キャンピングカーで行こう!

新車の納期をじっと待つべきか、中古車を買うべきか

「ゴールデンウィークには間に合いますよね?」

「来年なら間に合いますが……」

「え? 納車までどれだけかかるんですか?」

「今のご契約だと、10カ月ほどいただいています」

「………」

これは、2月に開催されたジャパンキャンピングカーショーで見かけた、あるブースでの一コマです。

なぜそんなに時間がかかるのか

キャンピングカーはビルダーや車種によっても異なりますが、国産車はほぼ受注生産。契約から納車までの所要時間は数カ月、人気の車種では1年を超えることもあるようです。
一般的な乗用車なら、よほどの超人気車種でもない限り長くても数カ月ですから、初めてキャンピングカーを買う人はびっくりすることでしょう。

ショーで展示されている車両はもちろん商品ですが、各モデルとも様々なオプションがあり、買う人の希望に応じてセミオーダーやカスタマイズが可能なのです。
そして、国産キャンピングカーは、ほぼハンドメイド品です。1台1台、丁寧に仕上げられます。こうした理由で、どうしても納期までに要する時間が長くなるのです。

では輸入車ではどうでしょうか。輸入キャンピングカーは、販売店に在庫があれば比較的早く出荷されます。ですが、販売店も扱っている車種のすべてを在庫しているわけではありません。在庫が少ない車種もありますし、仮にあってもオプションを追加すれば、やはり数カ月待つことになる場合もあります。

中古車という選択はどうだろう

気に入った車が見つかり「いざ契約」となってから、長い納期にビックリする人も(写真はイメージです)

気に入った車が見つかり「いざ契約」となってから、長い納期にビックリする人も(写真はイメージです)

すぐにでも遊びに行きたいのに、納期ははるか先。思い立ったが吉日、というタイプの人には、なかなかつらいものがあります。
そんな時に一つの選択肢となるのが「中古車」です。中古車はすでに完成していますから、登録が済めばすぐにでも乗り出すことができます。車検の残り期間がどの程度あるかにもよりますが、購入して数日から数週間で登録が可能です。

その他にも、中古車には「価格が安い」というメリットがあります。とはいえ乗用車の中古を買う感覚でいると、思惑は外れるかもしれません。というのも、キャンピングカーの中古車は普通車と比較して、値段が落ちにくいのです。最近の人気ぶりを反映して、中古車価格は高値安定傾向と言ってよいでしょう。

逆を言えば、買い替える際に高く買い取ってもらえる、というメリットもあります。ところが、目先の価格だけで中古に飛びつくのは、得策ではない場合もあります。

ここ数年でキャンピングカーの装備は長足の進歩を遂げており、特にキャブコンでは家庭用エアコンの装備が当たり前になってきました。ということは、この先、家庭用エアコンを装備している車とそうでない車とでは、リセールバリューに大きな差が出ることも予想されます。価格だけで判断せず、車内のレイアウト(間取り)や装備(家電など)を十分に吟味するのが、賢い車選びのポイントといえるでしょう。

あえて中古車を選ぶ場合も

人気車種は中古車になってもプライスがあまり下がらない。これもキャンピングカーが人気の証拠か(写真はイメージです)

人気車種は中古車になってもプライスがあまり下がらない。これもキャンピングカーが人気の証拠か(写真はイメージです)

中古車を購入するもう一つの理由として「現行生産されていないモデルが欲しい」などの理由があります。例えば、アメリカ製キャンピングカーは2000年ごろから大型化が進みました。その結果、多くのモデルが車幅2500mm超になってしまい、日本で登録ができなくなってしまったのです。

現在も車幅2500mm以下のモデルが少数輸入されてはいますが、比較的コンパクト(アメリカ基準で、ですが)なモデルしかありません。日本で登録できる車幅で、全長10mを超える大型車両が欲しい場合は、中古車を選ばざるを得ないのです。
また、最近ではレトロな雰囲気を求めて、数十年前のキャンピングカーをあえて求めるユーザーも出てきました。

古い車を購入するとき、まず不安に思うのが故障した際にパーツがあるかどうかです。しかし、生産停止から10年も経つとパーツの供給が不安定になる国産車と違い、欧米車は数十年前の車でもパーツの供給が確保されていたり、アフターマーケット(社外品)で賄えたりするところが魅力のひとつ。古い中古車でも心配はありません。

新車 vs 中古車 そのポイントは?

さて、では新車と中古車、どちらを買うのが良いのでしょうか。
それぞれの利点(△)と欠点(▲)を簡単にまとめると、

新車は……
▲納期まで数カ月から1年ほど待たされることもある
▲中古車よりも高い
△自分が最初のオーナーなので装備はすべて新品
△自分の事情に合わせてオプションの追加やカスタムが可能
△即納車可能の車両に当たればラッキー

中古車は……
△購入後、即登録・即乗り出せる
△新車に比べて安価
△今は売られていないモデルが見つかることも(特に輸入車)
▲車両部分だけでなく居室部分も中古なので程度を見極める必要あり
▲自分の事情に合った装備であるとは限らない。自分にぴったりの車が見つかればラッキー

ということになります。

中古車購入の注意点

現在はもう入手不可能な車種にどうしても乗りたくて「あえて中古車」という人も少なくない。写真はアメリカ製クラスAタイプ

現在はもう入手不可能な車種にどうしても乗りたくて「あえて中古車」という人も少なくない。写真はアメリカ製クラスAタイプ

「初めてのキャンピングカーだし、自分にどんな装備が必要なのかもわからないから、まずは中古で…」と考える方もいらっしゃるでしょう。乗用車を選ぶようにはいかないのがキャンピングカーですから、気軽に挑戦できるという意味では、中古車は悪くない選択です。最後に、ここで注意したいことを付け加えるとしたら「中古車は必ず専門店で」ということです。

キャンピングカー人気が高まったこともあり、キャンピングカー専門ではない中古車販売店にも、中古キャンピングカーが並ぶようになりました。何も営業妨害をするつもりはありませんが、正直なところ、ここで買うことはあまりお勧めできません。

キャンピングカーは「車」と「家」が合体しているようなものです。普通の中古車店では「車部分」に対する技術や経験、理解があっても、「家部分」への対応は期待できないのです。実際、欲しかったレトロなアメリカ製キャンピングカーを一般の中古車店で購入し、すぐに水漏れトラブルが出たのにまったく対応してもらえなかった、という例を知っています。

アメリカ製の場合、ネジひとつ、配管ひとつとっても、日本の規格とは違うパーツが使われていますので、日本のホームセンターで補修部品を探しても使えるものが見つからないことも多いのです。

その点、キャンピングカー専門店が扱う中古車ならば、居室部分へのメンテナンスも安心です。まして買い手が初心者ならばなおさらでしょう。車部分はもちろん、居室部分について、どこまでアフターケアが受けられるのか、確認しておくのが賢明です。

中古車の場合、車との出会いは一期一会です。レイアウトや装備まで完全に気に入ったものに会えるかどうかは運次第となります。

早く乗れる中古車をとるか、我慢してでも最新型(あるいは自分仕様)をとるか。悩ましいところではありますが、中古車も視野に入れることで、車選びの幅が広がることは間違いありません。じっくり考えてみる価値はありそうです。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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