私の一枚

何度も仕事をやめようと思った山本舞香を支えてくれたもの 映画『東京喰種【S】』に出演

山本舞香

 

先日、鳥取の両親から昔の写真がたくさん送られてきました。両親と一緒に写っているものや7歳上の兄と写っているものなど、いろんな写真があって、見ていたら泣きそうになりました。久しぶりに家族みんなでご飯を食べたいなあって思ってしまって。

この写真もその中の1枚です。たぶん5歳ぐらいの私と、3歳下の弟。もちろんこの時の記憶はありませんけど、小さい頃はよく弟の世話をしていたらしくて、自分もまだ小さいのに、赤ちゃんの弟をだっこしていたそうです。

正直に言うと、当時のことで思い出すのはケンカをした時のことばかり(笑)。お菓子の取り合いとか、家族でドライブに出かける時の助手席の奪い合いとか、理由は本当に小さいことなのですが、たたいたり髪の毛を引っ張ったり、いつも取っ組み合いのケンカをしていました。

でも、兄も弟も両親も、うちの家族はあの頃も今も本当に仲良しです。

 

それぞれの表現で私を支えてくれる家族

仕事のために上京したばかりの頃は、「自分がやりたいことのために東京に来ているんだから家族に甘えちゃだめだ」と考えていました。だから家族に電話をしたら負けだって。声を聞いたら泣いちゃうし、寂しくなるから。でも、特に16~17歳の頃は、寂しさや周囲の大人への不満や不安から、「やめたい」「帰りたい」と何度も家族に訴えるようになっていました。

そんな私を助けてくれたのは、やっぱり家族でした。兄は私が一番つらかった時期にわざわざ仕事をやめて東京に来てくれて、私の近くで新しい仕事をしながら、でも余計なことは何も言わずにそばにいてくれました。

同じ頃に父から「みんなが舞香の顔を知っている中で、やめて何をやっていくの? 絶対に後悔すると思うよ」と言われたことも、ずっと耳に残っています。普段は「自分の人生だから好きなようにしなさい」としか言わなかった父の言葉だから、余計に心に響いたのかも。あ、「貯金をちゃんとしとけよ」ってことは今でもすごく言ってきますけどね(笑)。

それぞれ表現のしかたは違うけれど、みんな私のことをちゃんと見て、心配してくれている。家族の絆はありがたいなって思います。

 

山本舞香

話題の映画やドラマに加え『王様のブランチ』にもレギュラー出演中の山本舞香さん

 

我慢強く環境を作ってくれた事務所にも感謝

事務所の社長の存在も、仕事をやめずに踏ん張ることができた大きな理由だと思っています。12、3歳の頃から面倒を見てくれているから、東京での両親みたいな存在でもありますけど、「どうせ私のことを全部わかっているわけじゃないでしょ」と、最初はどこか懐疑的な目で見て、信じ切れないでいました。

今考えれば、社長は必死に育てようとしてくださっていて、守っていただいていたこともわかります。でもあの頃は、それを束縛や監視のように感じて、気に入らないことを言われると「もういい!」って反発してしまいました。社長にも何回「やめたい」と言って不安にさせたかわかりませんが、その度にいろいろな言葉で私を支えてくれました。

社長とお互い本音で話せるようになったのは20歳になってからですね。我慢強く今の環境を作ってくださった社長のことは大切にしないといけないなって思います。心が穏やかじゃない時は、いまだに言うことを聞かないこともあるんですけどね(笑)。

 

血まみれの窪田正孝さんに見とれた『東京喰種【S】』の撮影

今回出演する『東京喰種 トーキョーグール【S】』という映画ではアクションのシーンがたくさんあって、特にワイヤーアクションでの自由に体が動かない状態での演技が難しかったです。でも、子供の頃に空手をやっていた経験がそこで生かせたと思うので、その点では私をこの役に選んでくださった人の期待に応えられたかなと思いますし、自分の経験値も上げることができました。

ちょっと「グロい」シーンもある映画で、私はこの手の映画は苦手でした。でも「グロい」にも種類があって、この映画は、グロさが苦手な人でもエンターテインメントとして楽しめるんじゃないかと思います。主演の窪田正孝さんは、血のりを浴びた姿も美しすぎて、思わず見とれてしまいました。映像も日本の映画にはないような手触りの美しさなので、そこも楽しんでいただけたらいいなって思います。

 

『東京喰種 トーキョーグール【S】』 本ビジュアル

映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』は7月19日より全国公開

 

弟が可愛すぎてつい甘やかしてしまう

(最初の1枚に写っている)弟も、もう19歳。もちろん今ではケンカはしませんし、とにかく弟がかわいくて仕方ないです。東京に来た時には私の家に泊まりますし、芸能界の友達とご飯を食べるような時に弟が一緒に来ることもありますけど、姉の仕事に深く関わってはいけないと考えているみたいで。例えば「誰々のサインが欲しい」みたいなことを言ってもおかしくない年齢なのに、一切言ってこない。そういうところもまたかわいいんだよなあ。

「あれ買って」「これ買って」ってねだられることも多いんですけど、それも今だけかなと思って、つい甘やかしちゃってます(笑)。子供が親離れするのと一緒で、弟もいつまでこうしていてくれるかわからないから、私を頼ってくれる間はやさしくしてあげようかなと思っています。

もし家族の支えがなく、この仕事を途中でやめていたとしたら、今頃何をやっていたんだろう。想像もつかないですけど、この仕事を続ける以上、求めてくださる方がいる限りそれに応えていきたいし、それも中途半端にではなく、思いきり向き合って応えていきたいです。

      ◇

やまもと・まいか 1997年、鳥取県米子市生まれ。小学6年生の時に空手の「型」で鳥取県大会優勝。2010年、「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真でスカウトされ、2011年5月「三井のリハウス」14代目リハウスガールでデビュー。同年、ドラマ『それでも、生きてゆく』(フジテレビ)で女優デビューを果たし、以後、映画『暗殺教室』シリーズやドラマ『チア☆ダン』(TBS)など話題の映画やドラマに多数出演。現在、TBS『王様のブランチ』(毎週土曜9:30~)にレギュラー出演中。ヒロインのトーカを演じる映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』は7月19日より全国公開。

■東京喰種 トーキョーグール【S】 http://tokyoghoul.jp/

PROFILE

髙橋晃浩

福島県郡山市生まれ。ライター/グラフィックデザイナー。ライターとして有名無名問わず1,000人超にインタビューし雑誌、新聞、WEBメディア等に寄稿。CDライナーノーツ執筆は200枚以上。グラフィックデザイナーとしてはCDジャケット、ロゴ、企業パンフなどを手がける。マデニヤル株式会社代表取締役。

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