ファッションは語る

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

もうすぐ夏が訪れる。日差しの強さが年々増すことで、ふだんサングラスを使わない人も必要になる機会が増え、サングラスはとてもカジュアルなアイテムになった。ドライビングでは、まぶしい光を避けるために、サッとサングラスに取り替えたいシーンが頻繁にある。海や川でのフィッシングの乱反射する水面もそう。冬はスノースポーツでの雪面の照り返しなど、アクティビティの場でも欠かせない。とはいえ、メガネとサングラスの両方を持ち歩くとかさばるし、正直、面倒くさい。

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

そういった悩みを多くの人が抱えている中、2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」は新たなニーズを作り出すため、2015年の発売から現在まで常にアップデートを重ねてきた。3月に発売した新作では、今まで以上に「スイッチ」の機能が向上したという。改良を重ねる中で、どう課題を解決したのだろうか。同社のデザイナー・北垣内康文さんは、あるパーツを取り入れることにしたという。

【記事下のギャラリーを見る】

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」 

「JINS Switchはメガネ本体に埋め込んだマグネットにサングラスのプレートを重ねる仕様ですが、取れやすかったり、外しにくかったりすると、せっかくの2WAYなのに、いまひとつ使い勝手が悪い。その加減が意外と難しいのです。『簡単に着脱できること』が大きな価値なので、使い勝手を常に改善しています。従来品は、着脱しやすい機構を追求したために、サングラスのプレートが少し落下しやすい点が課題でした。今回、ブリッジの部分に小さなツメを設けたことで、落下をほぼ防げるようになりました。密着度も高めたので、隙間から入る光も防ぐことができます」(北垣内さん)

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」「また、付属品としてサングラスプレートの専用ケースもついてくる。カラビナ付きで、ベルトやバッグにつけて使うことができる。プレートの取り出しも、収納もしやすいと思います」(商品企画グループ・MD 内海允斗さん)

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

2WAYメガネ自体は、JINSが発明したわけではない。ただし、おしゃれでスタイリッシュな商品はほとんどなかった領域だ。同社はそこに目をつけた。

「現地の工場でサンプルを見て、面白いと思ったのですが、いかんせん、ザ・おじさん向けのデザインで(笑)。当社はブルーライトをカットする『JINS SCREEN』など、シーンに沿った商品開発を積極的に行っています。だからこそ、普通のメガネにオプションとしてプラスできる“What”をいつも考えていて、サングラスもその中の有力なオプションとして用意はしていました。しかし、機能とデザインのバランスが難しい。それでもスタイリッシュにスイッチできるメガネを提供したいと開発に本腰を入れ、(一部の店舗限定で)発売したのが2015年です」(北垣内さん)

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

発売当初は40代~50代男性にターゲットを絞った。するとそれなりに売れたが、「男性だけに売れても、それは新しい価値ではないと思った」と北垣内さんは話す。

「若者やシニア、女性にも選んでもらえる商品にするのが、当社のやるべきことだと思っています。ニーズがすでにあるものだけを作っていても、面白くありません。ニーズは作るもの。最近、ファッションだけでなくメガネもジェンダーレス志向が強まっていますから、その流れに乗らない手はありません。ターゲットを拡げるために試行錯誤を重ね、最新のJINS Switchで、初めて若い人のためのデザインができました」(北垣内さん)

 2015年に発売開始してから、アップデートや方針転換のスピードが速い。それはなぜか、と問うと、新しいアイディアはすぐに競合他社に追随されるからだという。技術やアイディアの革新の賞味期限はそれほど長くない。その一方で、メガネの「流行」には特有の特徴があるため、やみくもに斬新でもいけないのだという。

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

「たとえば、メガネという商品は特に40歳以上のお客様が、男物か女物か、自分に似合うかどうかを気にされます。また、服ほど好みも細分化されていません。つまり、鋭くターゲットを絞りすぎて、小さなパイを狙ってもうまくいかないんです」(内海さん)

「そのあたりのバランスをとるのが難しい。もちろん、メガネにも流行がありますけれど、服ほど流行サイクルは速くない。そうしたなかで、より多くの人に今の気分を感じていただけるメガネを提供したいと思っています」(北垣内さん)

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

加えて、決して忘れてはならないのが、メガネは日常を快適にするためのアイテムである、という大原則。単なるファッションアイテムではないのだ。

「メガネは視力矯正するための商品ですから、アイウエアブランドとしての責任をきちんと果たしたい。レンズやフレームの品質を落とせば、もっと安価で提供することはできます。しかし、価格か品質、どちらを優先するかといえば、私たちは迷わず品質を優先します。レンズやフレームの品質には自信がある。そのうえで、機能とファッションを融合し、今の気分にフィットさせるのがミッションです」(北垣内さん)

「当社では、使用するシーンを具体的に提案しています。ドライブ、釣り、スキーなど、使用すると便利なシーンをイメージしやすいように説明して、サングラスをかけ慣れない方のハードルを下げる。JINS Switchの利便性をより多くの方に体験していただきたいです」(内海さん)

常に先を行く工夫や改善、何よりも価値の創造に全力で取り組むチームであろうとする意志が強く伝わってきたインタビューだった。競合他社も多いが、同社が自信を持って開発したという「JINS Switch」、一度、店頭で試してみても損はなさそうだ。ちなみに、付属の専用ケース、とても便利そうだったので、ついでに普通のメガネ用も作ってほしい・・・・・・と思った。

ニーズを作り出すことが使命 2WAY仕様のアイウエア「JINS Switch」

CMでは黒田エイミさん、長谷川博己さんも着用

【記事下のギャラリーを見る】

取材・文/中沢明子 写真/よねくらりょう)

JINS Switch公式サイト
https://www.jins.com/jp/

 

転写プリントでファッションの伝統を残す  気鋭のブランド「TOLQ」の試み

トップへ戻る

創業130年の老舗テキスタイルメーカーが自社ブランド「mocT」にかける思い

RECOMMENDおすすめの記事