私の一枚

写真嫌いだった馬場ふみかを変えた『新潟美少女図鑑』

 

馬場ふみか

シュールな雰囲気が漂う『新潟美少女図鑑』のモデルをしていた当時の一枚

上京前、地元のフリーペーパー『新潟美少女図鑑』でモデルをしていて、その表紙用に撮影した一枚です。高校1年生か2年生の時だと思います。

なんだかもうツッコミどころ満載ですよね。忍者の被り物をしているし、ベルトのループに刀を差しているし、腕にもじゃらじゃらと何かついてますし。この小道具は、多分たまたまスタジオにあったもの。特別な意味はなくて、この格好でこの無表情っていう、そのシュールさをカメラマンさんは狙ったのでしょう。

かわいい写真もたくさん撮っていただきましたが、「もっと変な顔をして」とか「もうちょっと変なポージングして」とか、普通じゃないものを求められることも多くて、遊びの延長のような雰囲気で楽しく撮影していました。その中でも特にこの写真は自分的にかなりツボで、ずっとスマホに残してあるものです。

写真は嫌い。でもモー娘。に憧れた子供時代

小さい頃は写真を撮られるのが苦手でした。よく学校で、行事の時に撮影した写真を廊下に貼り出して、番号を書いて購入することがありますよね。あれも好きではなくて、学校が依頼したカメラマンさんから逃げて写らないようにしていました。

その一方で、幼稚園の頃はモーニング娘。に憧れたり、テレビの中にいるキラキラした人たちみたいになりたい気持ちもありました。小さい頃は東京に住んでいて、ずっとバレエをやっていましたし、その後、新潟では子供だけの劇団に入ってお芝居や歌や踊りをしました。劇団ではダンスを担当することが多かったですけど、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』では、重要な役の一つであるハーミアを演じたこともあります。

そして中学2年生の時、その劇団のお稽古に行く途中で、『新潟美少女図鑑』のカメラマンの方に声をかけられたんです。

ちょっと怖かった美少女図鑑のカメラマン

その時のカメラマンさんは、髪はもじゃもじゃだし服は黒ずくめで、かなり怪しい見た目でした。しかも、自転車で追いかけられて、「今日は休みの日だからカメラ持ってなくて」と言ってスマホで写真を撮られて、正直ちょっと怖かったです(笑)。名刺もいただきましたけど、その時はまだ美少女図鑑の存在を知らず、さすがに自分の連絡先を教えるのは怖かったので、「家で親と相談します」と言って別れました。

でも家に帰ってパソコンで調べてみたら、「こんなにおもしろそうなことやっている人たちが新潟にいるんだ」と、とても興味を持ちました。写真を撮られることよりも、そういう本がどうやって作られているのかという興味のほうが大きかったような気がします。両親が「やってみたらいいんじゃない?」と言って背中を押してくれたことも大きかったですね。うちの両親は、やりたいことはどんどんやりなさいっていうタイプです。

それから4年半ぐらいの間、美少女図鑑の撮影はもちろん、姉妹誌のウェディング系のフリーペーパーに載せていただいたり、毎週のようにいろいろ撮影をしましたけど、この写真のような遊び心のある撮影だったことが、私にとっては良かったんだと思います。あれほど苦手だったはずの写真にいつの間にか慣れていましたし、カメラに対する抵抗もまったくなくなりました。お仕事ともお友達とも違う、その中間の雰囲気の中で、いろんな服を着させてメイクをしていただき、カメラの前に立ってポージングしたことは、今の仕事に就こうと決断する大きなきっかけになりました。

馬場ふみか

デビューから5年。新しい役柄にも積極的に挑戦する馬場ふみかさん(Photo/Shohei Yokoyama)

初の一人二役と男役に挑戦する『恐るべき子供たち』

今回、ジャン・コクトー原作の舞台『恐るべき子供たち』に出させていただきます。実は出演が決まる前、偶然この舞台の制作発表の記事をスマホで読んでいて、「おもしろそうだな。観に行ってみようかな」って思っていたんです。だから、まさか自分が出ることになるとは思ってもみませんでした。

写真、映画、テレビ、舞台、それぞれの緊張感がありますけど、実際にお客様が目の前にいる舞台には特別な緊張感があります。でも、本番に向けて何日も何週間もお稽古して作り上げる舞台ならではの準備におもしろさも感じています。

今回、私は一人二役で、男の子と女の子を演じます。一人二役も男の子役も初めてなので、二人を違う人間としてどう見せていくのか、まったく新しい挑戦ですね。立ち姿とか座り方とか姿勢で違いを見せつつ、一人ずつをしっかり作り上げないといけないなと思っています。

恐るべき子供たち

舞台『恐るべき子供たち』は5/18(土)~6/2(日)、KAAT神奈川芸術劇場にて公演

「こんな馬場ふみか見たことない!」をたくさん作りたい

東京でお仕事するようになってずいぶん経ちましたけど、『美少女図鑑』の時のカメラマンさんや美容師さん、編集の方々とは今も仲良くさせてもらっています。20歳になった時には成人式の振り袖姿を撮っていただきましたし、その後も、新潟に帰るたびにみんなで集まってお酒を飲んだりしています。

私のテレビや舞台もすべて見てくれていて、今回の舞台も「新潟からみんなで観に行くね」って連絡をいただきました。年齢はお兄さんぐらいの方達ですけど、お父さんのような気持ちで見守り応援してくださっているのがうれしいですね。

ここ最近、映画でもドラマでもいろんな作品に挑戦できていてすごく幸せですし、これからも、経験のないことにはすべて挑戦してみたいと思っています。「こんな役がやりたい」というより「なんでもできるようになりたい」という気持ちのほうが大きいです。いろんな意見や反省点を吸収して、その都度成長しながら、「こんな馬場ふみか見たことない!」という驚きをたくさん作れたらいいなと思います。

ばば・ふみか 1995年生まれ。新潟市出身。2014年に映画『パズル』で女優デビュー。同年、『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日)で敵女幹部・メディックを演じ話題となる。2016年には『黒い暴動❤』で映画初主演。同年発売のファースト写真集『色っぽょ』ではAmazonタレント写真集ランキング1位、オリコン週間売り上げランキング写真集部門1位を獲得。以後、テレビ、映画、舞台、CM等に多数出演。集英社『ノンノ』専属モデル。舞台『恐るべき子供たち』は5月18日(土)から6月2日(日)まで、KAAT神奈川芸術劇場にて公演。5月31日(金)より全国公開予定の映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』にも出演。

■舞台『恐るべき子供たち』 https://www.kaat.jp/d/osorubeki

■映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』 http://www.lifeonthelongboard2.com/

 

PROFILE

髙橋晃浩

福島県郡山市生まれ。ライター/グラフィックデザイナー。ライターとして有名無名問わず1,000人超にインタビューし雑誌、新聞、WEBメディア等に寄稿。CDライナーノーツ執筆は200枚以上。グラフィックデザイナーとしてはCDジャケット、ロゴ、企業パンフなどを手がける。マデニヤル株式会社代表取締役。

音楽も演技も大切なのは「呼吸」 渡辺大知が憂歌団・木村充揮から教わったもの

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