キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーをリフォームする時に注意したいこと

誰しも長い間には家族構成が変わったり、新しい趣味ができて遊び方が変わったりと、ライフスタイルは変化するもの。さまざまな理由で、愛用していたキャンピングカーでも使い勝手に不満が生じることはあります。もちろん、経年変化で手を入れる必要が出てくることもあるでしょう。

実際、私の車でも同じことが起きました。私は12年前、ダイネットをソファベッドに改造してもらいました。その当時はワンタッチでベッドが展開できてとても便利だったのですが、最近になって遊び方に変化が出てきたこともあり、ワンタッチの手軽さよりも落ち着いて車内で過ごせるダイネットがいいと思うようになりました。

さて、こんなときの選択肢には何があるでしょう。
簡単にまとめるなら、「我慢して乗り続ける」「別な車に乗り換える」そして「リフォームをする」の三つが考えられます。
今回は3番目のリフォームについて考察するのですが、中にはDIYで挑戦する方がいらっしゃいます。それも照明を増設したり、壁紙を張り替えるという程度ではなく、レイアウトを変更するほどの大掛かりなリフォームに挑戦する人もいるといいます。

リフォームとDIY

DIYでの注意点については、以前も記事にしました。壁の裏側など思わぬところに配線や配管があり、素人が図面の確認もなしにそれらの配線を傷つけてトラブルになる、などの事例があるのです。が、それ以上にリフォームする上で大切なのは車両としての「構造要件」を守っているか、そして安心安全に直結する強度や安全性が守られるかどうか、ということです。

キャンピングカー

キャンピングカーの構造要件には、キッチン前スペースの面積や天井高などにも細かい規定がある

細かく定められた構造要件

キャンピングカーをはじめ、どの車にも、用途と形状ごとに満たすべき構造上の要件(構造要件)が法令で定められています。タンクローリーにも救急車にも、もちろん乗用車にもそれぞれの構造要件があります。

キャンピングカーでは、具体的には「乗車定員の1/3以上の就寝設備を有すること」「各10リットル以上の給排水設備を有すること」「調理設備(キッチン)前には天井高さが160cm以上あること」といった細かな条件を満たしていなければいけません。「特種用途自動車の構造要件の解説」(交文社)という専門書を見ると、キャンピングカーの構造要件の解説だけで実に42ページにもなります。
キャンピングカーを登録する場合、すべての構造要件を満たしてはじめて「用途=特種車両」、「車体の形状=キャンピング車」として8ナンバーになるのです。

構造要件

キャンピングカーの構造要件の一部(国土交通省HPより)

 
さて、その状態からリフォームしたいと考えるとします。
たとえば、「車内で調理はしないから、キッチンを外してしまおう」「趣味の自転車を載せたいので、常設ベッドを外してしまおう」。となると、どうなるか。ここまで大胆なリフォームをすると、上記の構造要件を満たさなくなってしまいます。

キッチンやベッドをいったん取り外して、いつでも簡単に戻せるようにするなら、場合によっては「一時的に荷物を積むために外せるようにした」と言えなくもないですが、本格的に撤去・改造してしまうと車検に通らなくなってしまいますし、不正改造とみなされてしまう恐れもあります。

そのリフォームで強度は大丈夫?

制度上の問題だけではありません。何より優先されるべきは安全性です。
「ほとんど使わないし後始末が面倒だからトイレを撤去して、室内をもっと広くしよう!」。そんな声も良く聞きます。トイレは構造要件ではないので、撤去すること自体には問題ありませんが、個室を作っている壁ごと取っ払ってしまうとなると、問題になることがあります。

住宅の壁にも、単なる間仕切りのための壁と、家の骨格となる「構造壁」があるように、車内の壁も補強材として計算されている場合があるのです。果たして簡単に撤去していいものかどうか、一般の利用者には判断できません。
少しでも便利に効率的に、そして軽量に。キャンピングカーの内部はすべてが計算されつくして出来上がっています。そこには無駄なものはありませんし、設備に応じて壁面などが補強されていることもあります。ちょっとした思いつきでそうした構造に手を加える(何かを撤去する、あるいは追加する)場合、計算されたバランスが崩れることにもなりかねません。

利用者の安心安全を担保するために、さまざまな法令があります。ビルダーはそれを守りながら、あらゆる面で(使いやすさや快適性、経済性など)検討を重ねて車両を作っています。

キャンピングカーのDIY

壁紙も難燃性の製品を使用しなくてはいけないなど、細かな決まりが。好みのインテリアに変更する際にも、素材には注意しよう

それでもリフォームしたい場合は

ユーザーが自分の判断でこうした構造を変更してしまうとどうなるか。まず、安全性が損なわれても、何らかの要因で車両が壊れても、ビルダーに保証を求めることはできません。大がかりなリフォームを考えるならば、自分で判断する前にビルダーやディーラーに相談するのが一番です。

「プロに頼むとお金がかかるでしょ」「自分でできるからいいです」「むしろそれが楽しい」このような声を聞くこともあります。が、すべては自己責任。プロに頼む費用負担と、DIYした場合に起こりうるリスク(車検に通らない・安全性が担保されない・壊れても補償されない)を天秤にかけて考えてみることが大切です。

では自分でリフォームしないほうがいのか、といえば、そうではありません。
まずはどこを・どうしたいのかをまとめ、ビルダーやディーラーに相談しましょう。「自分でやりたい」のであれば、その旨も伝えます。そのうえでプロのアドバイスに耳を傾けるのです。

例えば、
・常設ベッドを外してバイクが積めるようにしたい
ベッドの形状を変更して、バイクを載せるスペースを確保する
・トイレルームを取っ払いたい
取り払う壁が強度に影響のある壁かどうかを確認
という具合です。

そして、プロにお願いする場合の見積もりをもらいましょう。あるいは、自分でやれるだけやってみて、もし破損したらどうなるのか。そのときは修理してもらえるのか、そこまで視野に入れて相談してみることです。リフォーム内容はすべてがケース・バイ・ケースです。自分で行っても問題ないこともあるかもしれません。ただ、不要なリスクを避けるためにも、大幅な改造を考えるなら、プロの声に耳を傾けるのが賢明です。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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