キャンピングカーで行こう!

旅先での予期せぬトラブルのために 覚えておきたいキャンプ車の備え

いつもお話ししているように、キャンピングカーは”車”と”家”が合体したようなものです。車も家も長年使い続ければ、劣化や消耗は避けられません。設備の故障が発生することもあるでしょう。しかしそれが、旅先での予期せぬトラブルだったら? 今回はそんな「もしも」にどう備えるかというお話です。

「車」の緊急事態には?

キャンピングカーの「車」部分については、オーナーが自力でどうにかするよりもプロにお任せしたほうが、簡単で安全です。今どきの車はあらゆる部分がコンピューターで制御されていますし、手の出しようがないのが正直なところでしょう。
走行中や旅先で車部分にトラブルが起きた時、作業自体はロードサービスのスタッフが対応してくれることになりますが、オーナーとして知っておくべきことがいくつかあります。

例えば「スペアタイヤの位置と取り出し方」と「メインバッテリーへのアクセス方法」。ロードサービスのスタッフはもちろんプロですから、車種ごとに基本的な情報は把握しているはず。ですが、キャンピングカーの場合、スペアタイヤやメインバッテリーの位置が純正の状態から変更されていることも珍しくありません。

車の説明書に解説は載っていますが、それはあくまで「架装前のベース車両」の話。位置が変わっていては、サービススタッフでも対処に手間取ることでしょう。

スペアタイヤの収納方法や取り出し方がベース車から変更されていることもある。事前に確認しておこう

スペアタイヤの収納方法や取り出し方がベース車から変更されていることもある。事前に確認しておこう

オーナーとして知っておくべきこと スペアタイヤは……

例えば、ハイルーフではないバンコンの場合。
8ナンバー(キャンピングカー)登録のために、キッチン前の室内高制限をクリアせねばならず(構造要件でキッチン前の室内高は160cm以上)、床下収納庫を取り付けるなど床を掘り下げることで室内高を稼いでいることがあります。ベース車両では、本来この掘り下げた位置に(室外)にスペアタイヤがつり下げられていますが、床下収納(室内)に収納先が変更されています。

キャブコンでも同様です。
ベース車では、スペアタイヤは車体後方から専用の工具を差し込んで取り出すことになっていますが、架装したために車体後方からではなく、左後輪のあたりから工具を差し込むように変更されているケースがあります。

オーナーとして知っておくべきこと メインバッテリーは……

架装によってはバッテリーの点検口が家具の下になってしまい、バッテリー上がりを起こしたときにブースターケーブルや充電器をつなぐのが困難な場合があります。

ビルダーさんによってはバッテリー上がりを見越して、
・サブバッテリーでエンジン始動ができる
・外部充電でメインバッテリーを充電できる
(通常、外部電源をつないでもメインバッテリーは充電されない)
などのシステムを装備していることもあります。

パンクやバッテリー上がりは、キャンピングカーに限らず起こりうるもの。その時になって慌てないように、愛車のスペアタイヤやメインバッテリーの位置と対処の仕方を、事前にチェックをしておくのがおすすめです。

「家」の緊急事態には?

次に「家」の部分です。
ロードサービスは車の故障には対応してくれますが、居室については残念ながら対象外です。しかし、何らかのトラブルで「家」に故障が生じたら……車の故障のように「命にかかわる」ことは少ないにせよ、困ったことになるのは確かです。

ホームセンターなどで売られているこうした「工具セット」で十分なので、常備しておこう

ホームセンターなどで売られているこうした「工具セット」で十分なので、常備しておこう

あなたの愛車が、日本RV協会会員のビルダーや販売店から購入した車両であれば、購入店でなくても対応してくれるサービスネットワークがあります。店舗は比較的、都市部近郊にありますから、トラブルの際、近くにあればラッキーです。

もしも近くに会員企業のサービス拠点がなかったら。あるいは、会員企業ではない会社の車両だったら? 多少の応急処置は自力で対処する必要が出てくるかもしれません。

居室部分のトラブルにはあらゆるケースが想定されます。水回り、電気系統、冷暖房……さまざまな装備があります。

まずおすすめなのは、緊急連絡先を把握しておくこと。販売店や担当者に電話して“症状”を伝えれば、解決できることもあるかもしれません。

多機能で高級な電流テスターはいらない。アナログなら数百円、デジタルでも2000円程度の製品で十分だ

多機能で高級な電流テスターはいらない。アナログなら数百円、デジタルでも2000円程度の製品で十分だ

そういうときのために常備しておきたいのは、ドライバーやラジオペンチ、プライヤーなどの基本的な工具類。そして、直流12V、交流100Vが計測できるテスターです。特別なものはいりません。ホームセンターで売られている工具セットと簡単なテスターで十分です。

ヨーロッパ車の場合は「トルクス」と呼ばれる、星型のネジ頭が使われていることがあります。アメリカ車ではインチ規格のボルトが使われています。輸入車にお乗りの方は、自分の車にどんなネジが使われているか、チェックした上で工具をそろえましょう。

トラブルには遭わないのが一番ですが、望まなくても突然やってくるのがトラブルというもの。いざというとき、ちょっとした備えがあれば、旅を中断しなくてもすむかもしれません。ボーイスカウトやガールスカウトの標語「備えよ常に」は、キャンピングカーにも有効なのです。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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