「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

『スター・ウォーズ™』の世界大巡回展『STAR WARS Identities:The Exhibition』が来月、いよいよ日本で開幕。東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルを会場に、8月8日から2020年の1月13日まで、200点以上の膨大なオリジナル・コレクションや衣裳、模型、小道具、コンセプト・アートが展示される。家族や友人と楽しめる体験型のアトラクションも。日本展のアンバサダーを務める市川紗椰は、子供のころからの“スター・ウォーズマニア”という。彼女に、展覧会と作品そのものの魅力について聞いた。

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「アメリカで、『スター・ウォーズ』は文化の一部なんです」。市川がはっきりと言い放った一言は、あながち間違いではないのだろう。テレビでは常に再放送を見ることができ、街ではさまざまなところにキャラクターたちが並ぶ。3歳から14歳までデトロイトで過ごした市川にとって、幼少時から親しんできた『スター・ウォーズ』は、今もまばゆいばかりに輝いている。

「それが『スター・ウォーズ』だと認識する前から、アメリカの子どもたちは作品やキャラクターに触れています。例に漏れず、私もそのひとり。物心ついて、初めて自分で見に行ったのは、古い映画をリバイバル上映している映画館で見た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でした」

18世紀に独立戦争の末に建国されたアメリカの人々にとって、自由を求めて「帝国」と戦うストーリーの『スター・ウォーズ』は、他国における“建国神話”のようだと評されることもある。ただ、アメリカでは、マーベルやDCコミックスのキャラクターを映画化した作品も大人気だ。市川は『アベンジャーズ』に登場するヒーローたちや『バットマン』だけではなく、なぜ『スター・ウォーズ』に夢中になったのだろうか。

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「世界観の設定がちょうど良いんです。細かすぎなくて、自分で想像して隙間を埋める余白がある。よく、妄想をしていました。このキャラクターにはこういう背景があったんじゃないかな、とか。細かすぎる設定だと、自分が入る余地がないですし、設定がゆるすぎても面白くなくなってしまう。ほどよいバランスの上に成り立っていた作品だからこそ、ハマってしまうのではないでしょうか。常に新しいグッズが発売されるのも、楽しさの一つかもしれません」

これまで公開されたエピソードは、大きくまとめれば、正義をつかさどり、自由を守ろうとするジェダイと、銀河を支配しようとする帝国やシスの暗黒卿との長い戦いが描かれている。市川は、そうした大きな構図はありつつも、単純な勧善懲悪もののエンターテインメント作品にとどまらないところに、魅力を感じるという。

「白黒はっきりしたものって、そんなに見たいですかね? たとえば日本の時代劇だと、勧善懲悪ものが多いですが、純文学では、ピカレスクロマンとまではいきませんが、主人公が暗かったり、悪者だったりするものもあります。全作を通して見ると、ジェダイは一応正義の味方として描かれていますが、シスの暗黒卿にもさまざまな事情がある。この作品では、正義と悪があいまいになるのが、すごく考えさせられるところだと思います」

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「『オリジナル・トリロジー』(エピソード4~6)だけを見ると、ジェダイが正義、銀河帝国が悪と、対立軸が分かりやすいのでジェダイに感情移入してしまいますが、『プリクエル・トリロジー』(エピソード1~3)だと、私はシスや、敵役のほうに共感できます。当時のジェダイは合理的で厳密なルールに縛られ、冷徹さも併せ持っているじゃないですか。愛のない正論を言うタイプ。シスのほうが納得のいく、人間らしい判断をしていると思うんですね。しっかり見てみると、ヨーダとか、かなりひどいですからね(笑)。ぜひヨーダに注目して『プリクエル』を見直してください」

「『スター・ウォーズ』が、こんなにも多くの人に受け入れられたのは、『遠い昔、遥か彼方の銀河系』が舞台だけれど、物語は普遍的で、誰もが共感できるから。ルーク・スカイウォーカーは周りに支えられながら頑張っているし、アナキンは自分の中の暗黒面にとらわれてしまう。というように、登場するキャラクターそれぞれに個性がありますよね。戦いを経験して精神的にも大人になっていくし、そして自分らしくなっていく。私たちも、自分らしさや成長というものに、人生のあらゆるステージで向き合います。スペースオペラ(宇宙を舞台にした冒険活劇)と現実の人生に違いはあるけれど、根源的なところではつながっているところが、支持され続けている理由なんだと思います」

特にお気に入りのエピソードについて、市川は「選べない……」と迷いながらも、強いて言うなら『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と答えた。最近は特に、仕事の関係でスター・ウォーズの展示やイベントに参加するたびに見返す、と言う。

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「エピソード5については、初めて見たときの高揚感を覚えているのと、映画として完璧な作りだと思っていて。起承転結と最後の強烈な引きが忘れられないです。ルークの腕は切られ、ハン・ソロは凍結されて、みんなボロボロ。それからどうなるかのところを、引きにして終わらせる衝撃。これはたまりません。美術作品としての世界観も好きです。氷の惑星のコスチュームや真っ白な世界とか、AT-ATっていう4足歩行するメカ。素晴らしい。特撮としての魅力も詰まっています」

「キャラクターでは賞金稼ぎのボバ・フェットが大好きです。なぜかというと、やっぱり幼少期の時に受けた印象が大きいですね。賞金稼ぎですよ、かっこよすぎませんか? さらに、ギャングの首領であるジャバ・ザ・ハット、ダース・べイダーにも尊敬されている。当時は『プリクエル』がなかったので、賞金稼ぎであること以外は分からないんですけど、あのミステリアスさがたまらなかったですね。死ぬシーンもあまりにあっさりだったので、本当は生きているんじゃないかという妄想で、二次創作も書けてしまう(笑)。今もカルト的な人気を集めているキャラです。29語しかセリフがないのに、このインパクトを残せているのはすごいと思います」

