或る旅と写真

大西洋に沈む最高の夕陽とジブリ作品のような街並み 写欲をくすぐるポルトガルの旅

日々仕事をしていると短い休日の中でしか旅というものが味わえないし、休日の終わりを迎える頃には少し寂しくもなったりするものです。

国内を旅するも、海外を旅するも、記念写真も含めて写真を記録として残して、いつかの自分のために旅情を想起させるような写真を残しておく。

もちろん、心の記憶に残して充電するもよし、色褪(あ)せたり褪せなかった思い出とともに、いつか振り返った時にノスタルジックな心の旅をするのも旅の醍醐(だいご)味です。ただあの時に写真を撮影しておけばよかったなぁーと思うこともしばしば。

そんなことも含めて、この記事を休日や通勤途中に気軽に楽しく読んでいただき、旅をする時に少しは写真を撮るかななんて気持ちになればうれしいです。ということで、今回の旅は、別名太陽の国とも言われるポルトガルの写真を。

大西洋に沈む最高の夕陽とジブリ作品のような街並み 写欲をくすぐるポルトガルの旅

 

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どの国を訪れたいか、人によって様々な理由があると思うけど自分が行き先をポルトガルに選んだ理由はこれ。

■日本は真冬の12月、少しでも暖かいところで過ごしたい
■ご飯がおいしい(おいしいご飯は旅の醍醐味)
■物価が安い(年末のヨーロッパ旅行は高い)
■治安がよく安全な国(これ大事。英語もしゃべれないし、ビビリだから人に優しい国が良い、実際人柄は大変良くてフレンドリー)
■写真が撮れる(ジブリ作品に出てきそうな街並み、魔女の宅急便のモデルになったともされる場所)

これらが全てそろっていたのが、そうポルトガルでした。

ポルトガル。
スペインのお隣の国と言えば分かりやすいかも。スペインと大西洋に囲まれたヨーロッパ諸国でもっとも西に位置している国です(タラの消費量が世界一で、実際これでもかってぐらいの量の多さのタラのグラタン? のようなものをよく食べた。お腹いっぱい)。
今回訪れた街は3つ。首都リスボン、港町ナザレ、歴史地区となるポルト。
まずはポルトガルの首都リスボンに降りたった。

 

Diary 1

ホテルまでの道中。車の窓から見える景色にさっそくクギ付けになる。
石畳の続く路地をぬって、空路の長旅の疲れを感じさせないほどリスボンの夜の街が僕の写欲をくすぐる。

大西洋に沈む最高の夕陽とジブリ作品のような街並み 写欲をくすぐるポルトガルの旅

 

アパートメントホテルは築年数を思わせる古くも趣のある外観。
中へ入った時に驚いた。目の前にかなりの傾斜がある長い階段(いや、こんな傾斜見たことない)。

気さくなガイドのおじさんは大きな手を広げて君の部屋は5階だよ! と手招きする。
体力にまったく自信がない自分は、めちゃくちゃ重たいキャリーバッグをよいしょと持ち上げ(もちろんエレベーターなどない)、呼吸を整えるために数段上がる度に小刻みな休憩を入れることとなる。おじさん、すまぬ。

昨年6カ国ほど海外の旅をしたけれど、毎回思うのがホステルやアパートメントがもうそれはおしゃれで広くて快適なんです。おまけに安い(一泊数千円だったり)。普段、せせこましい部屋で過ごしていると、なんだか贅沢(ぜいたく)な気分になれるからお得である。

初日。天気は晴れ。どこにいても朝は一杯のコーヒーから始めたくなる。
地元のビジネスパーソンに混じってモーニングを済ませ、いざリスボンの街へ。

 

大西洋に沈む最高の夕陽とジブリ作品のような街並み 写欲をくすぐるポルトガルの旅

「七つの丘の町」と呼ばれるほど起伏の多いリスボンの街は石畳の急な坂道ばかり。
でも大丈夫。路面電車がみんなの足となってくれ、ガタゴト古い車体を揺らしながら目的の場所へ連れて行ってくれる。

