朝日新聞ファッションニュース

サステイナブル、鮮烈 20年春夏ミラノ・メンズコレクション/ピッティ・ウオモ

2020年春夏ミラノ・メンズコレクションと世界最大級の紳士服展示会ピッティ・ウオモがイタリアで開かれた。新たな試みと環境に配慮した服づくりが広がっている。

端切れで再生繊維、廃材で帽子 20年春夏ミラノ・メンズコレクション

6月14日から17日まで開かれたミラノ・メンズコレクションでは、サファリやミリタリー、アウトドアのテイストが目立った。

今季はプラダが上海でショーを行うなどいくつかの大御所ブランドが他都市で新作を披露し、華やかさを欠いた感は否めない。とはいえ、サステイナブル(持続可能)な取り組みが増え、多くのブランドがメッセージ性の強い作品を見せた。

エルメネジルド・ゼニア

エルメネジルド・ゼニア

エルメネジルド・ゼニアは、製造工程で廃棄される端切れを混紡して織ったリサイクル地を使用。生地メーカーでもある強みを生かして環境への配慮を強調した。

マルニ

マルニ

マルニは舞台セットにペットボトルを使用。廃材で作った帽子などを小物として差し込みながら、くずしを入れたカラフルなミリタリー調を打ち出した。

フェンディ

フェンディ

一方、フェンディは「仮想空間や、実体性のない現代的な生き方から抜け出そう」とのメッセージを込めて、洗練されたアウトドアスタイルを提案。緑豊かな公園を会場に、装いはナチュラルな感覚があふれた。今回は他にも砂漠やジャングルなど自然をテーマにしたブランドがあり、全体的に「自然への敬意」も感じられた。

ドルチェ&ガッバーナ

ドルチェ&ガッバーナ

ドルチェ&ガッバーナは「シシリアントロピカル」がテーマ。キューバが発想源のミリタリーテイストなど南国情緒があふれた。

ジョルジオ・アルマーニ

ジョルジオ・アルマーニ

ジョルジオ・アルマーニは、様々な素材のバリエーションを尽くした夏らしいリラックス感のある作品。「モードの帝王」として、低迷気味のミラノ・コレを最後まで盛り上げるべくあえて最終日の最後にショーを行い、華やかにフィナーレを飾った。(ファッションジャーナリスト・田中美貴)

色・素材にコントラスト ピッティ・ウオモ

11日から14日までフィレンツェで開かれたピッティ・ウオモでは、異なる素材やスタイルをあえて組み合わせる試みが印象的だった。

ジバンシィ=ブランド提供

ジバンシィ=ブランド提供

最も注目を集めたのは、ジバンシィだ。2年前にデザイナーに就任した、クレア・ワイト・ケラーによる初のメンズ単独のショーを開催した。テーラードに超軽量素材を用いたメタリック色のパーカをあわせるなど、対照的なアイテムを織り交ぜた装いは、軽さと力強さ、透明感とエレガンスのバランスが秀逸。オニツカタイガーとの協業スニーカーも発表した。

ブルネロ・クチネリ

ブルネロ・クチネリ

ブルネロ・クチネリは、仕立ての良いジャケットにダメージ加工を施したデニムをあわせた、スマートなスタイルを提案。「目を引くオレンジ系を差し色にしたり、ナイロンストレッチなどテック系の素材と上質なレザーを合わせたり。色、素材、スタイルにコントラストをつけるのが新しい」と商品企画の担当者。

ドルモア

ドルモア

ピンクや黄色、緑など夏らしい鮮やかな色使いも新たなトレンドとして台頭しそうだ。1770年創業のスコットランドの老舗ニットブランド、ドルモアはピンクをはじめ黄色や青などの鮮やかなニットを多数そろえた。

ヘルノ

ヘルノ

ヘルノからは、こうした色に注力した新しいライン「ヘルノグローブ」が登場。黄色はタマネギ、緑はオリーブ、ボルドーはブドウといった、植物由来成分が配合された染料を用いた再生繊維の新作が並んだ。注目のサステイナブルなアイテムが、訪れた人々の話題を集めていた。(ライター・松本恭子)

<ミラノ・メンズコレクションの写真は大原広和氏撮影>

新世代、繊細な輝き 社会への視線 2020年春夏、ロンドン・メンズ

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アートとコラボ、洗練の形 20年春夏、パリ・メンズコレクション

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