“論理的思考”と“直感”で鑑賞する伝統美術「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」展

日本美術を今までにない新しい手法で展示する「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」展が、東京・六本木にあるサントリー美術館にて6月2日まで開催されている。

本展は、佐藤オオキさんが率いるデザインオフィス「nendo」とサントリー美術館が共同で企画、デザインを手がけた展覧会。論理的な思考をつかさどる左脳と、直感や創造性を担う右脳、それぞれの感覚で作品を鑑賞してもらうことを狙った構造になっている。

会場は展示作品を挟むようにして「information(左脳ルート)」と「inspiration(右脳ルート)」に分かれ、来場者はいずれかのルートを選んで歩みを進めていく。

「information」側の白い部屋には、各作品にイラストや細かな説明文が添えられ、時代背景や製作工程に関する情報を理解しながら鑑賞できる。一方、「inspiration」側の黒い部屋は作品の全体像が見えないような展示方法で、来場者の想像力をかき立てる工夫がなされている。

例えば、香合(こうごう)と呼ばれる香を入れるふた付きの器は、「inspiration」側からだと四角い小窓を通して作品をのぞく仕掛けが施されている。鑑賞者は「この道具は何に使うのだろう?」と不思議に感じるが、小窓からほのかに漂う香の香りが作品を読み解くヒントになっている。

安土桃山時代のお弁当箱「御所車桜蒔絵提重(ごしょぐるまさくらまきえさげじゅう)」は、同型の提重がバラバラになって広げられており、実際に正しい順番で重ねて箱に収めることができる体験型の展示になっている。いずれも「information」側では、明るい照明の下で作品の全体像と説明文をじっくりと鑑賞することができる。

“論理的思考”と“直感”で鑑賞する伝統美術「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」展

“論理的思考”と“直感”で鑑賞する伝統美術「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」展

また、展示会場の中間にある吹き抜けでは、nendoによる四季をテーマにした映像作品「uncovered skies」が出迎えてくれる。偏光板を用いた特殊な傘を手に白いステージを歩くと、傘の影に空模様や夜景などが映し出され、一歩一歩踏み出すごとに、季節が移り変わっていくかのように表情が変化していく。

「information」と「inspiration」のルートはどちらを先に選んでもよく、両方見ることで、展示作品に対する理解をより深めることができるつくりになっている。

日本の伝統的な美術品を、現代的な切り口で紹介する本展。左脳と右脳、二つの側面から観察することで、作品が持つ時代を超えた美しさを再発見できるだろう。

(文・山田敦士)

EXHIBITION

サントリー芸術財団50周年
nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美

2019年4月27日(土)~6月2日(日)
東京ミッドタウン ガレリア3階
東京都港区赤坂9-7-4

開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)
休館:会期中無休
※いずれも入館は閉館の30分前まで

入場料:一般…当日 ¥1,300/前売 ¥1,100
大学・高校生…当日 ¥1,000/前売 ¥800
※中学生以下無料

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