口福のランチ

月が替われば同じ味に出会えない、大阪発のカレー「旧ヤム邸 シモキタ荘」(東京・下北沢)

下北沢駅から7分ほど、「旧ヤム邸 シモキタ荘」というネーミングがしっくりくる、ツタの絡まる店構えが見えてくる。こちらは大阪発のスパイスカレーで評判の「旧ヤム邸」グループの東京1号店で、2017年7月にオープンした。

ランチメニューは月替わりのキーマカレーが3種類。これを2種盛りの「あいがけ(1100円)」、もしくは3種盛りの「ぜんがけ(1350円)」のどちらかで注文する。取材に訪れた6月は、「塩レモンらっきょうがけ赤味噌(みそ)の旨(うま)みゴーヤ鶏キーマ」、「オクラと豆腐のオリーブサラダと食べるカボチャ煮込み豆々ポークキーマ」、「パインの梅ソース和(あ)えのせ山椒(さんしょう)香るカツオ出汁の和風牛豚キーマ」の3種類だった。

ターメリックライスにポークキーマと鶏キーマのあいがけ

ターメリックライスにポークキーマと鶏キーマのあいがけ

何ともユニークなメニュー名だが、カレーのメニューは毎月新作に入れ替わり、基本的に同じものを出すことはないというから驚きだ。勤めて2年になるスタッフの西嶋勇さんも、いまだ同じカレーを見たことはないという。あいがけ、ぜんがけのどちらにも独特の風味の「ヤムカレースープ」が付く。「カレースープはお好きな時にかけて召し上がってください」とのことだ。

温玉(100円)やパクチー(200円)などのトッピングもあり、ライスは、玄米、ターメリックライス、ジャスミンライスからセレクトする。今回、カレーは3種類とも味わえるようにぜんがけを選び、ライスはジャスミンライスにして、パクチーを追加した。

ぜんがけにたっぷりのパクチーをトッピング

ぜんがけにたっぷりのパクチーをトッピング

運ばれてきた見目麗しいカレーに、目が釘付けになった。甘酢のピクルスがトッピングされた中央のライスを囲むように3種類のカレーが置かれ、その間にたっぷりのパクチーが添えられている。まずは、カレーをひと口ずつ味わってみた。うまい!! 三つともキーマカレーだが、味わいは全然違ってどれも個性豊か。例えば鶏キーマは、らっきょうとゴーヤというクセのある素材を使いながら、一見カレーとは縁のなさそうな赤味噌がそれらをうまくつなぐ。他の二つも素材の味を生かしながら、それぞれに合ったスパイス使いが絶妙で、驚くほど完成度が高い。ほんのり香るジャスミンライスとの相性もよく、初めて味わう独創的な一皿だ。

カレースープは鶏ガラをベースにして、和風だしを加えているそうだが、これがまた複雑怪奇でやみつきになる。このカレースープをかけたり、3種類を混ぜたりすることで、味わいが七変化するのだ。

玄米を選んで温玉をトッピングするとこんな感じに

玄米を選んで温玉をトッピングするとこんな感じに

覚えられない長いネーミングなど、ひとクセもふたクセもあるが、それがまた楽しく、そしてカレーは文句なしにうまい。キャッチフレーズの「カレーとくつろぎ」の通り、人気店特有のあわただしさはまったくなく、ゆったりとした空気が流れ、居心地もいい。

すでに7月に入り、新たなメニューで展開中だろう。今度はどんなメニューなのかさっそく気になってきた。少々並ぶが、それだけの価値はある。今月も新たなカレーを食べに行こうと決意した。

レトロな民家風の独特の外観

レトロな民家風の独特の外観

旧ヤム邸 シモキタ荘
東京都世田谷区代沢5-29-9 ナイスビル1F
03-6450-8986

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

サラリとのどを通るスリランカカレー「Bar I gotta」(東京・中目黒)

トップへ戻る

シャバシャバのルー、爽快なスパイス感「インドカレーカーマ」(東京・神保町)

RECOMMENDおすすめの記事