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<37>ジャネット、レニクラ、チャカ・カーン……ちょっとビターな10の物語を楽しむ大人のプレイリスト

今週の「THE ONE I LOVE」も&M編集部が洋邦・ジャンルを問わずに名曲たちをご紹介。読書のお供に、酒のさかなに、ドライブ中に。リラックスタイムにピッタリな楽曲を、Spotifyで随時プレイリスト化していく。今回のテーマは「1989 rewind Part.2」。令和元年を迎えた今だからこそ、昨年末に続いて、30年前の1989(平成元)年の楽曲を振り返る第二弾。レコードジャケット風の写真も、一緒に楽しんでもらいたい。毎日に、もっと愛と音楽を!

■Maze featuring Frankie Beverly「Silky Soul」
オープニングは言わずと知れたMaze(メイズ)とフランキー・ビヴァリーによる、曲の始まりのガヤから「What’s Going On」を下敷きにしたアーバンでメロウな名曲。サビはいつ聴いても(彼らを発掘したマーヴィン御大への感謝と愛にあふれた)「好き好きソウルシンガー」と空耳。

 

■Lisa Stansfield「All Around The World – Remastered」
1989年といえば、Soul II Soulが生み出した「グラウンド・ビート」元年でもあり、このビートにキャッチーなメロディーと熱情を乗せたのがこのリサ・スタンスフィールドのクラシック。今聴くとちょっとストリングスの主張が強すぎる気もするが、USでも特大ヒットを記録し、ミリオンを達成した。

 

■Biz Markie「Just a Friend」
フレディ・スコットの「(You) Got What I Need」をサンプリングというよりも、むしろそのまんま替え歌+ユルいラップで独特のビズワールドに再構築した、耳から離れない最高な歌唱の失恋ソング。ぜんぜん関係ないが野性爆弾のくーちゃんにはぜひビズのモノマネをやって欲しい。

 

■David Byrne「Make Believe Mambo」
南米音楽に傾倒していたTalking Headsのデヴィッド・バーンが、自身のソロ作でさらに濃厚に作り上げたニューウェーブ・ミーツ・サルサ。80年代後半から90年代前半にかけてワールドミュージックがトレンドだった当時の空気感が鉄壁のリズム隊とファンキーなホーンズとともに伝わってくる佳曲。

 

■Dub Syndicate「Je T’Aime」
ON-Uサウンド総帥のエイドリアン・シャーウッドが手がけた、あのセルジュ・ゲンズブール「Je T’Aime(ジュテーム)」のインストカバー。シンセの音色がまさに1989という感じで最高だが、こちらはニューウェーブ・ミーツ・デジタルダブとでもいうべきか、彼らの作品の中ではかなりポップな仕上がり。

 

■Larry Heard「What About This Love? – Dub Version」
シカゴ・ハウスのオリジネーター、ラリー・ハードの別名義Mr. Fingersのディープハウス・クラシックのダブ・バージョン。初期ハウスらしい音色の古さはあれど、時折挟まれるコーラスもメロディーも温かくてソウルフルさは全く色あせない。

 

■Chaka Khan「I Know You, I Live You – Remix」
みんな大好きな傑作ガラージ・クラシック。楽曲自体は81年のものだが、こちらは89年リリースのリミックス・アルバムから、トニー・ハンフリーズによるもの。結局シャカ・カーンなのかチャカ・カーンなのか論争は平成のうちには終わらず、令和に続く(Spotify上ではチャカ)。

 

■Janet Jackson「Come Back To Me」
『Rhythm Nation 1814』のアルバム中でもストリングスが特に印象的な、とても美しい極上曲。もちろんプロデュースはジャム&ルイス。最後に入ってくるスパニッシュギターのあんばいも素晴らしいし、春の長雨の朝方にしっとりと聴きたい。ちなみに1990年来日時の冠協賛はあのアップルコンピュータジャパンがついていた。

 

■Lenny Kravitz「Does Anybody Out There Even Care」
レニクラも平成元年デビュー。シンセやデジタル機材の進化が激しかった80年代の終わりに、逆行して徹底的にアナログでこのビートルズ然とした内省的な作品をリリースしたのは革新的だったのかも。マルチプレイヤーでありセルフプロデュースだったからこそできたヴィンテージな質感が秀逸な曲。

 

■Art Of Noise「Robinson Crusoe」
『電気グルーヴのオールナイトニッポン』2部時代ラストのCM明けにフィラー曲(*)としてオンエアされていたこの曲、実はドラマ「ロビンソンクルーソー」のテーマを割とシンセをアクセントに忠実にカバーしているもの。クラリネット使いもよい。平成は1989(平成元)年に結成し、1991(同3)年メジャーデビューを果たした電気グルーヴの30年間でもあった。令和にまた電気の新譜が聴けることを期待して待ちたい。

*テレビ、ラジオなどにおける放送番組と放送番組の間をつなぐための曲、またはCMが放送される時刻に、埋め合わせとして使われる曲。キー局のCM放送時刻に差し替えCMの用意がないローカル局では、当該時間帯にフィラー曲がそのまま流されることもある

 

■プレイリスト

 

(企画制作・たしざん、筑田大介)

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