小川フミオのモーターカー

スポーティーで軽めの操縦感にするどい加速 新型アウディA6の乗り心地

ご存じだろうか。ドイツの自動車メーカーは中間グレードに力を入れていて、最も出来が良いと言われていることを。
メルセデス・ベンツならCクラスとSクラスの間にあるEクラス、BMWなら3シリーズと7シリーズの間の5シリーズ。そしてアウディではA4とA8のあいだのA6が、操縦性、快適性、パッケージング、それにスタイリングといった面で最もバランスのとれたモデルとされる。
2019年3月20日に日本での発売が始まった「A6 Sedan 55 TFSI quattro S line」と「A6 Avant 55 TFSI quattro S line」に、5月末になってようやく乗ることが出来た。どちらも、先に述べた“定理”は的を射ていると思わせる出来のよさだった。

フルタイム4WDのクワトロだが、ふだんは前輪駆動で、0.5秒先の路面を読んで後輪にもトルクを分配し、かつ低負荷時はエンジンとドライブトレインを切り離して燃費に貢献するシステム採用

フルタイム4WDのクワトロだが、ふだんは前輪駆動で、0.5秒先の路面を読んで後輪にもトルクを分配し、かつ低負荷時はエンジンとドライブトレインを切り離して燃費に貢献するシステム採用

LEDのリアコンビネーションランプと、クロームのラインが新型A6セダンの特徴

LEDのリアコンビネーションランプと、クロームのラインが新型A6セダンの特徴

アウディのステーションワゴンの伝統でルーフの前後長は短め

アウディのステーションワゴンの伝統でルーフの前後長は短め

グリルの大きさが強調されている

グリルの大きさが強調されている

アバントのリアもセダンに準じる意匠が採用され躍動感がある

アバントのリアもセダンに準じる意匠が採用され、躍動感がある

アウディは、プレスリリースでA6について「アッパーミドルセダン」と表現しているけれど、全長4950mmもあって、サイズからしても立派なアッパークラスだ。ホイールベースも2925mmある。トヨタ・クラウン(全長4910mm、ホイールベース2920mm)とほぼ同等だ。A6のシャシーは、基本的に2018年に日本にも導入されたA7スポーツバックやA8と共用である。

運転してわかったその走りは、かなり好ましいものだった。まず、操舵感が軽めのステアリングホイールと、切った角度に応じてすぐに向きを変えるボディーの反応のよさがいい。2994ccV型6気筒エンジンは、1370rpmとずいぶん低い回転域から500Nmもの最大トルクを生むとされているだけあって、出足はするどい。加速時にもたつく感じは一切なく、「ずばん!」と飛び出すし、レーンチェンジやカーブを曲がるときの動きは安定しているばかりか、運転することの楽しさを感じさせてくれる。

セダンも、アバント(Avant)と名づけられたステーションワゴンも、どちらも同じようなスポーティーな操縦感を持っていた。後輪も操舵する4輪操舵機構と、ボディのロールや動きを速度や走り方に応じて制御する「ダンピングコントロールサスペンション」というオプション装備のおかげもあったのだろう。

ほとんど操作系の突起物がないダッシュボード

ほとんど操作系の突起物がないダッシュボード

メーターのあいだにはナビゲーションのマップを表示することもできる

メーターのあいだにはナビゲーションのマップを表示することもできる

液晶を2段がさねにしたインフォテインメントやエアコン用のMMIタッチレスポンスを採用

液晶を2段がさねにしたインフォテインメントやエアコン用のMMIタッチレスポンスを採用

使いやすい形状の7段オートマチック変速機用シフトレバー

使いやすい形状の7段オートマチック変速機用シフトレバー

手触りのいい革に覆われたシート

手触りのいい革に覆われたシート

後席のレッグルームは先代を上回る広さ

後席のレッグルームは先代を上回る広さ

アバントの荷室容量は565リッター

アバントの荷室容量は565リッター

精緻なデザインと品質感がアウディの魅力だ(写真はドアの内張)

精緻なデザインと品質感がアウディの魅力だ(写真はドアの内張)

ダッシュパネルにはフルタイム4WDのクワトロのエンブレム

ダッシュパネルにはフルタイム4WDのクワトロのエンブレム

アウディは、e-tron(イートロン)というピュアEV(電気自動車)を2018年に発売し(欧州では3月に納車が始まっている)、今後もEVのファミリーを拡充していくことを発表している。

いま大排気量ガソリンエンジン搭載の大型車はそろそろ大きな転換期を迎えつつあると言えるかもしれない。アウディでは、ガソリン車ではプラグインハイブリッドのラインナップを拡大しており、A6およびA6アバントでは、効率のよい小排気量エンジンを搭載したタイプの販売も予定されている。

今回のA6およびA6アバントは、エンジンの気持ちよさを感じさせてくれるモデルだ。その出来のよさゆえ、全体のトレンド、つまり電気化の波に棹(さお)さしたくなる。「A6 55 TFSI quattro S line」は1006万円。「A6 Avant 55 TFSI quattro S line」は1041万円である。

(文/写真=小川フミオ)

A6 Sedanのスペック
車名 アウディA6 55 TFSI quattro S line
全長×全幅×全高 4950×1885×1430(Avant1465)mm
エンジン形式 2994ccV6インタークーラー付ターボチャージャー
最高出力 250kW(340ps)@5200~6400rpm
最大トルク 500Nm@1370~4500rpm
メーカー公表燃費 12.3km/l(JC08)
価格 1006万円(Avant1041万円)
連絡先 https://www.audi.co.jp/

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

地味でも、乗る人のことを徹底的に考えて作られたセダン プジョー504

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