CROSS TALK ―クロストーク―

MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」

時代を切り開くトップランナーたちによる仕事論とライフスタイル――。

ウェブマガジン「&M」と「&w」のコラボレーション企画が本日よりスタートします。タイトルは「CROSS TALK(クロストーク)」。様々な世界で活躍する男女2人に二つのテーマで対談していただき、それぞれ&M、&wで紹介します。

MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」

初回に登場するのは、アーティストのMIYAVIさんと、フードアーティストの諏訪綾子さんです。

これまで7度のワールドツアーを成功させている日本有数のギタリストと、様々な食材を使って圧倒的な美を表現する、唯一無二のフードアーティスト。独自の表現で見る者を異世界へといざなう2人が考える「カッコよさ」とは――。

 

MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」

MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」
MIYAVI

アーティスト、ギタリスト。「サムライギタリスト」の異名を取り、通算350以上の公演と7度のワールドツアーを成功させる。近年は活動の幅を広げ、アンジェリーナ・ジョリー監督映画『Unbroken』では俳優としてハリウッドデビューを果たしたほか、2017年からは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務めるなど、世界を股にかけて活躍する。

MIYAVI×諏訪綾子 トップアーティスト2人が語る「カッコいい」の本質 「持たない美学」と「大多数に流されない美学」
諏訪綾子(すわ あやこ)

アーティスト。2006年より食による表現活動「フードクリエーション」を主宰。国内外でパフォーマンス「ゲリラレストラン」やディナーエクスペリエンス「Journey on the table」、フードインスタレーションなどを発表。人間の本能的な欲望、好奇心、進化をテーマにした食の表現を行い、美食でもなく、栄養源でもエネルギー源でもない、新たな食の価値を提案している。2014年、金沢21世紀美術館・開館10周年記念展覧会「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム」。2019年、アルスエレクトロニカ「STARTS Prize Winner」ノミネート。

映画『ダイナー』で驚きの出会い

MIYAVI 諏訪さんとは、蜷川実花さん監督の映画『ダイナー』を通じてお会いしましたね。僕は主題歌を書かせてもらって、そのMV(ミュージックビデオ)の撮影現場で。

諏訪さんは『ダイナー』の「食」まわりを監修されていて、女性ながら男らしさも持ち合わせている人だなと感じました。撮影のとき、最初タコを持ってきましたからね。でっかいタコを(笑)。すごく穏やかで丁寧な方ですけど、作品に対するアティチュードとかこだわりを感じて、そこが魅力的だなと思いました。

諏訪 私は初めてお会いして、「久しぶりにカッコいい人を見たなー」って(笑)。もともと、ビジュアル的にカッコいい人が好きとかそういうタイプではないんです。MIYAVIさんはもちろんビジュアル的なカッコよさもあるんですけど、もっとこう、内面から出るものがあって。

当時、スタジオには何十人ものスタッフの人たちがいたんですけど、みんなが圧倒されていました。MIYAVIさんにパッとライトが当たって撮影が始まると、鳥肌が立って、みんな呆然とする、みたいな。それは「カッコいい」という一言では足りない感じがしましたね。

MIYAVI この対談は「カッコよさ」がテーマみたいですが、僕は「カッコよさ」って、“波動”のようなものではないかなと思っています。決して目に見えないけど、すぐに感じられるもの。僕ら音楽家は、目に見えないものを形にする仕事をしています。諏訪さんにも、目に見えない部分の“波動”を感じました。

まあ、実際に現場で見たのは、ハンバーガーに刺さっているナイフが倒れないように固定する作業だけでしたけど(笑)。だけど、やっぱりそこでの立ち振る舞いがあって、アーティストだなあと思いましたね。

諏訪 今の時代って、どうしても視覚的なものに価値が見出されがちじゃないですか。 SNSとかでも、インパクトのあるビジュアルに、みんなの注目が持っていかれてしまう。それが本当にリアルなのかどうかもわからないけれど、それもわかった上でみんなそっちに目を奪われている面があると思います。

でも、私はその裏にある、本質に興味があって。その目に見えない価値みたいなものを表現したり発したりすることができる人にカッコよさを感じます。

(動画)諏訪さんの代表作であるフードパフォーマンス「ゲリラレストラン」。提供されるのは、「失意」「喜び」「怒り」など、諏訪さんが様々な感情を食べ物として表現したもの。おいしさや栄養を追求したものでもなく、“感情をあじわう”という体験を通して、「食べる」という行為に新たな価値観を与えることを目的としている

