インタビュー

山本美月「暑苦しくて大変な現場だったけど、仕上がりはクールでおしゃれ」 映画『ザ・ファブル』

今話題のコミック『ザ・ファブル』が、『ガチ星』の江口カン監督、岡田准一さん主演で映画化される。本作で素直で優しい幸薄(さちうす)ガール 、清水ミサキを演じているのが山本美月さん。ファッション誌『CanCam』のモデルとしてデビュー後、女優活動をスタートさせ、今や映画やドラマ、CMにと活躍の場を広げる人気女優に。放送中のドラマ『パーフェクトワールド』も好評で、切ない恋愛模様に注目が集まっている。

「私はミサキみたいないい子じゃないんですよ(笑)」と本音を明かしつつ、撮影時のエピソードや大好きなアニメについて語ってくれた。質問にはきはきと答えながら、「そんなことあります?」とツッコミまで入れるしっかり者。キュートで愛らしいルックスとのギャップが魅力的だ。

【動画】好きな登場人物は……「全員嫌です!」(撮影・高橋敦)

真夏の撮影、男ばかりの現場。「ミサキに私が重なっているといいな」

舞台は大阪、相手を6秒以内に殺す伝説の殺し屋“ファブル”が「1年間、普通の人になりきり誰も殺さずに暮らす」というミッションをこなす物語だ。奇想天外なストーリーを、バイオレンスとアクション、笑いと人間ドラマを融合させたエンターテインメントに仕上げている。

「江口(カン)監督がすごく熱い人で、モニターを見てずっと大きな声で叫んでいて。私も『もっとテンション高く!』とか言われましたけど、監督は思ったことをすぐに口に出しちゃうタイプ。笑顔のシーンでも、わざわざ『この後、ひどい目に遭うんだよ~』とか言うんです。そんなこと言われると逆に笑えないのにと思って(笑)。撮影が真夏だったうえ、男の人達に囲まれ暑苦しくて大変な現場でした。だけど仕上がりは、おしゃれで涼しげでクール。監督のすごさを感じました」

映画『ザ・ファブル』に出演した山本美月さん

撮影前など緊張している時は、心臓の音を聞いて心を落ち着かせている。「緊張しているってことは、集中できていない証拠。いかに平常心でいられるかを考えています」【もっと写真を見る】

一番苦労したのが関西弁のセリフ。方言の音源をもらって、練習してから撮影に挑んだ。

「私は福岡出身ですが、福岡弁とも違って関西弁の方がより抑揚がありましたね。ミサキは、感受性が豊かで純粋で人にも優しい子。人に共感して泣いたりもするけど、私はごく普通の一般的な人間なので、そんなことはあまりなくて。ミサキと私が重なっていたらうれしいです。原作のコミックは、お話をいただいてから読みました。原作にあるミサキのお色気シーンがないのは申し訳ないです(笑)」

山本美月「暑苦しくて大変な現場だったけど、仕上がりはクールでおしゃれ」 映画『ザ・ファブル』

ミサキ(山本美月)が勤めるデザイン会社の田高田社長(佐藤二朗・右)(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会【もっと写真を見る】

主演の岡田准一さん。「優しさがにじみ出る、一緒にいると安心できる方」

殺し屋“ファブル”こと、佐藤アキラを演じるのが岡田准一さん。社会になかなか溶け込めないファブルをミサキが優しくサポートし、心を通わせていく。

「岡田さんは、しっかり役に入り込んでいても変なプレッシャーを感じさせない人。話しかけないで、みたいな空気感も全然なくて、撮影中一緒にいて自然でいさせてくれる方です。たくさん話したわけではないのですが、『大丈夫だよ』と感じさせるおおらかさと優しさがにじみ出ていて、安心した気持ちでお芝居することができました。アクションシーンはなおさらで、細かく動きが決められていると思うのですが、アクションを間違えるという心配が一切なかった気がします。全体をまとめている座長感がありましたね」

映画『ザ・ファブル』より

すご腕の殺し屋“ファブル”ことアキラ(岡田准一・中央)とアキラの相棒ヨウコ(木村文乃・右)(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会【もっと写真を見る】

ミサキを追いつめる小島役には柳楽優弥さん。スクリーンに映る小島の迫力がとりわけ強烈で、現場でもそのすごみを肌で感じていたという。

「柳楽さんは本当に怖かったですね。怖いし、気持ち悪いし(笑)。でもとても紳士で、ミサキを無理やり引っ張っているように見えても、実は全然痛くなくて優しいんです。ああいう乱暴なシーンは、本当なら多少痛くなることもあるんですよ。本番が終わった後も『大丈夫?』と優しく声をかけてくれて。集中している時と終わってからの切り替えも早いんです。私に手紙を渡すシーンでは、本番の中で一番テンションが高かったんじゃないかな。どうやったらあのテンションが出せるんだろうと思いました。監督からの演出にもアドリブも加えながらすぐに応えていて、求められる以上のことをあのスピードで出せるのはすごいと思いました」

