ダイソンが空気清浄ファンの新製品を“個人向け”にした理由は 開発責任者に聞くPR

ダイソンは4月17日、空気清浄ファンのシリーズで初の個人向けとなる新製品「Dyson Pure Cool Me」を発表した。

Dyson Pure Cool Me」は、これまでの同社のタワーファンやテーブルファンのようなループはなく、空気がどうやって吹き出しているのかわからないユニークさがありつつ、スタイリッシュなデザインが特徴だ。必要な場所に直線的に送風でき、PM0.1レベルの微小粒子状物質を99.95%除去できる空気清浄機能がある。

17日に東京都内で開かれたメディア向け発表会では、寝室、キッチン、リビング、書斎といろいろな室内での利用方法のデモンストレーションが行われた。

ダイソンが空気清浄ファンの新製品を“個人向け”にした理由は 開発責任者に聞く

17日の発表会で行われたデモンストレーションで、書斎での使い方の例を説明するダイソンのデザインエンジニアのサム・レイルトンさん

&M編集部は、今回の発表に合わせて来日した、ダイソンの空調家電製品開発責任者ドミニク・メイソンさんにインタビュー。調査から始めて開発に5年をかけたという新製品には、「世界中で課題となっている室内の空気汚染を個人の空間からも解決したい」という思いが込められていた。

 

――今回、初めてパーソナル空気清浄ファンを開発した理由はどうしてですか?

この製品を開発した理由は、それが個人のウェルビーイング(well-being:健康、幸福であること)にとって必要だったからです。我々の調査では、室内の空気は、場合によっては屋外よりも5倍以上汚染されていました。特に最近の建物は密閉されており、料理やキャンドル、ペットが発生源となって汚れた空気は室内にとどまります。それに対処するために、より小さな、パーソナル空間で空気を浄化することが必要だと判断したのです。

 

――製品開発にあたって難しかった点は?

我々は、さまざまな調査に基づきながら、顧客が最も求めているサイズや、風の流れ、高い静音性を追求しました。静音調整の点では、20㎝の距離にマイクを置いて、夜寝るときに快適な風を出しつつ、動作音が眠りを妨げないようにしました。LCDスクリーンについても、夜間は減光して、長時間操作しなければ表示が消えます。

 

――開発にはいろいろな挑戦があったようですね。風の吹き出し口がドームになっている理由はなぜですか?

そうですね。ダイソンの開発者はいつも挑戦を楽しんでいます。世界中に6000人以上いるわれわれの技術者は、絶えず調査と実験を行っています。もちろん時には失敗もありますが、新しい発見が技術開発を加速させてくれます。

このドームのデザインは、垂直離着陸できる飛行機のハリアージャンプジェットからインスピレーションを受けて生まれたものです。私たちは、ハリアーのエンジンをデザインオフィスのカフェに置いて観察しました。そして、二つの空気の流れをドームの表面で合流させることで、まっすぐな風が生み出されることに気づきました。「Dyson Pure Cool Me」は、ドームを上下させることで、その風の向きをコントロールすることができます。空気がぶつかる場所が凸面である必要があるため、この形状になったのです。

 

――空気清浄ファンをはじめとするダイソン製品は、デザイン面でも特徴的なものが多いです。機能とデザイン性をどのように両立させていますか?

ダイソンのミッションはシンプルで、「他の人が気づいていない課題を解決すること」です。機能とデザインを両立させることはとても重要です。エンジニアリング(工学)は機能を前進させます。そして、その機能を美しいデザインでパッケージングして製品にする。技術者としてエンジニアリングには美しさを感じます。そして、完成した製品は、数多くの試行錯誤の成果であり、取り組んだ課題にとって最善の解決であったと思えるのです。

 

――日本でも、室内の空気汚染はパーソナル向けの空気清浄ファンが必要な状況なのでしょうか?

国や地域によって、外気と室内の空気の汚れの度合いは異なります。私たちは、世界中で使われている自社製品からデータを得ることで現状を調査しています。日本についても、代表的な微小粒子状物質(PM2.5)をはじめとする汚染の状況を調べましたが、室内の汚れについては世界共通の課題と言える結果でした。花粉の除去にも効果がありますので、パーソナルな空間を清浄で快適にする手段として有効です。

ダイソンが空気清浄ファンの新製品を“個人向け”にした理由は 開発責任者に聞く

新製品について「試行錯誤の結果たどり着いた最善のソリューション」と語るドミニク・メイソンさん

 

(取材・文/写真 &M編集部)

 

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