「所有する」から「持たない」カッコよさに

MIYAVI 「カッコいい」の定義は時代と共に変わっていきます。ビジュアルひとつとっても、売れている俳優を見るだけで、価値観が変わってきているのがわかる。日本の中の基準も、欧米の美的感覚が入ってくる前と後では、美しさの感覚は変わっているはずです。

一方、「スタンス」の面でいえば、昭和的な「所有するカッコよさ」から、今は「持たないカッコよさ」に変わってきているのかなと思います。ノマドとかクラウドストレージの普及にも、その流れを見ることができます。かつては所有がステイタスだったと思いますが、デジタル化が進むにつれて物を持つことが必ずしも正解ではないというか。また新しい時代における幸せやカッコよさの定義が生まれつつあると感じています。

諏訪 カッコいいとか美しいと思うものって、自分が成長したり進化したりするなかで変わる部分もある。ただ、いろいろな経験を積んで成長しながらも、ずっと変わらない価値観を育てて、それがどんどん自分の中で成熟していくといいなと思っています。他の誰かがじゃなく、自分だけがカッコいいとか美しいと思うものを大事にしたい。そういうふうに感じる自分の感覚とか感性を。

MIYAVI そうですね。個人的な変化でいえば、僕は世界の様々な場所で演奏するので、最小限の機材で最大限のパフォーマンスができるスタイル、ということを常に考えるようになりました。

「この場所でないとできない」「これがないとできない」「ここ以外どこにも行けない」っていうのは、もう僕の中では「カッコいい」につながってこない。どこでも戦えるミニマルな状態こそが本当にカッコいいこと。いかに持ち物を最小限にして、コンパクトにモバイルできるか。それを実現することも、カッコよさの一つと考えます。

諏訪 私の場合、特に大多数の人が支持しているものをいいと思えないことが少なからずあって。自分にそういう感覚があることを強く感じます。

日本で生まれ育つと、なんとなく大多数の意見に流されるというか、みんながカッコいいって言うと自分もそう思っているかのように感じてしまう。子どもの頃は特にそうですよね。でもだんだん大人になるにつれて、多様なものに触れて、私は私でいいんだと感じて、自身の感覚を大切にするようになった。それが、今の活動や仕事につながっています。

MIYAVI 価値観も変わりますよね。僕は2017年からUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使としての活動をさせてもらっていて、難民キャンプを訪問して子どもたちとギター弾いたりサッカーしたりして、現地で見たことを音楽にのせて世界に伝えています。

水色のUNHCRのロゴが入った水色のキャップを被って、汗だくになってサッカーしたり。そういう姿を、前はカッコいいと思ってなかった。だけど、逆に今はカッコいいと思うんですよ。従来のロックスターとは全く違った形の活動だけど、僕はこれこそが今のロックだと思うし、カッコよく活動をすることで、若い子たちがカッコいいと思って後に続くようにしたい。

諏訪 アーティストは主観が大事ですよね。作品づくりにおいても、私はこれがいいと思う、それに明確な理由がある場合もあるし、理由がなく絶対にこれっていう場合もある。でもその直感とか感覚の蓄積が世界観を作っていく。

MIYAVI はい。音楽がカッコよければ、メッセージもきっと心にすっと入ってくる。言葉だけを聞くよりももっとたくさんの人が聞いてくれるかもしれない。そういった橋渡し的な要素を音楽やアートは持っていると思うし、僕の今の立場や役割に応じてやるべきこと、伝えるべきことを、次の世代に届けていくことが自分の責任だと思っています。

(構成/高橋有紀 撮影/関めぐみ)

MIYAVI×諏訪綾子


トークはまだ続く

最後に出てきた「役割」という言葉。「アーティスト」や「(子を持つ)親」など、立場に応じてさまざまな役割が存在します。自身の役割を全うするために、2人が心がけていることとは? すっかり打ち解けた2人の話は互いのライフスタイルへと広がっていきます。

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『NO SLEEP TILL TOKYO』

未来へ、飛び込め。「サムライ・ギタリスト」MIYAVIが、昨年12月に発売したジャンル/キャリア/国境さえも超えたアーティストと真剣勝負を繰り広げる対戦型コラボレーション・アルバム『SAMURAI SESSIONS Vol.3』から僅か半年。間髪入れずにリリースされる最新アイテム。2016年8月発売「Fire Bird」から実に3年ぶりとなる待望のソロアルバム!ボーナストラックには7月5日公開の映画『Diner ダイナー』主題歌、DAOKO × MIYAVI「千客万来」収録!ジャケットは石田スイ氏(「東京喰種トーキョーグール」作者)による描き下ろし! 〈Official HP〉〈Instagram〉〈Twitter〉〈Facebook〉〈YouTube

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