スマホで受診、薬は郵送。高血圧治療のオンラインサービス開始

高血圧だと気づいていながら、なかなか受診に踏み切れない。病院や調剤薬局での待ち時間が負担で、通院を中断してしまった……。こんな悩みを抱える高血圧患者に向け、「自宅で受診でき、降圧薬も郵送で受け取れる」オンライン診療支援サービスが5月15日、スタートした。

【動画】高血圧オンライン診療サービス「テレメディーズBP」の利用イメージ(テレメディーズ提供)

専門医、医療機器メーカー、ネット企業が連携

サービスを提供するのは、高血圧専門医の谷田部淳一氏(東京女子医科大講師)らが設立した一般社団法人「テレメディーズ」。医療機器メーカー「オムロンヘルスケア」とネットメディア事業を手がける「ポート」が、計測データの管理やアプリ開発などで協力している。

高血圧は心不全や脳卒中のリスクを高める原因とされ、健康に与える影響は大きい。しかし、国内では治療せずに放置している患者が約2000万人いると言われている。テレメディーズは、高血圧治療にまつわるストレスや不便を取り除き、自由な診療スタイルを提供することで、こうした課題解決を目指しているという。

自宅で測定、ビデオ通話で診察、薬は郵送

スタートしたオンライン診察支援サービスでは、患者はまず、通信機能付き血圧計と専用アプリを使い、家庭血圧を定期的に測定する。測定されたデータは、データベースに蓄積され、提携クリニックの担当医やテレメディーズの専門チームがそれに基づいて治療を決める。患者は2カ月に1回程度、自宅にいたままスマホやパソコンを使ったビデオ通話で担当医の診察を受ける。

薬は調剤薬局に行くことなく、自宅まで郵送される。測定データをもとに専門チームから治療アドバイスが送付されたり、医師や看護師にチャットを使って高血圧に関する質問をしたりすることも可能だ。スマホのアプリが血圧の測定時間や服薬の継続を通知して促すことで、血圧管理をサポートする。

サービス開始に先立ち、東京女子医大で実施した従来診療とオンライン診療を比較した臨床試験で、安全性と有効性は確認されたという。

サービスの概念図(テレメディーズ提供)

サービスの概念図(テレメディーズ提供)

全国どこでも月額4600円から

このサービスは公的医療保険を使わない自由診療となり、費用は薬代も含めて月額4600円(税抜き)から。クレジットカードで決済する。2種類以上の薬が必要な場合は、別途見積もりになる。一方、薬の服用がなく、血圧モニタリングのみの場合は半額になる。

保険診療に比べて割高になるものの、患者の利便性を確保するため、あえて保険診療の枠にとらわれない自由診療にしたことがポイントだという。

保険診療で認められた通常のオンライン診療は、自宅から30分以内の医療機関に限定され、3カ月に1度の対面診療や、薬は調剤薬局で受け取る必要があるなど制約が多く、普及の障害になっている。

今回のサービスは、全国どこでも利用が可能で、対面受診は年1回で良いのが特長だ。年内にサービスを申し込みすれば、専用血圧計が無料で借りられるキャンペーンも実施しており、初年度は500人ほどの利用者を見込んでいる。

スマホで受診、薬は郵送。高血圧治療のオンラインサービス開始

一般社団法人テレメディーズ代表理事の谷田部淳一医師(左)とポート株式会社の春日博文社長

降圧目標の引き下げ、放置される高血圧

今年、5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン2019」では、薬による治療を始める目安となる高血圧症の診断基準(収縮期血圧140ミリHg/拡張期血圧90ミリHg以上)は変わらなかったが、新たに75歳未満の成人が目指す降圧目標を設け、130/80未満と定められた。

診断基準よりも降圧目標を厳しくした理由について、日本高血圧学会は、様々な研究成果から血圧を一層下げた方が脳卒中や心筋梗塞などのリスクを減らせると判断したためとしている。

ところが、国内では約4300万人いるとされる高血圧患者の半数が、治療を受けていないのが現状だ。インターネットによる調査で従来型の高血圧医療でストレスに感じることを尋ねたところ、「病院の待ち時間」「通院すること」「調剤薬局での薬の受け取り」の順に多かったという。また、別の調査では、治療を中断した理由として「通院などの時間的な負担が大きかった」が最多だった。

谷田部医師は「治療にネット技術を組み合わせることで高血圧患者の不便やストレスを解消し、長く元気に過ごせる社会の実現に寄与したい」と話している。

「テレメディーズ」の詳細と申込はサービスサイト

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