キャンピングカーで行こう!

軽キャンパーの人気ベース車「スズキ・エブリイ」がマイナーチェンジ、その影響は

根強い人気の軽キャンピングカー。その中でもバンコンタイプのベース車として人気の高い商用バン「スズキ・エブリイ」がマイナーチェンジしました。どこが変わったのか、エブリイをベースにした際にどう影響するのか、取材しました。

安全装備がさらに充実

今回のマイナーチェンジの目玉はなんといっても、充実した安全装備「スズキ セーフティ サポート」の搭載です。
これまでもエブリイには、標準装備かオプションかはグレードによって異なりますが、「レーダー ブレーキサポート」が用意されていました。

今回、ブレーキサポートがさらに強化されました。

1.デュアルカメラブレーキサポート
ステレオカメラを利用して、夜間の歩行者をも検知する衝突被害軽減ブレーキ。

2.後退時ブレーキサポート
バック時の衝突被害軽減ブレーキで軽バンでは初の装備。

さらに、
3.車線逸脱警報機能
4.先行車発進お知らせ機能
5.誤発進抑制機能
6.後方誤発進抑制機能
7.ふらつき警報機能
8.ハイビームアシスト(ハイビーム/ロービームの切り替えアシスト)
も追加されるなど、かなり安全装備を充実させた内容になりました。
その結果、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカー制度」の最上級ランク「サポカーS ワイド」を取得しました。

上記の八つは、総称して「スズキ セーフティ サポート」というワンパッケージ。従来標準装備だったグレードでは今回も標準装備に、それ以外のグレードではオプションとなります。

軽キャンパーの人気ベース車「スズキ・エブリイ」がマイナーチェンジ、その影響は

フロントウインドウ上部中央に設けられた、ステレオカメラ。人間の目のように左右で前方をとらえることで歩行者や先行者を立体的に捉えられるという

気になる価格は?

装備が充実した分だけ価格も上昇しました。
以前のレーダーブレーキサポートのオプション価格が4万8600円だったのに対し、今回の「スズキ セーフティ サポート」は7万5600円となっています。

もうひとつ残念な点があります。マニュアル車には装着できないのです。
技術的にはマニュアル車だから装着できないということではありませんので、おそらく機構が同一のエブリイ・ワゴンにマニュアル車がないためだろうと思われます。
「マニュアル車だから安全装備は不要」なんてことはあり得ませんから、メーカーにはぜひ考えてもらいたいところです。

キャンピングカーのベース車としての影響は?

今回のマイナーチェンジは「スズキ セーフティ サポート」の搭載が主で、ボディや内装にはほぼ変更はありません。そのため架装には支障はないと思われますが、車両グレードが整理されました。
エブリイのグレードは廉価順に「PA」「PC」「JOIN」「JOINターボ」。(GAというグレードもありますが、ハイルーフでないのでキャンピングカーのベースには使われません)
このうち、「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されるのは上位の「JOIN」か「JOINターボ」です。

最廉価グレードの「PA」には5AGS(5速オートギアシフト)の設定はあるのですが、内装はシート表皮がビニールレザーでパワーウインドウもありません。キャンピングカーのベースに選ぶ方は少ないかと思います。
そうなるとベース車としては廉価順に「PC」「JOIN」「JOINターボ」の3グレードのいずれかになりますが、次に廉価な「PC」には走行性能に定評のある5AGSの設定はありません。少しでも車両価格を抑えたい方には悩ましいところです。内装のグレードをあきらめて「PA」にするか、5AGSをあきらめるか……。
もちろん4ATでもよいでしょうが、走行性の差は乗り比べてみると歴然です。距離を走りたいキャンピングカーと考えれば、私としては5AGSをお勧めしたいと思います。
 
さて、となるとグレードは「JOIN」か「JOINターボ」ということになり、価格も上昇してしまいます。ただ、前述のとおり、この2つの上位グレードには「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されますので、そこを差し引いて考える必要はあります。

いずれにせよ、マイナーチェンジは発表されたばかり。実車(乗用車としての車両)も、ようやくそろそろ店頭に並ぶころでしょう。
マイナーチェンジ後、キャンピングカーの価格にどの程度反映されるかは各ビルダーに問い合わせて相談してみるしかなさそうです。

軽キャンパーの人気ベース車「スズキ・エブリイ」がマイナーチェンジ、その影響は

エブリイをベースにしたキャンピングカーの内装写真

今後の「安全機能」装備の動向は

今回のスズキ・エブリイをはじめ、トヨタ・ハイエースや日産・NV350など、続々と商用車にも安全装備が搭載されるようになりました。安全装備の充実はキャンピングカーに限らず歓迎すべきことです。特に軽キャンピングカーは日常使いと兼用されることが多いので、ありがたい装備と言えるのではないでしょうか。

ただ、残念な実情もあります。例えばハイエースでも、キャンピングカーのベース仕様である「キャンパー特装」には安全装備は搭載されていません。キャブコンのベース車、トヨタ・カムロードやマツダ・ボンゴには、現時点でそもそも設定がありません。
キャンピングカー人気も定着しつつあり、登録台数の堅調な上昇を見ても、自動車メーカーとしては無視できないマーケットのはず。今後に期待したいところです。

もちろん、こうした安全装備はあくまでも予備的なもの。条件によっては作動しないこともありますし、何より重要なのは、運転する人の安全運転への意識である点は、技術が進歩しても変わりません。楽しい旅行中、こうした装備の「出番がない」ことが一番なのです。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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