山本美月「暑苦しくて大変な現場だったけど、仕上がりはクールでおしゃれ」 映画『ザ・ファブル』

ミサキを追いつめる小島(柳楽優弥・左)と小島の兄貴分の海老原(安田顕)(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会【もっと写真を見る】

異性に求める最低条件は、悪事をしていないこと。「清潔感、人への対応の仕方も大事」

ミサキ以外は、ほぼ悪人ばかり。裏社会の人々に向井理さん、安田顕さん、光石研さん。ファブルの育ての親に佐藤浩市さん、殺し屋役に福士蒼汰さん、木村了さんと男ばかりのクセ強めなキャラクターが勢ぞろい。その中で、山本さんが一番好きなタイプを聞いてみると、こんな答えが。

「全員嫌ですね(笑)。付き合うとかはないです、みんな悪いことをしているんですよ。法を犯している人はダメ。それをしていないのが最低条件で、好きな異性のタイプをあげるなら清潔感かな。見た目の印象も大事で、個性が強い人は無理かもしれません。見た目にクセがある人は、中身もクセがある気がします。

人に対する話し方や対応の仕方も見ちゃいますね。自分より年下の人に、すぐにタメ口で話しちゃう人、偉そうにしている人は嫌だなと思います。若い店員さんにタメ口で『これ下げてくれる?』とか言っていると、『下げてもらえますか?』じゃないのかなと。知らない人には敬語で話せばいいのにと思います」

山本美月さん

劇中では、木村文乃さん演じる佐藤ヨウコから顔をいじられまくる変顔シーンも。「手だけじゃ顔は簡単に崩れないので、白目を向いたりして自ら表情を崩しにいった部分もありますね」【もっと写真を見る】

現在27歳、女優として映画やドラマに引っ張りだこの山本さん。忙しい日々の息抜きになっているのが、趣味のイラストを描くこと。イラストをインスタグラムにアップして、プロ顔負けの腕前を披露している。

「昔から絵を描くのが好きで、小さい頃からずっと描いています。母が美術教師の資格を持っていたので、母が描いている姿を見て、私もそれをまねていたのかもしれません。イラストは、タブレットで描いて色をつけています。今はドラマの撮影があるので、描けるのは休みの日だけ。1、2時間で仕上がる時もありますし、長い時は一日中描いています。長い時間集中して描くと疲れますが、その後に残るものがあるので達成感があるんです。ストレス発散になっています」

原作の前に、まず映画やアニメを見る。「内容を知らなくても楽しめるから」

アニメ好き、マンガ好きとしても有名な山本さん。昨年、映画版のプリキュア『映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』でも声優を務めたばかりだが、今夢中になっているおすすめのアニメを教えてくれた。

「今クールで一番好きなのは『さらざんまい』です。監督の幾原(邦彦)さんの作品が好きなのもありますが、世界観が独特でクセになります。ハマる人は、きっとハマるはず。それを見て、幾原さんの他の作品も見て欲しいですね。声優のお仕事も、お話をいただければぜひまたやりたいです」

最近は、小説やコミックが原作の映画やアニメも多い。原作と映画、山本さんがおすすめする楽しみ方を聞いた。

「私は、映画やアニメを先に見てから原作を読むのが楽しいと思っている派。なぜなら、原作を先に読んでしまうと結果が分かってしまうから。映像作品は内容を知らなくても普通に楽しめます。だから『ザ・ファブル』もまずは映画が先で、原作が後をおすすめします」

山本美月さん

ミサキが追い詰められるシーンでは、ワイヤアクションにも挑戦。「体にワイヤをつけて、高所でパイプにぶら下がりました。実は、下に台をつけてもらっていたので、安心してできました」【もっと写真を見る】

アクションと笑い、本気の人間ドラマも詰まった最強のエンターテインメント映画『ザ・ファブル』。勢ぞろいした名優たちの、熱い演技合戦も見逃せない。最後に山本さんがメッセージをくれた。

「映画は、コミックの内容がぎゅっと詰まっていて、もはやどこが同じで違うのか分からないくらい完成されていました。コミックの印象から“男向け”“アクション”だと思われがちですが、女性の方もすごく楽しめる作品です。デートにも向いていると思うので(笑)、ぜひいろんな方に見ていただきたいです」
(文・武田由紀子 写真・花田龍之介)

『ザ・ファブル』作品情報

キャスト:岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、木村了、井之脇海、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、宮川大輔、佐藤二朗、光石研、安田顕、佐藤浩市
原作:南勝久『ザ・ファブル』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:江口カン
主題歌:レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」(ユニバーサル ミュージック)
脚本:渡辺雄介
配給:松竹
(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会
2019年6月21日(金)全国公開
公式サイト:http://the-fable-movie.jp/

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