キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーのためのカーナビ選び スマホアプリも活用

1980年代に登場し、90年代に入って急速に進歩したカーナビゲーションシステム(以下=カーナビ)は、乗用車の標準装備となり、さらにはインターネットへ接続して車そのものが情報端末の機能を有する「コネクテッドカー」へと進化しようとしています。
では、キャンピングカーではどうでしょうか?
あちこちへ出かけるキャンピングカーにとってカーナビは必需品ともいえますが、残念ながら、ほとんどのキャンピングカーではカーナビはオプション扱いです。今回はそんなカーナビについて考えてみます。

カーナビを買い替える時は

新車を購入する場合、ビルダーや販売店が提示するオプションの中から選んで取り付けることが一般的でしょう。中古車の場合は、とりあえず付いているものをそのまま使う、という人が多いのではないかと思います。
キャンピングカーだからといって、目的地を住所などで検索して道順を表示させるカーナビの機能や使い方に変わりはありません。すでに取り付けられている製品が多少古くても、通常の使い方をするには遜色ないため、わざわざ最新の製品に付け替える気にならない人が多いでしょう。そうなると、カーナビを買い替えるのは、壊れてしまった時や、「地図が古くなって、ソフトを更新するのにお金がかかるなら最新機種に」と考えた時でしょう。

知らない道、知らない場所をどんどん進んでいくには、カーナビは必需品だ。最近は平面地図に加えて、目の前の景色そっくりな立体案内図も展開される

知らない道、知らない場所をどんどん進んでいくには、カーナビは必需品だ。最近は平面地図に加えて、目の前の景色そっくりな立体案内図も展開される

いまや各社のカーナビの性能にほとんど差はなく、バックカメラやETCとの連動などの機能も充実しています。そもそも、乗用車の場合は新車購入時に搭載することがほとんどになってしまい、後付けのカーナビ市場は縮小傾向にあるようで、各社ラインナップはかなり整理されてしまっています。「カーナビだけ」を新品にしようとすると、選択肢は昔ほど多くありません。
それでも、バンコン以下のサイズならばどれを選んでも特に問題はありません。悩ましいのは2×5mを超えるサイズのキャンピングカーの場合です。
カーナビに頼りたいのはどんな時か。初めて行く土地で、道順が不案内な場合ですよね。大きな車で細い道を案内されてしまうと、にっちもさっちも行かなくなってしまうのです。道順や信号の位置はわかるとしても、道幅やトンネルの高さまでは案内してくれないのです。
少し前までなら、自車のサイズを登録しておくとルート検索の際に「車幅優先」などの条件で細い道を避けてくれる製品もありました。実際、私も愛用していましたが、最近の機種にはこうした機能はありません。最近の製品でも「太い道を優先する」程度の条件設定はできますが、あくまでも基準は「普通車サイズ」。細い道を避けるように設定しても、私の車では入れない道を案内されてしまうこともあります。
では、「大型」キャンピングカーに合わせたカーナビ選びはどうしたらいいでしょうか。

スマホアプリを活用する

カーナビがかなり整理されてきている一方で、ぐんぐん性能が上昇しているのが、スマートフォン(=スマホ)によるカーナビです。Android端末でもiPhoneでも、ナビゲーションのアプリは標準で搭載されています。つまり、スマホさえ持っていればカーナビが手に入るという訳です。
今の私のキャンピングカーに付いているカーナビは15年近く前の「骨董(こっとう)品」です。地図データを新しくしようにもずいぶん前に更新は終わってしまい、東京湾アクアラインを走れば海の上……という代物。新しい道の駅やキャンプ場など、まったく載っていません。新機種をあれこれ検討しつつも、とりあえずのところはスマホで「Googleマップ」を活用しています。

実際に使ってみた感想としては
地図は常に最新
データ通信料はかかるが、なにしろ無料
ついでに、海外でも日本語で案内してくれるので海外取材での強い味方でもある
と、なかなかのメリットがあります。

一方で、デメリットもあります。
距離を優先するあまり細い道を案内しがち
GPS信号だけで案内しているので、トンネルが続いたり山間に入ると精度が落ちる
などです。
また、最新カーナビ同様、道幅やトンネル高による条件設定ができないのも相変わらずです。

「Yahoo!カーナビ」も使ってみました。Googleマップに比べて、もう少し検索に「工夫」がある、という印象です。
たとえば我が家(東京都下)から埼玉県入間市のアウトレット方面へナビしてもらうと、Googleマップの場合、びっくりするような農道や民家と民家の隙間を案内されますが、Yahoo!カーナビはもう少し車の流れやすい、走りやすい道を案内してくれる気がします。