今年12月にはスカイウォーカーの物語を描く『スター・ウォーズ』の完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が上映される。「予想をしても仕方がない」と言いながらも、どうしてもしてしまうからと、彼女が考える完結編のストーリーについて話してくれた。

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「今回、監督のJ・J・エイブラムスが完結編と言っていて、それは『シークエル・トリロジー』(エピソード7~9)ではなく、エピソード1から続くスカイウォーカー家の物語が終わるということなんですね。だから今は、全部をつなげる要素がどうやって入ってくるのか、というところにすごく期待しています。新しく出てきた主人公たちがどうつながっていくのかも気になりますし、もっとすごいメカデザインも出てきてほしい」

「あとは物語に矛盾がなければ、ファンとしては最高。予想はしても仕方ないとはわかりつつも言ってしまいますが、(『シークエル』の主人公である)『レイは何者か』が気になりますよね。結局、大きな過去を秘めた存在ではない、となりましたけど、たぶん今までのキャラクターとも関わりがあると考えています。『プリクエル』で、シスの暗黒卿であるパルパティーンとジェダイマスターのメイス・ウィンドゥが戦うシーンがあるんですけど、レイの格闘スタイルって、パルパティーンっぽいんですよね。子孫かもしれない。まあ、たぶん全部外れるんですけど(笑)」

最後に、豪州・シドニーで体験した『STAR WARS Identities:The Exhibition』について話を聞いた。日本では8月8日から東京・天王洲の寺田倉庫で開催される。一足先に楽しんだ市川は、どう感じたのだろうか。

「映画で実際に使われたものがたくさんあって、とにかく興奮しました。会場に流れる音楽から演出がしっかりしていて、自分が映像の世界に入り込むような体験ができます。私は、資料を見るのが楽しかったですね。どうやってこのキャラクターデザインになったのかだとか、構想段階の資料もいっぱいあります。ルークを女の子として構想したものとか、ファンは間違いなく楽しいと思います」

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

シドニーの展示での市川さんと、等身大のヨーダ  ©&TM 2019 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Used under authorization.

>>展示の一部がご覧になれます

「細かなところでは、ジャバ・ザ・ハットの宮殿でドロイドを拷問するドロイドがいたり、マウスドロイドという、帝国の中でただ走っているだけのものもいたりして。設定資料が好きな人は絶対に楽しいし、そこまで詳しくない人でも、カーボン凍結されているハン・ソロや、レイアのビキニ、パドメの衣裳とか定番のアイコニックなものもあるので、楽しめると思います。お子様がいる方はご家族で行っても満喫できます。衣裳やキャラクター、宇宙船の模型もたくさんあってびっくりしますし、子どもがすごく喜ぶんじゃないですかね」

コレクションと並ぶ展示の目玉が、自分だけのスター・ウォーズキャラクターを作ることのできる「インタラクティブ・クエスト」だ。入場時に配られるID付きブレスレットを会場内の各スポットでかざし、好きな見た目を選んだり、性格についての質問に答えたりすることで、5千万通りにも分かれるキャラクターができる。結果をスマートフォンやパソコンに転送してSNSで共有することも可能だ。

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

「もし自分自身がスター・ウォーズの世界に登場したらどういうアイデンティティーなのかを、質問に回答することで、プロフィルが作り出される。心理学に基づいた質問なので、分析の精度も高いです。あまり作品を知らなくても、性格診断、占い的な楽しみ方もできるので、恋人と行ったら、本当はこういう性格の人なんだって分かると思います」

「友達と行くんだったら、この人は冒険するタイプなんだとか、慎重派なんだとか、育ちや親の教育方針なんかも分かるから、比べてみると楽しいと思います。誰と行っても、お互いに新しい発見は絶対ありますから。グッズも忘れずに。私は興奮して、シドニーでリュックを三つ買いました(笑)」

日本展でも、ヨーダ、ダース・ベイダー、ストームトルーパーのTシャツなど、豊富なグッズが展開される予定だ。(文中敬称略) ※日本でのリュックの販売については未定。

(文・&M編集部 岡本尚之 写真・永峰拓也)

「賞金稼ぎのボバ・フェットが大好き」市川紗椰が語る映画『スター・ウォーズ』の魅力

infomation
STAR WARS™ Identities: The Exhibition
スター・ウォーズ™ アイデンティティーズ:ザ・エキシビション

会場:寺田倉庫 G1-5F(東京都品川区東品川2-6-4)
会期:2019 年 8 月 8 日(木)〜2020 年 1 月 13 日(月・祝)
時間:10:00〜19:00(最終入場 18:30)
休館日:2019 年 9 月 9 日(月)、10 月 21 日(月)、11 月 18 日(月)
2020年1月1日(水・祝)〜1月3日(金)
アクセス:りんかい線「天王洲アイル」駅 B 出口より徒歩4分
東京モノレール羽田空港線「天王洲アイル」駅 中央口より徒歩5分
オフィシャルサイト:http://www.starwarsidentities.jp
お問い合わせ先:info@starwarsidentities.jp

>>展示の一部がご覧になれます

スノーピークがオススメする「自宅で使える」キャンプギア ソファや寝袋、どう使う?

トップへ戻る

長く続いている素晴らしいことには、じっと支え続ける誰かがいる。ナガオカケンメイが考えるオーケストラ

RECOMMENDおすすめの記事