~2000円で食べられる。納豆や明太子(めんたいこ)など、各地の名産を用いたこだわりの単品メニューも豊富だ。

定番の「長崎定食 松浦港のアジフライ(1550円)」は、肉厚の長崎県産アジがサクサクの衣をまとったフライに自家製タルタルソースが添えられている。ゆで干し大根の煮物の小鉢がつく。

肉厚のアジがおいしい定番ランチの「長崎定食 松浦港のアジフライ」

肉厚のアジがおいしい定番ランチの「長崎定食 松浦港のアジフライ」

今月すでに2回食べた「島根定食 カマスの一夜干し(1650円)」は、島根沖でとれた大カマス。塩のみで味付けした、出雲市の渡邊水産の一夜干しを、ふっくらとジューシーに焼く。小鉢は日本古来の海藻「あらめ」の炒め煮だ。驚きのサイズのカマスは食べごたえ十分で、干魚特有のうまみの凝縮感が何とも言えずいい。

ジューシーな大カマスの一夜干しはやみつきになるおいしさ

ジューシーな大カマスの一夜干しはやみつきになるおいしさ

産地直送のお米に、だしのきいたみそ汁、店内で漬けたぬか漬けも格別の味わいだ。スタッフが大きなぬか床を混ぜる様子を何度か目にした。

今月フォーカスしている高知県の郷土料理を再現した「高知定食(1850円)」は、北川村産の柚子(ゆず)酢で味付けした田舎寿司(すし)と、高知市の日曜市の名物でサツマイモを揚げた「芋天」、栗の名産地・四万十の手作りの栗羊羹(ようかん)、安芸市にある大北果樹園の文旦(ブンタン)をワンプレートにしている。

高知県特産の柚子酢で味付けした田舎寿司をワンプレートに

高知県特産の柚子酢で味付けした田舎寿司をワンプレートに

四万十川でとれる青さのりのみそ汁には柚子酢を。脂がのったブリの刺し身には葉ニンニクのぬたを合わせるのが土佐流だとか。仁淀川の上流で野草のお茶などを作る「tretre」の摘み草茶も付く。こうした珍しい郷土料理が味わえるのもこの店の醍醐味だ。

「全国津々浦々、地元で長く愛される郷土料理の魅力を発信することが私たちの目指すところ。『おいしい、そのままの日本のご飯』を伝えるためにアレンジはせず、できるだけ忠実に各地の味を再現しています」とは、広報の清水睦さん。

いつ行ってもスタッフの対応は親切丁寧で、気持ちが和む。何よりも渋谷の喧騒(けんそう)が嘘のような静かな空間で、丁寧に作られたほっこりとした地方の食が味わえるのがお気に入りだ。一面ガラス張りで自然光が入る開放感あふれる店内で、渋谷の街を見下ろしながらゆったりと過ごせる。個々のスペースも広く取られていて本当に落ち着ける店なのだ。

スタッフがセレクトした各地の商品は購入も可能だ

スタッフがセレクトした各地の商品は購入も可能だ

d47食堂
東京都渋谷区渋谷2-21-1 ヒカリエ8F
03-6427-2303
https://www.hikarie8.com/d47shokudo/

「高知を旅して、最も正体不明だった観光地」砂浜美術館で見たものhttps://www.asahi.com/and_M/20190411/1452739/

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

イタリアを旅した気分になれる「エリオ ロカンダ イタリアーナ」(東京・半蔵門)

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週3日だけ食べられるランチ 鯛茶漬けに感動「小料理 久原」(東京・渋谷)

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