キャンピングカーで行こう!

子どもの安全を考えて選びたい、キャンピングカーのチャイルドシート

キャンピングカーユーザーのみなさんなら、金曜日の夜出発して土曜日の朝には現地、なんていうご家族も多いのではないでしょうか。運転するのはお父さんやお母さんだとして、その間、子どもたちはどうしているでしょう。今回は、チャイルドシートのお話です

ベッドに寝かせての運転はNG

まず大切なポイントをひとつ。せっかくベッドがあるんだから、目的地に着くまでベッドでスヤスヤ……といきたいところですが、それは法律違反です。後部席をフルフラットの寝台にして乗車するのは、仮に寝ていなかったとしても(そこに座っていたとしても)禁止です。走行中はあくまで座席の形状にしておくこと(常設ベッドをのぞく)。そして人員はシートベルト着用で「座席に」座らなければなりません。

さらに、道路交通法は「自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない」と定めています。幼児用補助装置とは、いわゆるチャイルドシートのこと。また、道路交通法でいう「幼児」とは「六歳未満の者」を指しますので、6歳未満のお子さんが車に乗る際には、必ずチャイルドシートが必要だということです。もちろんそれは、キャンピングカーとて例外ではありません。

子どもの安全を考えて選びたい、キャンピングカーのチャイルドシート

6歳以下のお子さんにはチャイルドシートが必須! 首が座っていない・あるいは首に力のない乳幼児は、進行方向よりも後ろ向きのほうが安全だという

さて、そのチャイルドシートですが、固定方法は二通りあります。

1. 座席にシートベルトで固定する方法

2. 座席に取り付けられている、ISOFIXという取り付け金具に固定する方法

通常、チャイルドシートは1か2のどちらかの方式になっているはずですが、最近はどちらの方式でも取り付けられるタイプが出てきています。それぞれの方式について、もう少し詳しくお話ししましょう。

おすすめは3点式、装備があればISOFIXも

■シートベルトで固定する場合

最近のキャンピングカーであれば後部の前向き座席に3点式シートベルトが設けられていますので、問題なく取り付けることができます。問題なのは、少し古いキャンピングカー。後部席には2式シートベルトしか設置されていない車が多いのです。現在市販されているチャイルドシートのほとんどが、3点式シートベルトを前提に作られていますので、2点式で使える製品はごく限られてしまいます。

ならば助手席なら3点式シートベルトだからいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、助手席でチャイルドシートを使うのは非常に危険です。助手席にはエアバッグが装備されていることが多いですが、エアバッグの衝撃は大人が吹っ飛んでしまうほど。子どもはエアバッグの衝撃に耐えきれない可能性が高いのです。やむを得ず助手席でチャイルドシートを使用する場合には、車両の取扱説明書に従ってください。また、新生児用の後ろ向きチャイルドシートを、エアバッグが装備された助手席で使用するのは厳禁です。大人でさえ吹っ飛ばされるほどのエアバッグに新生児が耐えられるはずがないことは、おわかりですよね。

このような理由から、チャイルドシートを取り付けるのは「必ず後部座席に」。後部座席が2点式シートベルトなら、2点式に対応したチャイルドシートを作っているメーカーもありますので、探してみてください。ただし、3点式に比べれば拘束力の点では、どうしても劣ります。2点だけで身体を支えるのと、3点で支える違いをイメージすればわかると思います。衝突の衝撃から柔らかい身体を守ろうとするなら、やはり3点式がおすすめです。

また、2点式に対応したチャイルドシートも横向き座席での使用はNGです(横向き座席に3点式シートベルトはありません)。必ず前向きもしくは後ろ向きの座席に取り付けましょう。
※私が調べた限り、2点式シートベルトに対応する商品を扱っている一例としては、evenflo社(http://www.evenflo.jp/)があります。

 

■ISOFIXに固定する場合

シートベルトを利用した固定方式では、取り付けが面倒なだけでなく、誤った使い方をしたために危険な状況に陥るという事例が多発しました。そこで専用コネクターとして誕生したのが、ISOFIX(※)です。車両側の金属製のバーとチャイルドシート側のコネクターを接続するため、安全かつ簡単に固定できるようになっています。

子どもの安全を考えて選びたい、キャンピングカーのチャイルドシート

ISOFIXの一例。スリットの中に横方向のバーがセットされている。そのバーに、チャイルドシート側の金具を止めつける方式だ

ただし、この方式は車両側に専用のバーがついていなければなりません。また、その専用バーは、基本的に後付けもできません。3ナンバーと5ナンバーの「乗用車」は、2012年7月以降に発売された新車についてはISOFIX取り付け金具の装備が義務化されています。しかし4ナンバーと1ナンバーの貨物車、8ナンバーのキャンピングカーでは義務ではありません。ただ、最近ではISOFIXに対応したキャンピングカーも増えてきています。

※ISOFIXの読み方は「アイソフィックス」「イソフィックス」「アイエスオー・フィックス」とさまざまで、日本ではISO-FIXと表記されることもあります。

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キャラバンサロン(ドイツで開催されるキャンピングカーショー)で見たデスレフ社のブース。自社のキャンピングカーにISOFIXが備えられていることを展示でもアピールしている

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭や、子どもが生まれたからキャンピングカーを買おうという方ならば当然、私に言われるまでもなく、このようなことはご存じかもしれません。むしろ知っておいてほしいのは、お孫さんが生まれる、という方々です。

私の友人にも「孫が生まれた」「孫が遠出できるぐらいに成長した」というキャンピングカー愛好家がいます。小さなお子さんにこそ経験させてあげたい、キャンピングカーの旅。今後機会がありそうだという方は、キャンピングカー選びの際、ぜひチャイルドシートのことも考えておきましょう。

(TOP画像:Getty Images)

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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