口福のランチ

カレー味の揚玉、新たなそばの世界 スタイリッシュな大人の空間「雷庵」(東京・渋谷)

またひとつ渋谷で使い勝手のよい大人の店を発見。渋谷駅から5分ほど、宮下公園の近くの裏通りにあるそば屋「雷庵(RYAN)」だ。ガラス張りで自然光が差し込む開放的な空間の、伝統的なそば屋とは一線を画すモダンな店だ。入り口では、スーツ姿のスタッフが高級レストランさながらに次々と訪れる客を案内している。店内の中央にある厨房(ちゅうぼう)を、無垢(むく)材で造られたカウンターが囲み、サイドには落ち着いて食べられるテーブル席がある。

雷庵のコンセプトは、店内で打つ自慢の九割そばと絶品和食を組み合わせた「蕎麦(そば)和食」。ランチタイムは、多彩なそばが900円から食べられる。オーダーしたのは「今週の蕎麦と小どんぶり(1600円)」。この日は「桜エビおろしまぜ蕎麦」と「牛しぐれ丼」に、「ひとくち最中」のデザート付きだ。

「桜エビおろしまぜ蕎麦」のかき揚げは、桜エビが香ばしくほんのり甘い

「桜エビおろしまぜ蕎麦」のかき揚げは、桜エビが香ばしくほんのり甘い

人気の「薬味せいろ(1800円)」は、生ウニをのせた温泉卵、大根おろしにミョウガやカイワレを添えた薬味おろし、それにカレー味の揚玉が付く。

「薬味せいろ」には生うに温玉、薬味おろし、カレー揚玉が付く

「薬味せいろ」には生うに温玉、薬味おろし、カレー揚玉が付く

店の一角にそば打ちコーナーが設けられ、職人による打ち立てのそばを提供する本格派だ。その時期に一番おいしいそば粉を求めるため品種は変わるが、現在は有名そば職人も憧れる茨城県産の「常陸秋そば」を使用。実の皮の部分である玄粉を少し混ぜることで、より香り豊かに仕上げている。

茨城県産「常陸秋そば」を手打ちしたそばは、香りがいい

茨城県産「常陸秋そば」を手打ちしたそばは、香りがいい

「蕎麦和食」とうたうだけあり、脇を固める料理にも品があり、上質感を感じさせる。桜エビの天ぷらは薄衣で、エビの甘みや香ばしさ、サクサクの衣の食感がたまらない逸品だ。

そばつゆはカツオと昆布のみで丁寧に取っただしを、少し甘めに仕上げるのがこだわりだ。和食店で研鑽(けんさん)を積んだ料理長の井上賢治さんは、培った和食の知識を活かし、基本には忠実に従いながら、そこに時代に合わせたアクセントを加えることを意識しているそう。伝統にこだわる老舗のそば屋が好きな筆者だが、「薬味せいろ」にそえられたカレー風味の揚玉が何とも言えずおいしく、新たなそばの世界に開眼した。

スタイリッシュな空間で、本格的な和食とそばが味わえる雷庵は、若者をターゲットにした店の多い渋谷において、大人が集うことができる貴重な場所。コース料理もあり、ビジネスシーンでも使い勝手がよい。海外から来た顧客とのビジネスランチなどにも喜ばれそうだ。

宮下公園と宮益坂上をつなぐ美竹通り沿いのビルの1階にある

宮下公園と宮益坂上をつなぐ美竹通り沿いのビルの1階にある

雷庵(RYAN)
東京都渋谷区渋谷1-4-13
03-5778-3379
https://www.tysons.jp/ryan/

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

カニの卸会社が経営する専門店「かにチャーハンの店 渋谷店」(東京・渋谷)

トップへ戻る

ポークカレーに1.5個分のタマネギ シェフは元デザイナー「LAND」(東京・目黒)

RECOMMENDおすすめの記事