小川フミオのモーターカー

生涯気になるブランド“アルファロメオ”の「アルフェッタGT」

スピードをデザインで表すとどうなるか。さまざまなメーカーがこの課題に取り組んできた。ひとつの成功例が、イタリアのアルファロメオの「アルフェッタGT」だ。

(TOP画像:低く、そして小さくまとめたフロントグリルに4灯がマッチしている)

リアクォーターウィンドウは一部が開く

リアクォーターウィンドウは一部が開く

 

ジョルジェット・ジウジアーロのイタルデザインが手がけ、74年に登場した「アルフェッタGT」と、76年に登場したGTVは、セダンの対極にあるようなデザインだった。クーペのスタイリングは流麗で、かつ、いかにも走りがよさそうな2ドアボディーである。

ジュジャーロが指揮したクーペボディは流麗

ジウジアーロがデザインを指揮したクーペのボディーは流麗

アルファロメオの楯型グリルを中央に、左右2灯ずつのヘッドランプに、低く下がったボンネットの先端がスポーティーな印象を強めていた。車内は後席空間にも余裕があったが、ルーフの前後長は出来るだけ切り詰めるとともに、ルーフラインはクーペスタイルをうまく強調している。上手なスタイリングだ。

もちろん、見かけだけでない。セダンよりホイールベースを11cm短くしてハンドルを切ったときにきびきびと動く操縦性のよさを狙っていた。フロントのトレッドが1360mmであるのに対してホイールベースは2400mm。4人乗りのクーペとしては悪くないバランスだ。

ALFA ROMEO GTV6

ALFA ROMEO GTV6

「GT」は当初1.8リッターのエンジンを搭載していたが、後に1.6リッターのエンジンを積んだモデルと、2.0リッターエンジンを載せた「GTV」が追加されている。変速機のギアボックスをリアの差動装置(ディファレンシャルギア)と一体化したトランスアクスル方式(と、それを車体側に固定したド・ディオンアクスル)はセダンと同様だった。バネ下荷重を軽くして乗り心地向上を狙った、凝った設計である。

写真はマイナーチェンジのあとの82年のGTVのもの

写真はマイナーチェンジのあとの82年のGTVのもの

初期の左ハンドル仕様では、ドライバーの目の前にあるのは回転計だけで、速度計を含めてほかの計器はダッシュボード中央に集められていた。レースカーと同じようなレイアウトを使ったウィットを感じさせるデザインだ。

当時、財政難に苦しんでいたアルファロメオにとって、レースでの活躍は過去の話だった。とはいえ、やはりファンにとって、アルファロメオは“熱い”ブランドであってほしかったので、この回転計のレイアウトはカッコよかった。(ここに写真がなくてすみません)

生涯気になるブランド“アルファロメオ”の「アルフェッタGT」

パワフルなV6を搭載するとともに快適志向を強めたGTV6 2.5

パワフルなV6を搭載するとともに快適志向を強めたGTV6 2.5

アルファロメオのファンはクーペをことのほか好んだこともあるだろう。アルフェッタクーペは86年まで生産された。途中、80年には2.5リッターV6搭載の「GTV6 2.5」が追加された。そのとき、バンパーが大型化したり、室内の仕上げが豪華になったりと、軽快なクーペという印象が薄らいでしまったのが残念だった。

ブランドの刷り込みという話をマーケティングの専門家はする。例えば14歳までに好きになったブランドは一生ついてまわる、といった話だ。その真偽はよくわからないが、私には事実かもしれない。運転免許がとれない年齢のときにこのアルフェッタGTが好きになったため、いまもこのクルマは気になり続けている。なんていいスタイリングなんだろうと、写真をみるたびに惚れぼれするほどだ。

【スペック】
車名 アルファロメオ・アルフェッタGT
全長×全幅×全高 4190×1664×1330mm
エンジン 1779cc直列4気筒DOHC
最高出力 122ps@5200rpm
最大トルク 17.0kgm@4400rpm

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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