THE ONE I LOVE

ジョン・レノン、サン・ラー……ミツメの作品性に影響を与えた“愛”の音楽

こんな時代だからこそ、愛を聴きませんか、語りませんか――。&M編集部がセレクトした“愛”にまつわる楽曲を紹介する連載「THE ONE I LOVE」。今回は、中国をはじめ海外でのライブ活動も積極的に行う、現代の東京インディペンデントシーンを代表するバンド「ミツメ」のセレクトによる5曲。

メンバー4人がそれぞれ選んだ1曲には、自身のルーツであったり、最近の気分であったりが反映されているほか、最新アルバム『Ghosts』に影響を与えた曲もセレクトされるなど、彼らの音楽的嗜好(しこう)と新作への関連性も感じられるリストになっている。

 

<セレクト曲>
・John Lennon「Love」
・Apples「Deep Funk」
・Suzanne Ciani「Love In The Waves」
・Sun Ra「Love In Outer Space」
・ミツメ「ふたり」

 

ミツメ

 

■John Lennon「Love」

小学校高学年の頃、母親と一緒に見ていたテレビの連続ドラマのエンディングテーマがこの曲でした。ドラマのストーリー自体は全体的に暗いトーンで、ちょっと怖かった。そこで描かれていた「ねじれた愛」の象徴として、今でもこの曲を聴くとそのドラマを思いだしますね。ただ、曲自体はその後も大好きになって、ジョン・レノンのベスト盤を親にねだって買ってもらってからは、繰り返し聴いていました。60〜70年代の曲を好きになる入り口にもなったし、その後の自分に影響を与えてくれた1曲です。(川辺素)

 

■Apples「Deep Funk」

僕が好きなソウルとかファンクは、シンプルに愛を歌っているという印象がありました。あまり歌詞カードしっかり読んでみることはありませんが、この曲が入っているアルバムを見てみると、思った以上に愛を叫んでいて。この曲も「Deep Funk」と連呼する以外の部分は、「好きな子にもう3カ月も会えない」と、ストレートに愛を歌っています。70年代のナイジェリアのバンドですが、少し前にレコードが再発されたことがきっかけで買って、最近よく聴いています。ディープファンクやアフロファンクはすごく好きで、DJをするときにもよくかけているジャンルです。(須田洋次郎)

 

■Suzanne Ciani「The Third Wave – Love In The Waves」

スザンヌ・シアニのアルバム『Seven Waves』の収録曲。アルバムを通して波のようなサウンドが使われています。一つひとつの音がすごくやわらかい。それこそ海に包まれるような。そして、そのなかにも歌心や情感みたいなものを感じます。この曲は僕たちの最新アルバム『Ghosts』のサウンドメイキングにも影響を与えていますね。特に「エックス」。和音ではなく環境音から発想して、風の音のイメージで音を重ねるなど、アンビエント的な解釈を意識してみました。(大竹雅生)

 

■Sun Ra「Love In Outer Space – Vocal」

愛というテーマだったので、それだったらボブ・マーリーかサン・ラーかな、というところで選びました(笑)。この曲は60年代初期の曲で、ピアノを弾きながら小粋に愛を歌っています。つい口ずさんでしまう、いいメロディーの曲です。サン・ラーの表現はどれも宇宙規模。この曲は「Love In Outer Space」という直球な曲名もいいですね。現代人は愛に飢えがちだと思うので、宇宙の愛を感じられたら幸せに生きられるんじゃないかなと思います。(nakayaan)

 

■ミツメ「ふたり」

最新アルバム『Ghosts』を全曲見渡したときに、一番大きな愛を歌っているのは「ふたり」という曲だと思います。“なぜ時に人は人種やいろいろな壁を越えてまで、知らない人にもやさしい視線を向けられるか”と考えたときに浮かんできたのが、この曲の歌詞です。元をたどれば、隣人も遠くの他人も同様に、どこかで同じ血を分かち合っているのではないかと。
実は『Ghosts』制作の過程で、「エスパー」と「セダン」という先行シングルを中心に、他の曲はまだ歌詞がついていない状態で曲順を決めた後に、各曲の最終的な歌詞を仕上げていきました。「ふたり」はアルバムの5曲目で、その曲順であることを踏まえて歌詞を書いています。アルバム1枚を通しで聴いていて、一番思考が遠くまで飛んでるタイミングですね。その後セダンで観念的な世界から帰って来るように聞こえます。(ミツメ)

 

■プレイリスト

 

■ミツメ最新アルバム『Ghosts』

■Profile
ミツメ
2009 年、東京にて結成。4 人組のバンド。 2017年12月にシングル「エスパー」をリリース。国内のほか、インドネシア、中国、台湾、韓国、アメリカなど海外でもツアーを行い、活動の場を広げている。オーソドックスなバンド編成ながら、おのおのが担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けており、そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしている。

<関連リンク>
ミツメ オフィシャルサイト
https://nakamurakaho.com/

ミツメ (@mitsumeband) | Twitter
https://twitter.com/kiki_526

(企画制作・たしざん、ライター・大草朋宏)

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