Yahoo!カーナビの画面。一般道・高速優先などがワンタッチで選べるなど、Googleマップより研究されているように思える

Yahoo!カーナビの画面。一般道・高速優先などがワンタッチで選べるなど、Googleマップより研究されているように思える

その点、お金を取るだけのメリットがあるのが有料のカーナビアプリです。
トラックに特化したというナビタイム社の「トラックカーナビ」は登録した車両に応じて、車高/車幅/重量/トラック通行止めを考慮した、最適なルートを案内してくれるスグレモノ。私のような大型のキャンピングカーに乗っているユーザーに人気があります。

アプリのカーナビとしての使い勝手は

さて、ここで大前提を思い出しましょう。カーナビにせよ、スマホにせよ、何より大切なのは「安全」です。どのカーナビの取説にも必ず書かれていることですが、

運転者は走行中に操作をしないこと
前方不注意となり、交通事故の誘因となるためです。必ず安全な場所に停車してから操作しなければなりません。

運転者は運転中に画面を注視しないこと
こちらも上記同様、前方不注意となり、事故のもとです。

こうした視点から考えると、スマホをカーナビにするには難点があります。画面が小さいからです。

ポケットに入らないほど大型化しているスマホですが、カーナビの画面に比べれば小さいのは否めません。ホルダーに固定していても表示が見にくい場合もありますし、運転席から見やすい場所で、かつはっきり見えて安全に運転できる場所に設置しなくてはなりません。
そんな悩みを解決してくれるのがパイオニア社がカロッツェリアブランドで展開しているAVメインユニットというシリーズです。

パイオニアのAVメインユニット、見た目はまるでカーナビ。スマートフォンよりも見やすく操作もしやすい

パイオニアのAVメインユニット、見た目はまるでカーナビ。スマートフォンよりも見やすく操作もしやすい

一見したところカーナビのようですが、カーナビ機能はありません。専用のケーブルで接続することで、スマホのカーナビ画面を大きな画面で操作できるようになるという製品です。カーナビの機能がないので非常に安価(実勢価格4万円程度)。バックカメラの接続も可能ですし、実用には十分です。
「高いカーナビは必要ないけど、スマホでは見にくい」が解決できますから、一考の価値はありそうです。

トヨタ・カムロードのインパネ。中央のラジオの場所にカーナビがつけられるようになり、マイナーチェンジ前よりはかなり見やすい位置になった

トヨタ・カムロードのインパネ。中央のラジオの場所にカーナビがつけられるようになり、マイナーチェンジ前よりはかなり見やすい位置になった

運転が不安なうちは、バーズアイ機能も

ここからはおまけです。
カーナビそのものではありませんが、一部の乗用車用純正カーナビにある機能で、キャンピングカーにもあるとありがたい機能があります。車を俯瞰(ふかん)して見ているように表示させるバーズアイ機能です。
この機能を使えば、車の前後左右にカメラを設置してその画像を合成し、モニターで車を真上から見ている(俯瞰)かのように認識できます。これのおかげで車庫入れも安心、という人も多いでしょう。
ですが、この機能がついている単体のカーナビ製品は、残念ながら今のところありません。乗用車についている純正カーナビにしかない機能です。

日産・NV350のアラウンドビューモニター(バーズアイ機能)の画面。俯瞰で見られるのは死角が多いキャンピングカーには助かる

日産・NV350のアラウンドビューモニター(バーズアイ機能)の画面。俯瞰で見られるのは死角が多いキャンピングカーには助かる

この機能を後付けしたい場合は、カーナビとは別のモニターになりますが、カメラとセットになった単体のシステムを購入する必要があります(ヨーロッパ製キャンピングカーの中には、標準装備となっている車種もあります)。もちろん、カメラの設置、バーズアイ用モニターの設置など手間もかかりますが、キャンピングカーの運転に慣れていない人、小型から大型に乗り換えた人には、あると心強いシステムだと思います。

迷いながらあちこち探索するのも楽しいものですが、何よりも怖いのは事故。そして、通れない場所に入り込むことです。ご自分の愛車のサイズや走り方に適したカーナビをみつけて、ぜひ安全運転で旅を楽しんでいただけたらと思います。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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キャンピングカーをリフォームする時に注意したいこと

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