旅はいつでもノープラン。どちらかというと観光ブックに載っている名所より地元の人が行き交う情景を歩いて見つけ、異国の地でも「或る日の日常」をつい探してしまう。細い路地なんか見つけたらその先が気になって、どこまでも歩いて行きたくなる。

リスボンの丘

坂道が多いおかげで、丘を登ればリスボンの街並みを一望できる場所がいたるところにある。
さっきまで歩いていた道を、最後は1日の総まとめのように上から眺められる。
休日のお散歩コースとしては、なんてぜいたくで完璧なルートだろう。

 

Diary 2

ポルトガルの楽しみ方の一つが、それは国のあちこちにある小さな地方都市を巡ること。どの街も個性豊かで同じ国とは思えないほどのバラエティーに富んでいる。

自分が選んだのは、西海岸に位置する「ナザレ」という街。せっかく最西端の国に来たんだから、大西洋のど真ん中に沈む最高の夕陽が見たかった。

リスボンからバスで2時間。夏にはポルトガル屈指のリゾート地になるようだが、訪れたのは12月。ビーチパラソルや海水浴をたのしむ人たちの姿がないのが少し残念ではあるが、それ以上に素朴で懐かしい街の中を、伝統衣装に身を包んで歩く地元の人たちの姿に目を奪われた。

 

大西洋に沈む最高の夕陽とジブリ作品のような街並み 写欲をくすぐるポルトガルの旅

まるでどこか理想としていた場所にタイムスリップしたようで、同じ大地の上に立っていることさえ感慨深く、感動してしまった。

海を眺めながら夕刻まで過ごしケーブルカーでこの町を一望できる場所へ。
12月だからか観光客も地元の人もいない(そういえば日本人にはまだ一度も会ってない)。

目の前に広がる最西端のビーチを1人占めしながら、まもなく陽が沈む。
どんな景色だったか、それは写真を見てもらえれば分かる。

ナザレの夕陽

 

Diary 3

続いて、ナザレからさらに北上しポルトガルの北部の「ポルト」。
ポルトガル第2の都市で、歴史地区は世界遺産に指定されている。リスボンとはまた違った、独特のしっとりした華やかさがあってまるでジブリ作品の世界。
今回泊まった宿は歴史地区の中にある。

ドンルイセ一世橋

部屋の窓からはポルトの絶景を代表する「ドン・ルイス一世橋」が目の前に。ポルト中心部と旧市街を結ぶ橋。橋の下には川が流れ船が行き交う。二重構造になっている橋の下には車が走り上には電車と人が通る。こんなにもパーフェクトな情景が他にあるだろうか。そこに夕暮れか朝焼けが加わればもう写真を撮る者としては極上の瞬間といえよう。

世界遺産だけあって、ポルトには興味深い場所がたくさんある。

まず、あの宮崎駿監督の名作「魔女の宅急便」に出てくる時計塔のモデルとされた塔がある。
ポルトの街でも一番高い建物だ。高さ75.6m。ただ頂上まで登るのに階段225段、なるほど。

世界で一番美しい書店。こう称賛される場所もここポルトにある。

ハリーポッター図書館

この書店が観光客に人気があるもう一つの理由は、『ハリー・ポッター』シリーズに出てくる魔法魔術学校の図書館のモデルになっていることだ。そもそも作者がシリーズを書き上げる直前に過ごした地が「ポルト」だという。

建物のど真ん中に美しい曲線を描く赤い階段が印象的だ。

「ポルト」の街から多数の名作が生まれていることが、この街がどれだけ魅力的かを物語っている。

ポルト夕暮れ

ただ夢中で写真を撮り、初めての土地の匂いを嗅いで五感に刺激を与える。旅をしてリフレッシュしては、また日常に戻ってゆく。

みなさん、旅と写真って最高の組み合わせなんですよ。おいしい珈琲を飲みながら、夕陽を眺めるように。

では、また。

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PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972
現在、ポルトガルの写真はハッセルブラッドストア東京にて写真展を開催中。
https://www.hasselblad.com/ja-jp/news/gallery_shinya_takahashi/

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